『勝ち組』の憂鬱
結婚しているか、していないか
子供はいるのか、いないのか
そんなことで
勝ち負けなんか決まるはずないのに
30代以上
未婚
子なしの女性を『負け犬』という本が
ずいぶんと流行ったことがある
その頃私は
3歳半違いの兄弟を育てる
ワーキングマザーだった
共働きなのに
夫は全く家事をせず
子育てに至っては
流行りのイクメンとはほど遠い
『遺伝子だけ』の父親
なんとかやってこれたのは
自営業という比較的融通のきく仕事だったことと
26歳で第一子、30歳で第二子を産んだ
若さだけである
夫への怒りを原動力に
毎日子どもたちを死なさないように
必死だった
大げさだと思うかもしれないけど
小さい子どもというのは
本当に目が離せない
彼らは自分の身を自分で守るという
生物としての基本が全くなっていない
好奇心だけはやたら旺盛なくせに
自分の行動がどんな結果をもたらすかを
予測する能力を持っていないのだ
そしてまだ自分の身体の動きを
統制しきれていないため
こちらがびっくりするような怪我の仕方をする
え?
なぜ?
どうやったらそんなことになるの?
一時も目を離せない
24時間アンテナを張って
子どもの位置を把握し
今なにをしているか
危険箇所に近づいていないか
常に監視しながら家事をする
これなら子どもを保育園に預けて
会社勤めした方がどれだけ楽かと
何度思ったことか
隣の芝生は常に青く見えるものだ
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