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心を打つ演奏をしても、賞を取れるかどうかは分かりませんよね。 #コンテスト に出る方へ

こんにちは!NY在住の音楽家、宮嶋みぎわです。

私は8年間ステラジャムという日本のビッグバンド・ジャズ演奏コンテストで審査員をしていました。対象は日本全国で、鹿児島や東北から参加してくれる生徒さん・学生さん達にも出会えました。

若い世代がジャズに出会う素晴らしい場”ステラジャム”に、今年は「副賞を寄付する」という形で参加します。一定以上の寄付をすると、なんとA4一枚分の広告を出稿させていただけるということで、そのスペースを利用して、学生さんたちにお手紙を書くことにしました。

以下がその内容です。先行して公開しちゃいます。

テーマは【どんなに心を打つ演奏をしても、あなたが今年賞を取るかどうかは誰にも分かりませんよね。】です。

もしご感想いただけたら嬉しいです。
読み手は小学生〜大学生で、高校から大学4年生までが中心です。


画像をクリックでコンマス論に飛べるようにしておきますので、気軽にダウンロードなさってください。メールマガジンに登録されますが解除も簡単にできます。


当日パンフレットに、このお手紙が印刷されると思いますので、現地でもお読みいただけましたら幸いです。

元の原稿)
Dear 出演者のみなさん

こんにちは!NY在住のビッグバンドリーダーで作曲家・ピアニストの宮嶋みぎわです。

ビッグバンドが好きすぎて30歳でリクルートの雑誌「じゃらん」の編集デスクを辞めて音楽家になり38歳でNYに引っ越し、副プロデューサーとしてこれまで4つのビッグバンドCDでグラミー賞ノミネートを経験、国際ジャズ作曲コンテストで審査員をしたり、2020年にはビッグバンド作品でNY市が選ぶ94人の優秀な女性芸術家の1人に選ばれたりしました。

突然ですが。どんなに頑張って演奏しても、どんなに心を打つ演奏をしても、あなたが今年賞を取るかどうかは誰にも分かりませんよね。これについて、どう思っていますか?

音楽には様々なジャンルや演奏スタイルやポリシーがありますから、審査員の好みと皆さんの好みがあまりにズレていたら賞が取れないこともあります。0.1ポイントでも上の得点を取るバンドがあったら、負けますしね。
私には以前、どんなに頑張っても作曲コンテストで賞が取れない時代がありました。なぜ取れないんだろう?取りたい、なぜ勝てないんだ?といつも疑問でした。

でもある時「このまま賞が取れなかったら、作曲やめる?」と自分に質問をしてみたら、もうひとりの自分がすぐに「やめるわけないじゃない!」と答えたんですよね。それで私は、自分の気持ちに気づくことが出来ました。私は音楽に憧れているんです。

NYで音楽家として暮らすのは、日本で会社員をしていたときの100億倍くらい大変です。でも私がそれを続けているのは音楽が人のこころに届くときのその届き方がかっこよくて素晴らしくて、憧れが止まらないからです。

NYには同じ理由で音楽を頑張っている仲間が山ほど居て、そういう仲間と、大変だけれど楽しい毎日を過ごしています。2019年にDizzy's Club Coca Colaという場所で演奏した時は、アメリカの高校生が修学旅行に来ていて「あなたの人生を元にした曲、素晴らしかったわ。ジャズってただの伝統音楽だと思っていて興味がなかったけど、こんなにカッコいいのね」と言ってくれました。去年Lincoln Centerという場所で演奏した時は、演奏後に警備員の女性が二人走り寄ってきて「あなた達が、この夏で一番サイコーだったわ!また出てね!」と言ってくれて驚きました。どちらの時も、嬉し涙を拭き拭き帰りました。

あなたは今日、誰のために、何のために演奏しますか?

みぎわさんの人生が幸せになったのはなぜ?ともし質問されたら、若い時にビッグバンド・ジャズに出会ったからと、私は答えます。学生バンド時代の私は決して天才プレイヤーでもなければ連続優勝バンドの花形でもなかったけれど、ビッグバンド活動と向き合うことで、自分を知り、成長させ、私なりの人生観を持つことができました。

あなたにとって今日という日と今日の演奏が、この上なく輝ける素晴らしいものになるよう、祈っています。思っていた結果でもそうでなくても、努力が報われても報われなくても、その気持ちとまっすぐに向き合ってまた音楽を続ければ、きっと音楽はあなたの人生を幸せにしてくれます。ビッグバンドを愛する仲間のひとりとして心から応援します!

おまけ:リンカーンセンターで走り寄ってきてくださったお二人はこちら!

クリックでその日のInstagram投稿に飛べます。すべての演奏者に幸あらんことを!!

上限はありません!サポート本当にありがとうございます(*^-^*) 大変大きな励みになります!