髪がまとまらない、、。
とにかくまとまらない。

もともと乾燥しやすい髪質で、手取り足取りお手入れを施してきたつもりだったが、、
この有りさま。

ふわふわ〜と広がり、チリチリっと水分不足があたふたする。

何か策はないかと、あれやこれやと試した。新しいものにトライしたり、掛け合わせてみたり、、とにかく、答えを見つけるのに必死だった。

だが、結果はついて来ず。

最近、ちょっと慌ただしくしていたからなあ。

30歳を過ぎれば、髪質は落ちるものなのかなあ。

仕方ないのかなあ、、。

気分はどんより落ち込みモード。
その日の夜は、お風呂後に髪をドライヤーで乾かして、何も付けずに、眠りについた。

翌朝。
ツルッ。さらっ！

「あれ！これは、、！！」

私が求めていた、かつての触り心地に近いもの。
まだ、健在だったのね〜〜！！

諦めかけてた矢先、取り戻した幸せ。

はて、今までと何が違ったのかな。

シャンプーはいつも通り、タオルドライ後に、ドライヤーで乾かして、、

「あ、、ドライヤーの前後にクリームをつけなかったな。」

試しに、数日間、お風呂後の髪にクリームをつけることを止めてみた。

すると、あら不思議。ますます髪は元気になり、おまけに、気持ちまで明るくなった。

・

うまくいかないとき、
何かが”足りない”と思いがち。

だけど、意外と必要なものはすでに揃っていて、組み合わせだったり、タイミングだったりで、効果がうまく表に出ていない時がある。

それに気づかず、不安になって、新しい要素を取り入れる。
それでも足りず、もっともっとと、他の要素をあたってみる。

これって、人生も同じことだなと思った。

10代、20代の若い頃は、あらゆる分野に興味を持って、視野を広く、いろんな可能性を試してみたらいい。

30代になって、何か新しいことにチャレンジをするときって、全く別というよりも、今取り組んでいることの延長上にその分野があった、そうでなければ、ずっと昔から憧れていた分野だった、というような理由が多いのでは、と思う。

AIや広告に、こちらは希望もしていないのに、あたかも必要であろうかのように、あれよこれよとお勧めをされる。目にした私たちは、もしかしたら必要なのかもしれない、と不覚にも踊らされてしまう。

ほんとうに？それ、必要かな？

一度、心と、経験と、向き合ってみてほしい。

”もうすでに持ち合わせてます。”

そういう場合が、多いんじゃないかな。
生き抜いてきた過去を、経験を、うまく活かすように、手持ちのカードで先をやりくりしてみる。想像が拓けて、もっとおもしろいと思う。

試行錯誤して、脳をフル回転させて。
自分という素材を、活かしてあげよう。

・

ようやく手に入れた私の元気な髪。
労わって、愛でて、大切に育てていきたい。

最近は、大河ドラマの影響で、「光る君へ」のまひろ（紫式部）に寄せて、センターパートの前髪に、少しだけ眉毛を短く書いて、平安時代に浸っている。

恥ずかしいので、誰にも言っていない。

誰も気づきはしない、私だけの楽しみ。

今ある素材でできる、お手軽な活かし方。

・

行き詰まったときこそ、ひき算で。

厳選された要素に、自身の人生を掛け合わせて。