てんとう虫

原発のコストに注目して数十年。脱原発株主運動などに関わっています。 絵本『かいじゅうげ…

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原発のコストに注目して数十年。脱原発株主運動などに関わっています。 絵本『かいじゅうげんぱつどん』『プルトニウムに明日はない』『さすらいの高レベルくん』など。

最近の記事

続:福島原発5号機の取水口の海底土の汚染について

前回の note 「福島原発5号機の取水口の海底土の汚染について」で、東電が海底土の汚染について二桁も違うようなホットスポットが存在することを認めたと書いたのですが、4月23日、東電と共に脱原発をめざす会で、東電は 「上昇の原因として、海底土のサンプリングは小型船の上から行っており、毎回同じ場所の海底土をサン プリングすることはできないため、サンプリングポイント周辺でも比較的放射性物質濃度の高い海底土を 採取したものと思われます」 という文書回答は不適切だと認めました。 海

    • 福島原発5号機の取水口の海底土の汚染について 

      ●ALPS 処理水海洋放出の状況について *ALPS処理水海洋放出の状況についてhttps://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/decommissioning/committee/osensuitaisakuteam/2024/03/03/3-1-2.pdf P16(東電のページだとP15) 1-5.5/6号機取水路開渠内の海底土モニタリング結果(2)の表をみると、D  5号機取水口 の海底土の数値が2022年3月の3,301から2023年

      • MOX燃料の値段は輸入ウラン燃料の10倍!!貿易統計を調べてわかったこと

        危険!処分に困る!高い!MOX=良いことないのになぜ使う? MOX燃料とは、原発の使用済核燃料を再処理して、プルトニウムを取り出し、それをウランに混ぜて作った原発の燃料です。MOX燃料は普通のウラン燃料と違って、新燃料の状態でも発熱していて、冷却が必要です。炉内で燃やす時も、より危険で、最大で炉心の3分の1しか入れられません。しかもMOX燃料の再処理は今後フランスで実験をするといっています。そして詳しく書きますが、値段もとても高い!燃料なのです。そんなMOX燃料をなぜ使う

        • うすく広く電気料金に乗せれば=NHKETV特集「膨張と忘却」をみて思うこと

          「うすく広く」電気料金に乗せれば19兆円なんてすぐ 3月2日に放送されたNHKETV特集「膨張と忘却 理の人がみた原子力政策」という番組の中で、「19兆円の請求書」という内部文書により再処理事業からの撤退を訴えた経産省の役人はある有力政治家にこう言われたという。 「君らが言っていることは全部正しいな」 「でもねえ、これは神話なんだ」 「嘘を承知で、できる、できるって言っていればいいんだ」「うすく広く電気料金に乗せれば19兆円なんてすぐに生み出せる」 これを聞いた役人は「結

        続:福島原発5号機の取水口の海底土の汚染について

          23.4兆円ってどれくらい?!=福島原発事故賠償費用がまた増えた

          昨年12月に発表された福島原発事故の賠償金の見直しでは、被災者賠償は7.9兆円から1.3兆円増えて、9.2兆円に。中間貯蔵が0.6兆円増えて2.2兆円。除染は4兆円で、賠償金額の合計は13.5兆円から1.9兆円増えて15.4兆円になりました。これに福島事故炉の廃炉費用8兆円を加えると、総額は23.4兆円になりました。 表題画像は「東京電力の賠償費用等の見通しと 交付国債の発行限度額の見直しについて」より https://www.mext.go.jp/content/202

          23.4兆円ってどれくらい?!=福島原発事故賠償費用がまた増えた

          原発への投資回収ってこんなに大変なんだ!

          原発の投資回収のリスク=とても正直なプレゼン デロイトトーマツの桶野さんが第38回原子力小委員会で「次世代革新炉への投資や再稼働投資に関わる 原子力事業環境面での課題」https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/pdf/038_04_00.pdf というプレゼンをしました。その内容がとても正直なもので驚きました。 長期脱炭素電源オークション==原発を支援するけどまだ足りない このプレ

          原発への投資回収ってこんなに大変なんだ!

          西村前経産相の架空パーティー スポンサーは関電だった!?

          西村康稔前経産相の大スポンサーは 関西電力 月刊「選択」1月号に「西村康稔前経産相の大スポンサー 関西電力に高まる責任論」という記事が掲載されました。=関西電力の「守護神」と言われる西村康稔議員が政治資金問題で経済産業相を辞任した。他電力からは「西村氏を堕落させたのは関電」との声が=という記事です。 「西村やすとし茶話会」=政治資金集めパーティー 「週刊文春」12月23日号によると、西村(当時)経産相の資金パーティー「西村やすとし茶話会」が平日昼休み、永田町のホテル会議

          西村前経産相の架空パーティー スポンサーは関電だった!?

          関西電力は日本最古の原発、高浜1号を今すぐ止めて!==11人死傷、美浜3号事故を振り返る==

          いままで経験のない地震  1月1日、能登半島で大きな地震が起きました。亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、今もまだ「いつもどおり」の暮らしを取り戻せていない皆様に、お見舞い申し上げます。  現地周辺では3年以上群発地震が起きていました。おととし6月にはマグニチュード5.2、最大震度6弱の地震が起きましたが、今回はこれを上回る大地震が起きました。これで地震活動が収まるのか、今後どうなっていくのか専門家にもわからないようです。 引用「類を見ない現象が起きている。地震

