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失恋黒歴史@1987編

第一楽章 出会い

この前回の記事の通り、高校1年生の秋に不可解な失恋を経験した後、私はちょっと恋愛に奥手になってしまいました(´・ω・`)
年単位で言うと、昭和61年に2回フラれたほどなので、臆病にもなってしまいます(苦笑)
何せ、最初の失恋は、私の後に次々と彼氏が出来るモテ女になってしまう、次は失恋は、理由を知らないまま怒鳴られて近付くな!と宣告される、なんとも変わった失恋パターンを経験したため、臆病になるのも仕方ない…ですよね💦

そんなこんなで吹奏楽部の中で、私は喋れない女子が2人も出来てしまいましたが、臆病になったとは言いつつも、まだ諦めの境地には至っていませんでした。

(2年生になれば後輩が入って来る!)

私はかすかな期待を、新1年生女子に求めていました(;^_^A
勿論、バレンタインデーには、同じクラスの女子や、吹奏楽部の女子からの、思わぬ告白とかないかな?とか淡い期待をしていたものですが、一年前にバレンタインデーなど消えてしまえ!と呪った災いのためか、母からの1個と、吹奏楽部サックスパートからの1個の計2個に終わりました<(;´ー`)

そして2年生に進学し、私も紆余曲折を経て部長に就任した4月、新1年生が沢山入部してくれました。色々あって新1年生は半分ほど消えてしまうんですが、その辺りの話はこちらでどうぞ↓↓↓

さて私はバリトンサックスという楽器を担当していたんですが、新1年生に、バリトンサックス希望です!という女子、Wさんが入ってきました。
ですが私もバリトンサックスを譲る気はありません(笑)
とりあえずWさんはテナーサックスに回り、私はWさんに、どうせ俺は先に消える人間だから、そうなったら思い切りバリトンサックスを吹きなよ、というようになだめて、なんとかサックスパート新体制を作りました。
私は部長ではありましたが、生徒会役員もやらされていたので、パートリーダーは別の同期に務めてもらいました。
でもWさんも柔軟な女子だったので、いつかバリサク吹きますからっ!と、明るく私に宣告して、普段の練習は和気藹々とした感じでした。

第二楽章 昇華

Wさんは本当に明るい女の子で、帰り道も途中まで私と一緒だったものですから、部活が終わった後の帰宅時も1年前とは様変わり、私の親友(以下、話の都合上、Yと付けます)やWさんやWさんの友達も交えて、ワイワイガヤガヤと帰宅していました。
途中のスーパーで1年生にアイスを奢ったり、まっすぐ帰らずにそのスーパーの駐車場で後輩の悩み相談に乗ったりと、なかなか青春してましたよ(⌒∇⌒)

部活では同じパート、帰り道も途中まで一緒、しかも明るいときたら、私の心の隙間にはWさんがいつの間にか入り込み、どっしりと占拠してしまいました。
その内、打楽器大量離脱事件が起き、私はバリトンサックスから打楽器へ移籍を申し出、自動的にバリトンサックスの枠が空くこととなります。
勿論そこにはWさんが入ります。
ある日、このバリトンサックスの使い方というメモを渡し、Wさんが念願かなってバリトンサックスの担当になりました。
でも最初はマウスピースはそのまま使うので、

(間接キス?!)

等と思ってしまい、お前は変態か!と自分で盛り上がっては自分を戒めることが何度かありました(苦笑)

その内私も打楽器が定位置になり、夏のコンクール、二学期最初の体育祭が終わり、昼より夜が長い、人恋しい季節になっていきます。

すっかり私はWさんのことが好きになり、好きな子にするチョッカイみたいなことをWさんにしょっちゅう仕掛けていました。
肩を叩いて人差し指をほっぺに刺すとか、左側にいるのに右肩を叩いてみるとか。
対してWさんも同じようなイタズラを私に仕掛けたりして、外から見たら完全にカップルでしょ?みたいな状態になっていました。

ある時、親友Yから、
「お前、もうWに告白しちゃえば?」
と言われました。
若干一年前のトラウマを引き摺っていた私ですが、この親友Yの言葉に後押しされるように決心し、ある日の朝練でWさんを音楽室から別の所へと呼び出し、
「付き合ってほしい」
と、一大決心の告白をしました。
Wさんは驚いたような表情で私の告白を聞いた後、目に涙を浮かべ、
「嬉しいです、先輩…。でも今すぐ返事は出来ないので、明日の朝、答えます」
と返してくれました。
勿論私は、今度こそ彼女が出来ると確信して、その日一日を過ごしました。

ですが・・・

第三楽章 暗転

翌朝、音楽室にいた私は、Wさんに屋上に呼び出されました。
私は、当然告白を受けてくれると思っていました。
しかし、Wさんの表情は今にも泣きだしそうな暗さです。
酷い失恋を連続して経験している私には、その顔だけで答えが分かりました・・・。
ですが、一応屋上へ行き、Wさんの話を聞きました。

