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#8 明るい不登校をふりかえる 不登校の原因

助産師のHiroです。
末っ子が学校に行けなくなってから転学を決めるまでをふりかえるマガジンです。今回は不登校の原因について書こうと思います。

はじまり

高1の夏休み明けの1週間学校に行けなくなった。
もともと兄がアレルギー体質や空気を読まないタイプでイジメられたりするんじゃないかと心配だったこともあり、無理に学校に行かなくてもいいというスタンスで育ててきた。
その影響で末っ子は小・中学生の時から、月に何度か学校を休んでリフレッシュするタイプだった。最初の数日休むのは気にも留めていなかった。
3日目くらいから、表情が暗いし嘔吐はするし立ちくらみがひどいし、「これはなんか違うな不登校なんだな」と思い始めた。

不登校の原因は渦中ではわからない

子どもが不登校になると、親としては誰かにいじめられてるんじゃないかとか、友人関係に問題があるのかとか、色々気になるのが普通だと思う。
原因がわかれば何か対策ができるんじゃないかって親としては考えるから。
でも、不登校の原因って、その渦中にいる間は本人にもわからないことが多いそう。それを無理に聞き出そうとすると、ただでさえ不登校で苦しい思いをしている子どもをさらに追い詰めてしまうことになる。
だから私は不登校の会など、当事者団体のHPなどをみて情報を集めた。
仲間がいると思うと安心できるし、不登校だった親子がどうしていたかを知ることで、息子が現状について変化を望んだ時に、たくさんの選択肢を伝えられると思ったから。
まず息子にあれこれ聞き出すのではなく、ただそばにいて想いを受け止めたいと思った。

「答えは息子の中にある」

わたしがその時そう思えたのは、スティーブン・R・コヴィー博士の「7つの習慣」を意識して暮らしていたこと、そして赤羽雄二さんの提唱するアクティブリスニングを実践していたこと、この2つが大きいと思う。

助産師&看護師をしているので、傾聴トレーニングのようなコミュニケーション研修は受けていたし、日頃から聞き上手と言われるタイプ。だけど、家庭では子どもや夫の話を聞けずに途中で自分の話をしたくなることがあった。
そんなわたしが「7つの習慣」と「アクティブリスニング」を読んで、少しは聞けるように変化していた。特に息子の不登校に関する話についてはしっかり聞き切ることを意識できた。「答えは息子の中にある」ということを大切に関わってきたと思う。

7つの習慣 第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」

7つの習慣の第5章には「まず理解に徹し、そして理解される」というコミュニケーションについての習慣が書かれている。
評価せず、助言せず、解釈せず、まず「聞くを意識する」、自分の意見を伝える前に、まず「相手を理解しようとする」ことの大切さが書かれていて、コヴィー博士の子どもとの会話が出てくる。
一方的に親の考えを押し付けるのではなく、まず子どもの意見を聞いて尊重する、わたしもそうありたいと家庭でも職場でも意識していた時期だった。どの章も人生を自分らしく生きていくためのヒントが書かれていて、7つの習慣を読んでいたことで、子どもの不登校に対しても悲観的にならずに冷静に受け止めることができたと思う。


アクティブリスニング 自己満足ではない「徹底的に聞く」技術

アクティブリスニングについては、本を読んで自分なりに実践をしていただけではうまくいかなかったかもしれない。
わたしは幸せなことにclubhouseのふりかえりルーム親子のクオリティタイムというルームで、アクティブリスニングを実践している人と交流することができた。
自分の関わりがこれでよかったのか第三者の立場からフィードバックをもらったり、また他の人の親子の会話の実践例を教えてもらったり、そんな場所があったから自分1人で抱え込まずに、不登校と明るく向き合えたのだと思う。


幼少期のトラウマと向き合う

息子が話してくれた学校に行けない理由は、表面的には数学の先生が威圧的で怖いこと、宿題が期日までにできないということだった。
そのことについて親子のクオリティタイムをとって何度も話をしたり、スクールカウンセリングで箱庭療法をしたりしていくと、幼い頃のトラウマが大きな原因となっていることがわかってきた。

わたしは息子が2歳の時に助産師になるために自宅から2時間かかる大学に通い始めた。息子が4歳の頃から、看護実習や助産実習のために大学や実習先の近くに下宿して、1年ほど子どもたちとは週末にしか会えない生活を送っていた。

2歳からの母子分離は息子にとって大変な出来事だったのだと思う。
夫は仕事で嫌なことがあったりすると機嫌が悪くなり些細なことで大声で怒鳴り散らすタイプ。夫婦で何度も話し合い、最近は少し穏やかになりアンガーマネジメントができるようになってきたけど、わたしが大学に通っている間子ども達は何度も怖い思いをしたのだと思う。
学校で威圧的に怒鳴り散らす数学教師を見ると、幼い時に怒ってきた父親の記憶がフラッシュバックすようになった。

過去のトラウマについて話をするのは、とても苦しい作業で、息子は話す時息をするのも大変そうになる。それを見るのは辛いけれど、息子は「きっとこれを克服できたら僕は大きく変われるから」と、一言ずつ言葉を選んで話をしてくれる。わたしは、その言葉の一つ一つに反射的に反応せずに、ただ受け止めようと思っている。

息子の話を聞いて自分が毒親だったということを初めて自覚することができた。
怒鳴る父親だけが毒親なんじゃなくて、それをどうすることもできなかった自分もまた毒親。幼い子どもを残して自分のやりたいことを優先させたことも、大切な子どもたちにとって毒になっていたということも。

過去は変えられないから、わたしは今夫婦のあり方を変えたいと思っている。

夫が怒りをコントロールできないのは、乳児期に父親と死別しているのが関係していると思っている。キレやすい夫はどうにもならないとあきらめていたけれど、夫が心の傷を癒せるように、自分のほんとうの怒りの原因と向き合ってもらえるように働きかけていきたい。

息子が不登校になっていなければ、ちゃんと向き合っていなかったと思う。
息子と一緒に過ごせる「いまこの一瞬一瞬」を、2歳からの空白の4年間を生き直す思いで向き合っている。

親子のクオリティタイムを主宰している畑中さんのnote。
このnoteとたまにしか参加出来ないけれど朝5時半から毎日開催されているclubhouseのルームにはとっても勇気づけられた。子どもとの関わりに悩む方にはお勧めのコンテンツです。


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