仕事が最繁忙期に入った。業務中は集中しているので問題ない。
でもストレスが溜まっていたみたいで体は正直だった。
入浴中にスピッツの「美しい鰭」を聴いていたら涙が止まらなくなった。
もちろん最高の曲なんで感動したのもあるけど、自分でも驚くくらい抑えられない感情が波打った。嗚咽が出るほど泣くなんて思わなかった。

美しい鰭はコナンの映画主題歌だったので、灰原さんの声とセットで再生されてしまうのも良くなかった。（いや良い）この場合コンボが決まりすぎるきらいがある。

灰原さんの何が好きって、たくさんあるけど、一番は声と言葉と態度（全部じゃん）なんですよ。特にこの映画はね、全部出てるの！良いところが！本当に観てほしい。新しい映画もやりますし、そちらの主題歌は神様aikoなので続け様にコナンくんは僕を殺しにきている気がします。

灰原さんもaikoも「声」と「言葉」の魅力に気づかせてくれた存在だと思う。もはや開発もされ、調教もされていると思います。

aiko様の話をすると、初めての出会いはCMから流れてきた「桜の時」。声も歌詞も、なんて素敵なんだ！とその当時は名前も知らないまま感動して、とりあえずカルピスを飲んでいました。その後ふらっと入ったTSUTAYAで桜の時を見つけて、はじめてのaiko様をお迎えしました。その後は3日ほどで当時発売されていたアルバムを全て入手し聴き続け、シングルカップリングがあるじゃねぇか！とシングルも全て遡って聴き漁る日々。しかし最も僕の心を衝撃的に動かしたものはオールナイトニッポンでした。

電波の悪かった我が家、窓までアンテナを目一杯伸ばして聴いたあなた様の声はどんな声よりも僕の心をときめかせました。下ネタすら輝いて聴けました。この時初めて、「声に恋ってするんだ」と自分の癖を理解しました。
aikoの紡ぐ言葉も全て僕の心を揺らしました。なんたるワードセンス。どうやって感性を磨けば腕の噛み跡がこんぺいとうに見えるんでしょうか。でも金平糖にしかもう見えないし、噛み跡をこんぺいとうって振り返るあなたが好きなんです。電池が切れかけたゲームボーイアドバンスで１曲書けるあなたが本当に好きなんです。

話を戻すと、僕は視覚や触覚よりも聴覚や言語にときめく性質があるのです。
お妻の声も大変好きだ。好きなところのベスト３には入る。高すぎず、力もこもりすぎていない女性の声がいい。男性も好きな声は挙げづらいが、高すぎるのと早めのトーンが苦手だ。

音楽やラジオは音と言葉の世界だ。スピッツも歌詞がすごい。ドキッとするような単語や異質な単語が入ってもマサムネさんの声とメロディで調和される。異質な言葉も結局それしかない言葉が選ばれていて心を揺らす。
理性で言葉を構成する感覚の他に、作詞家、作曲家の方々は感性で言葉を紡ぐ力があると思う。理屈ではつながらない言葉を感性でつなぐ、そこに起きる化学反応が聴き手にちゃんと情景を見せる。
音楽もラジオも「追体験」の連続な気がする。その曲や話を聴きながら自分を振り返る。一人じゃないんだと思える。

その声が、言葉が、そばにいてくれる。
それが心強くて、ありがたくて涙が出るのかも。