「先輩、昨日は告白してくれて嬉しかったです。本当に嬉しかったです。でも私は、先輩のことを彼氏として見ることが出来ません。先輩は私にとっては仲の良いお兄ちゃんでいてほしいんです。ごめんなさい、こんな答えで・・・」

今でも思い出せる、今にも雨が降り出しそうな空の下、Wさんは必死に声を詰まらせながら、返事をくれました。

彼氏としては見ることが出来ない、かぁ。また失恋か・・・。

「分かったよ。無理に告白なんかしてごめん。でも部活では今まで通りよろしくね」

Wさんは私の返事を聞くと、深々と頭を下げて、音楽室の方向ではなく、教室の方向へと走っていきました。
私は音楽室へと戻り、朝練に来ていた親友Yに、勇気出したけどフラれたよ、と報告しました。
親友Yは、そっか…とだけ言い、私の肩を一度だけポンと叩きました。

この時、私は何か違和感を感じました。

1年前に失恋した時は、もっと自分に対して流石親友!と言いたくなる慰めをしてくれたのに、えらいアッサリしてるなぁ、と。

その後も部活には私は普通通り出て、何事もなかったかのように振舞いましたが、Wさんの方が気を使ってしまい、部活中も落ち込んでしまっているもんですから、何があったんだ?と周囲がザワザワし始めました。
私がWさんと仲良しだったのを知っている後輩の男子からは、
「先輩、Wと何かありました?」
とストレートに聞かれたので、
「うん、告白したけどフラれた。上手くいかないもんだね」
とストレートに返しました。
これがあっという間に部活の後輩に広がってしまい、なんとなく部の雰囲気がおかしくなってしまったんですが、私はあくまで部長として明るく振舞い、みんな、ムードが変だよ!もうすぐ「まつり」(広島の中国放送が主催する吹奏楽の祭典。優秀校8校は、後日ラジオで演奏を放送してもらえる)なんだから、頑張ろう!
と、必死にムード盛り上げを図りました。

第四楽章 裏切り

その「吹奏楽まつり」が終わり、今度は年末のアンサンブルコンテストに向けて、どういう編成で出るかを会議で決め、打楽器はとても銀賞以上を狙えないということから、出場を辞退し、私は一時的に打楽器からサックスへ里帰りし、バリトンサックスではなく、ソプラノサックスでアンサンブルコンテストに出場することとなりました。
当然Wさんも一緒に出ますが、私は普通に振舞おうとしているのに、Wさんが私を避けるように振舞います。
そのため今一つ練習にも身が入らず、銅賞に近い銀賞になってしまいました。

(フラれたこっちはもう吹っ切れてるのに、なんでフッた方のWさんは今もあんな態度なんだ?)

その答えが分かったのは、3学期に入ってからでした。
生徒会の仕事があり、部活に間に合わなかった日がありました。
その内完全下校時刻になってしまい、生徒会の仕事も次の日以降に持ち越しになったんですが、その帰り道、私は見てはいけないものを見掛けてしまいました。

親友YとWさんが、腕を組んで楽しそうに会話しながら帰っているのです。

私はWさんにフラれたという話しをした時、Yがアッサリした対応だったのが分かりました。
YもWさんのことが好きだけど、私もWさんのことが好きで、ハッキリいえばYには私が邪魔だったんです。
そして後日、後輩から教えてもらって知ったことですが、WさんもYのことが好きだったんです。
それもなんと、Wさんがまだ中3の時から。

WさんとWさんの親友の2人は、私達が1年生だった時の高校の体育祭を観に来て、Wさんはトランペットを吹いていたYに一目惚れしていたとのこと。

なんだそれ!

最初から勝ち目なんか無かったんじゃないか!

私はYに対して激怒し、翌日の朝練でもう親友とは思わない、と絶縁通告を突き付けました。
Yは必死に言い訳していました。俺も苦しかったとか…。
しかし、苦しかろうがなんだろうが、私の気持ちを知っていて、フラれるのが分かってて告白まで仕掛けさせ、挙句の果てはこっそり付き合ってたとか、人をそんなにバカにして楽しいか!

これで高2の時の失恋は、まあまた頑張ろうと思える失恋から、許せない失恋へと変わり、私は女性不信、人間不信に陥っていきます。

後輩男子達は私を心配してくれ、色々声を掛けてくれました。

でもこの時受けた心の傷は、完治するまで時間が掛かりました…というか、心の奥底では完治していないのかもしれません。

この一連の出来事のせいで、何かあると


「どうせ自分なんか」

というネガティブ志向が根付きました。
仮に好きな女の子が出来ても、
「どうせ告白したってフラれるんだ」
となってしまいましたし、就職した後も職場の飲み会の幹事を任され、頑張ってみても女性陣に全員断られ男だけの飲み会になってしまい、先輩から文句を言われ
「どうせ自分なんか女性には嫌われるだけなんだ」
となってしまいました。

ですが、自暴自棄になりそうだった高2後半を支えてくれた後輩男子達には、今も感謝しています。彼らがいなかったら、私はどうなっていたか分かりませんからね(^_^;)

サポートして頂けるなんて、心からお礼申し上げます。ご支援頂けた分は、世の中のために使わせて頂きます。