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失恋黒歴史 中3編その5

「天国から地獄へ」

2学期終了時にはクリスマスプレゼントとして手編みのマフラーをもらったり、最後の最後で照れながらカップルらしい会話が出来たり、また元日にはOさんから年賀状が届いたりと、冬休み中はなんとなくまだOさんと付き合えている、そう思っていました。

そして3学期始業式の日。
念のため朝は、2学期末に毎朝Oさんと待ち合わせしてた場所へ、待ち合わせていた時間に出向いたのですが、やっぱりOさんはいませんでした。
しばらく待ってしまったのは、今思えば恥ずかしかったです(*ノωノ)

その後登校して教室に入ったら、結構先に来ているクラスメイトが多く、Oさんも先に来ていました。
ザワザワしていたので、「おはよう」とか言わなかったんですが、これがまず良くなかったかなと、思っています。

クラスの雰囲気自体も、いよいよ高校受験シーズンが本格化するということで、なんとなくピリピリしていました。

そして始業式後、学級会が終わったら、その日はもう帰宅なんですが、Oさんは私なんか眼中にありませんとばかりにとっとと帰ってしまい、私は若干焦りました。

(せめて顔ぐらい見て、目と目を合わせてくれてもいいのに…)

2学期末と比べ、Oさんのあまりの変わりように、いくら受験が近いからと言っても私は戸惑うばかりでした。

3学期初日がこんな感じだったので、私はOさんに全く声を掛けることもできないまま、日々だけが過ぎていき、完全に疎遠になってしまいました。

何とか打開策をと思った私は、Oさんの誕生日が1月24日であることを知ったので、誕生日プレゼントを贈ろうと思いました。

ですが、これが致命傷になりました。プレゼントには手紙も同封したのですが…

「誕生日おめでとう♪今まで色んなプレゼント上げてきたから、やめとこうかなと思ったけど、誕生日だからこのプレゼントを選びました」

こんな手紙を同封したんです。
果たしてこんな手紙で、女の子が感激する訳ありません。

誕生日当日は、下駄箱にプレゼントと手紙を入れておいて、帰り際にやっとのことで、帰るとき下駄箱見てね、とOさんに言うことができ、Oさんもその時はありがとうと返してくれたのですが、翌日になって昨日もらったプレゼントは・・・とかいう話は全くOさんからは何もなく、かと言って私から感想を聞くわけにもいかずで、再び疎遠な感じになってしまいました。

そして運命の昭和61年1月30日(木)です。

朝一で、なぜか隣のクラスの友人が私を呼ぶのです。

「なに?朝から・・・」
「これ、お前に渡してくれって回ってきたから、持って来た」

手紙でした。それをもらった時点で全て悟りました。

念のためその日の授業中とか休み時間、わざとOさんの近くでふざけたこととかしてみたんですけど、まったく無反応。
以前なら、ミエハルくん何してんの~って突っ込んでくれたんですが…。

その日の授業が終わり、帰宅しながら、もう手紙の内容は分かっていたので、既に心は落ち込んでいたのですが、何とか親には悟られたくない一心で、必死に顔を作り、家に帰って自分の部屋に直行し、手紙を読みました。

「Dear ミエハルくん。これが最後の手紙です。今までありがとう。これからは恋人じゃなく、友達として付き合って下さい・・・」

私は号泣しました。
親に聞かれたくないので、布団を被って号泣しました。
結局自分は彼氏になりきれなかったんだ、こんな優柔不断で、何事も引っ張って上げられない自分なんか、フラれて当然だ・・・
と、私は自分を責め続けました。
約半年、どう付き合ったらいいか迷いに迷って、結局最後はフラれてしまいました。

なんとか涙は出尽くしたかなと思うタイミングで、自分の部屋から出て、風呂に入り、夕飯を食べ、テレビを見ていたのですが、受験勉強しなきゃいけないのに全くやる気が起きません。

「ザ・ベストテン」では、少年隊の仮面舞踏会が1位でした。
思えば半年前に告白しあってカップルになった日も木曜日で、「ザ・ベストテン」をウキウキしながら見ていました。あの日はチェッカーズの俺たちのロカビリーナイトが初登場5位だったなぁ・・・。
「ザ・ベストテン」が終わった後、自分の部屋に戻って机に向かったんですが、もらった手紙を何度も読んでいると、出尽くしたと思ってた涙が、まだまだだ!とばかりに溢れてきます。

でも私は、この時点ではOさんを憎むような気持ちには全くならず、むしろ自分なんかが彼氏でごめんねと、謝りたい気持ちでした。

翌日、寝不足で泣き腫らした目で登校しましたが、Oさんは既に私の手が届かない女子になっていました。
クラスでも楽しそうに同じ班の男子や女子と話しています。
私は全く気力も何も起きず、ボーッとしていました。
休憩時間もOさんの方には目を向けず、自分の席に座って机に伏してました。

友人が何人か、「ミエハル、風邪でも引いたんか?」と声を掛けてくれましたが、大丈夫、とだけ答えて、そのまま寝てました。

そんな日が続いて、いよいよ今年こそは初めての本命チョコがもらえる♪と思ってたバレンタインデーが近付いて来ました。
すっかりバレンタインデーなんかこの世から無くなれ❗という状態に変貌していた私ですが、そのバレンタインデー当日は私立高の入試があるため、チョコを上げたりというのは、前日に行われるようなムードになっていました。

そのバレンタインデー前日、私を更に地獄の底へと突き落とす出来事が起きました。それは何かと言いますと…

(次回へ続きます)

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