          関西電力は日本最古の原発、高浜1号を今すぐ止めて!==11人死傷、美浜3号事故を振り返る==

          神奈川県川崎市の放射能測定値=福島原発事故から12年経って

          福島原発事故が起きた2011年から、ほぼ毎年、年末になると川崎の一軒家の庭の土や苔などの放射能を測定してきました。 2023年 初めて苔が土より低い数字に 2023年12月に測定したのは土2件と苔です。   勝手口の軒下の土 55.3Bq/kg   書斎南側の土  102.9Bq/kg   苔        87.8Bq/kg (セシウム137のみ、セシウム134は検出限界以下) 今回初めて苔の数字が土よりも低い数字になりました。 苔は毎年同じ柿の木の周りに敷いてある

          神奈川県川崎市の放射能測定値=福島原発事故から12年経って

          廃炉は核のごみ置き場!?関西電力 中間貯蔵施設をめぐる黒歴史の続き

          この年末、老朽原発3基が停止するはずだった 2023年の年末までに、原発からでてくる使用済核燃料を福井県外に搬出するため、中間貯蔵施設の県外立地点名を福井県に提示する。それができなければ美浜3号、高浜1.2号の老朽原発3基を止める、そういう約束を関電は福井県にしていました。 過去の約束について詳しいことは「関西電力 中間貯蔵施設の「約束」をめぐる黒歴史」をぜひご覧ください。https://note.com/mie629/n/n2d6d67903103 使用済燃料対策ロード

          廃炉は核のごみ置き場!?関西電力 中間貯蔵施設をめぐる黒歴史の続き

          関西電力高浜原発3、4号は蒸気発生器を交換せずそのまま廃炉に!!==美浜2号事故を振り返る==

          傷ついた細管には栓をしていたけれど交換することに 高浜3、4号は定検の度に蒸気発生器の細管に傷がみつかり、その管に栓をして動かしています。まもなく運転開始から40年の老朽炉ですが、従来の主な損傷は管の内側からの腐食が原因でした。しかし長期運転停止の後、管の外側に損傷がみつかるようになりました。関電は金属のごみが管にくっついたり、擦れたりしたことが原因としています。外側の傷は栓をしても腐食環境が変わらないので傷の進展を抑えることができません。関電は高浜3、4号の蒸気発生器ごと

          関西電力高浜原発3、4号は蒸気発生器を交換せずそのまま廃炉に!!==美浜2号事故を振り返る==

          『東京電力の変節=最高裁・司法エリートとの癒着と原発被災者攻撃』を読んで

          被害者を攻撃する東電 5月下旬、東京高裁で福島原発事故の避難者裁判を傍聴して驚きました。被告である東電が原告らのSNSを調べ、こんなに楽しそうに暮らしているじゃないか、賠償の必要はないでしょ、みたいな主張をしたのです。「被害者非難」「被害者バッシング」という言葉が頭に浮かびました。何も悪いことをしていないのに、当たり前の暮らしを奪われ、慣れぬ土地で慣れない暮らしを強いられている人に対して、よくこんなひどい主張ができるものだと怒りを感じました。それまでも、市民グループの通信

          『東京電力の変節=最高裁・司法エリートとの癒着と原発被災者攻撃』を読んで

          何もしない会社に2年間で8億円!?〜原発マネーの不正還流の証拠が明らかに〜

          2022年4月20日関西電力(以下関電)コンプライアンス委員会(以下コンプラ委)が発表した「調査報告書」(以下報告書)https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2022/pdf/0420_1j_04.pdfでは、巨額マネー不正受領事件の中心人物である森山栄治元高浜町助役の関係会社=吉田開発の「土砂処分問題」のことが調査報告されています。仕事を「ちゃんとやれない」森山氏の関係会社にいかに実際の仕事をさせずに、利益だけを確保をするという難題?を解決

          何もしない会社に2年間で8億円!?〜原発マネーの不正還流の証拠が明らかに〜

          関西電力は高浜原発再稼働のため高浜町議の会社を救済

          高浜町議の会社を救済するため倉庫を高値で賃借 2023年10月14日号の週刊現代に『関電と原発マネー封印された「報告書」の中身』(取材・文 宮下直之)という記事が掲載されました。この記事にあるように、2022年4月20日、関西電力(以下関電)発表のコンプライアンス委員会(以下コンプラ委)の調査報告書(以下報告書)の内容は、ほとんど報道されませんでした。 週刊現代は関電コンプラ委が「調査報告書」を作成する際に使用した内部資料を入手し、生々しいやりとりを再現、いまだにこの元議員

          関西電力は高浜原発再稼働のため高浜町議の会社を救済

          関西電力高浜原発1、2号機再稼働の裏で=2015年から2016年にかけて起きていたこと=

          関西電力(以下関電)は、高浜原発1号機の営業運転を8月28日に始めました。11月で運転開始49年になる日本最古の老朽原発です。9月15日には、高浜2号も起動しました。これで関電が所有している7基すべての原発が福島事故後再稼働したことになります。 高浜1、2号の審査が実質合格した日の朝、関電社員が自死 2016年4月20日の朝、ホテルの部屋で関電社員が亡くなっているのが見つかりました。 この日、第4回原子力規制委員会(以下規制委員会)では運転開始40年を超える高浜1、2号

          関西電力高浜原発1、2号機再稼働の裏で=2015年から2016年にかけて起きていたこと=

          高浜原発3号機、トラブル続発で対応区分引き下げ

          関電は安全文化の劣化兆候の特定と改善計画を求められた 8月23日、原子力規制委員会(以下規制委員会)は相次ぐトラブルにより関西電力(以下関電)の高浜原発3号機の対応区分を引き下げることを決定して、関電に通知しました。 関西電力(株)に高浜発電所3号機に係る追加検査の対応区分の変更等を通知 2023年8月23日 https://www.da.nra.go.jp/view/NR100100303 8月23日に行われた第27回規制委員会で議題として取り上げられ、重大事故等対

          高浜原発3号機、トラブル続発で対応区分引き下げ