寝れるカモミール21
目的もなく歩く。歩きたいから歩く。休みたくなったら後ろに倒れれば、柔らかく暖かいものに包まれる。動きたくない、でも移動したい。口に出さずとも、その柔らかく暖かい何かが連れて行ってくれる。どこへ?どこへでも。どこにも行きたくない、ずっとここにいたい、だけどここじゃない。ごねたくてごねる、と、その何かは私をあやすようにゆったりと左右に揺れる。守れられている。そもそも多分ここに脅威は何もない。だけどそう思えるのは、きっと何かに守られているからだ。何に?なんでもいい。何かに、なぜ、守