見出し画像

神奈川県川崎市の放射能測定値=福島原発事故から12年経って

福島原発事故が起きた2011年から、ほぼ毎年、年末になると川崎の一軒家の庭の土や苔などの放射能を測定してきました。

2023年 初めて苔が土より低い数字に

2023年12月に測定したのは土2件と苔です。
  勝手口の軒下の土 55.3Bq/kg 
  書斎南側の土  102.9Bq/kg
  苔        87.8Bq/kg 
(セシウム137のみ、セシウム134は検出限界以下)
今回初めて苔の数字が土よりも低い数字になりました。
苔は毎年同じ柿の木の周りに敷いてあるレンガの上にあらたに生えたものを採取していますが、ずっと高い数字を記録してきました。
書斎南側の土は、昨年も測って高い数字を記録したので、今年もほぼ同じところで採取しました。
2019年に台風が来て、多摩川の水位が上がり、内水氾濫が起きました。泥があふれてこの家の庭にもたくさんの泥が入り込みました。その時、泥を測定したら、約210Bq/kgありました。(セシウム134、137合計)
書斎南側は、この泥がたまりやすい場所なので、ここの数字が高くなっているのかなと思っています。

セシウム134が検出されなくなった

今回3件体全てでセシウム134がND=検出限界以下になりました。3件体すべてからセシウム134が検出されなかったのは今回が初めてです。(検出限界値は勝手口軒下が2.7Bq/kg、書斎前が3.0Bq/kg、苔は8.0Bq/kg)
セシウム134は半減期が約2年です。12年と8ヶ月でセシウム134は検出されなくなったと考えると、セシウム137は半減期約30年なので、セシウム137がまったく検出されなくなるのは、半減期の6倍とすると180年??
まだまだ長い間、放射性セシウムが検出され続けることになりそうです。

2011年から2014年 放射能測定値

福島原発事故の年は、さすがにいろいろなものから放射性セシウムが検出されました。数字はすべてセシウム134とセシウム137の合計。単位はBq/kgです。

2011年から2014年の測定値

2015年から2018年の放射能測定値

半減期の影響か、雨で流されていくのか、年々減っていますが、増える年もあります。検体の乾燥の程度の違いがあるのかなと思います。

2015年から2018年の測定値

2018年から2023年の放射能測定値

2020年の泥209.8Bq/kgは、台風で内水氾濫したとき、回収した泥を測定したものです。この泥が多摩川の河原にしばらく積み上げられて、乾燥した日には風で巻き上がったりしていました。放射能で汚染された地域で水害があった場合は、汚染された泥の影響を考慮する必要があると思いました。

2018年から2023年 放射能測定値
内数はセシウム134

*1 毎年、年末に作っている手書きアナログの「てんとう虫つうしん」で測定結果を公開してきましたが、今年はnoteでお知らせします。(昨年末のアナログのつうしんの発送には間に合いませんでした。ごめんなさい!)

*2 2018年12月はふたつの測定室で同じ検体を測定しました。

*3 2014年は苔と柿の木の樹皮を剥がしたもの(虫退治のため)を一緒に測定しました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?