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【映画紹介】リンダはチキンがたべたい!🐓〜フレンチ&イタリアン・コメディ 思い出のpouletを求めて。〜

だんだん、夏日のような気候になってきましたね☀️
道ゆく人の中には、半袖、ノーズリーブの方もちらほらおられて、ひと足さきにGW気分だな~と、こちらもウキウキしてきました( ´ ▽ ` )♪


さて、本日はこちらの映画を観てきました。

フランスのとある郊外、団地に暮らす8歳の女の子リンダと母ポレット。ある日、母の勘違いで叱られてしまったリンダは、間違いを詫びる母に、亡き父の得意料理だった「パプリカ・チキン」を食べたいとお願いする。しかしその日はストライキで、街ではどの店も休業していた。チキンを求めて奔走する母娘は、警察官や運転手、団地の仲間たちも巻き込んで大騒動を繰り広げる。

映画.com 作品ページより、一部引用。


「美術」「音楽」そして「チキン」!フランスを代表するアートや料理のエッセンスをしっかりと。「ストライキ」「団地」「大騒動」、、フランスの知られざる日常をどどんと盛り込んだ、magnifique(マニフィック)コメディ!!


予告動画(日本語字幕版)はこちら。


ポップでカラフルな色合いが印象的なアニメーション🎨
色と映画の世界に、ぐっと引き込まれます。

魅力満載の作品。お楽しみポイントごとに解説を交えながら、紹介をしていきます💪

既に観賞されたお方、これから観たいお方、ちょっと興味あるお方に向けて。
よろしければ、お付き合いください^^♪




◾️アニメーション

ラフスケッチのような大胆なタッチ。そこに色を乗せて、人物や風景に息を吹き込む。パーソナルカラーがあれば、建物や車にも色がある。まるで、すべてが生きているかのような演出。

そこに、監督・脚本の企みがある。

キャラクターが動くときに、すべての線ではなくポイントとなる一部の線だけを描くことで、動きのなかで線が浮かびあがってくるような独特のアニメーション表現がなされている。(中略)
「止まった絵で見れば絵画にしかみえないが、動きが加わることで線が浮かびあがり、そこから人間の存在感というものが浮かびあがってくる」

東京国際映画祭HP, 2023.11.01 [イベントレポート]より、一部引用。

『リンダはチキンをたべたい!』(以下、本映画)の監督・脚本のおひとり、セバスチャン・ローデンバックは「アニメーションの潜在的な能力を引き出す」ことを試みる。目指すべきは、“ある種の制約をもうけて表現を開拓する”こと、と語る。

あえて、「制約をもうける。」
現実問題、費用や時間にかかわる理由が大きいかと思う。そこを逆手にとる。芸術が生まれる。



◾️絵


続いて、注目したいのは、色遣い。
この色に、表現に見覚えのある方も多いのではないでしょうか?

そうです。「色彩の魔術師」アンリ・マティス
わあ!マティスの作品が動いてる✨美術好きな方はそう感じるかもしれません^^
美術に詳しくない方でも、楽しい気持ちになれる親しみのある作風かと思います。

「形の単純化を目指し、色彩でデッサンをする」ことを目指したマティス。
本映画の監督・脚本家も、作品を制作するうえで通じるところがあったのでは、と私は考えています。



◾️キャラクター

なんと、本映画の監督・脚本家のおふたり、キアラ・マルタセバスチャン・ローデンバックは、ご夫婦👫✨なのです。

夫婦二人三脚で、作品を制作されているなんて、、もうそれを聞いただけで観てみたい!と興味が湧いてきそうです。

さらに、主人公8歳の女の子、リンダのモデルはおふたり夫婦の娘!👧
さらにさらに、リンダを演じたのは、ご夫婦の友人の娘。なんという家族、友人の繋がり。仲間を大切にするフランス・イタリア人の文化を感じます。


◾️声

リアルな温かさがあふれる要素、まだあります。

「声」に力を入れました。

本作の最もユニークな要素は、声の録音方法だ。絵づくりの「前」に録音されているのだ。マルタは「普通のアニメーションは絵に音を合わせますが、本作では音に絵を合わせるべきだと二人とも考えました」と言う。このやり方は、脚本の立ち位置を実写映画に近付ける。…

公式サイトより一部引用。


「フランス人・家庭の日常がそのままアニメに落とし込まれている」と、本映画を観て思いました。子どもは元気いっぱいでなんでも発言する、大人は感情に揺すぶられ怒る暴れる泣く、、ああ、人間まるだし。破茶滅茶でカオスだけど、一生懸命でハートがあるから、結果オーライ。

メイキング映像が楽しい!このまま映画にしてほしい〜!^^



◾️音楽

本映画を語るうえで、「音楽」も欠かせない要素のひとつ。ポップな色遣いについつい忘れてしまうのですが、主人公リンダのお父さんは、リンダが幼い頃に亡くなっています。思い出を語るほど思い出がない、けれどお父さんの得意料理だった「パプリカ・チキン」の味だけは忘れない。

「私(マルタ)が育ったイタリアのコメディには笑いと涙が共存しています。今回の映画でも、その両方が重要だったのです。」

公式サイトより一部引用。

お父さんはイタリア出身。人物に、監督自らの想いを重ね合わせたのか、はたまた家族や親戚をモデルとしているのか、、。いずれにせよ、笑いと涙を大切に生きておられる、ということなのですね。


クライマックスに、亡きお父さんを連想させるポップな音楽が流れます。笑いあり涙ありの作品、ぐーーうっと引き込まれました。「音楽」は、聴く人の心境、タイミングや年齢によって捉え方が変わってきますよね。

本映画の「音楽」を聴かれて、楽しく感じたか?悲しく感じたか?

感想を分かち合うのもおもしろそうです^^♪



(まとめ)


映画の雰囲気、お楽しみいただけましたか?

え?

「結局、リンダは「パプリカ・チキン」を食べれたの??」

ですって?

さて、どうでしょう?
私からは、お答えできません🫣

ぜひ映画館にて!
その真相をお確かめくださいませ~✨🍿🎞️



◇こぼれ話、おひとつどうぞ。🐓

フランス語で、
「鶏肉」は「poulet(プレ)」と言います。

「食用の鶏肉」「七面鳥」の意味はもちろん、
「子どもや女性に対する愛情を込めた呼びかけ」や、
スラングで「警官」と言ったり、
日本語でも馴染みのある「臆病者」という意味でも使います。

ドンチャン騒ぎなフランス、愛すべき「poulet」の存在あってこそ、なのです♡



______________________

*詳細*

◾️リンダはチキンがたべたい!
劇場公開日:2024年4月12日〜


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