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たびしゃしん――旅のメモ

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31か国の旅で見たもの・感じたこと、国内旅行について写真とともに紹介していきます。
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#ルンビニ

苦行の後に見えたもの-ルンビニのお寺修行で感じたこと②-

ルンビニお寺修行の二日目は朝3:30から始まった。 起きてすぐに本堂の掃除を行い、4:30~5:30までは夕方のお勤めと同様に「南無妙法蓮華経」を唱えながら大太鼓をたたく。その後30分間お経を詠んだ後、一番不安に感じていた、4時間の行脚が始まった。 6:00頃日本寺を出発。最初の目的地は大きな菩提樹のある聖園だ。うちわ太鼓を叩きながら僧侶のビシュヌさんと「南無妙法蓮華経」を交互に唱え続ける。 出発して1時間ほどたった頃、「みほさんはラッキーですね」とビシュヌさんが話

「これが私の天職です」-ルンビニでのお寺修行で感じたこと①-

毎朝うちわ太鼓をたたきながら周辺の村を4時間あまりかけて15kmほど巡り、夕方は本堂などでの1時間半ほどのお勤めが義務付けられている。 ネパールに到着してもなお、私は迷っていた。お寺修行に興味はあるけれど、「地球の歩き方」で紹介されている日本寺の修行内容を見ると、はたして私なんかが行ってきちんとお勤めができるのだろうかと、ずっとモヤモヤうじうじしていた。 ルンビニには10以上の国のお寺がある。中でも韓国寺はバックパッカーに人気の宿となっており、瞑想もお好みで出来るらしい。

付加価値付きの機内サービス

ネパールの首都、カトマンズにあるトリブヴァン空港に降り立った。最初の目的地はルンビニ、だがカトマンズ⇔ルンビニはバスで12時間の長旅になる。 結構バスの長旅も嫌いじゃないし、何より安い(片道約1,000円)のが魅力的。学生の時は迷わずバスを利用していただろう。しかし今は社会人。限られた有給休暇を使って行くため、移動時間を短縮するか、安さをとるかは結構な迷いどころになる。 スケジュールと時間を考えて、今回は片道およそ15,000円する飛行機を使うことにした。 私が利用

風の声が聞こえる場所

じっとしていても、歩いていても、止まることなく流れる汗を、何度も何度も拭きなおす。 8月末のルンビニは、まるで天然サウナのような湿度だった。 一番楽しみにしていたブッタ生誕の地へ行くことも億劫になってしまうほどだ。せっかくここまで来たのだからと、自転車を200ルピー(約200円)で借り15分程走った後、徒歩区域に入ってからは10分程歩いて目的地へ到着した。 "チケット売り場がわかりずらい”といくつかのブログで読んでいた通り、チケット売り場に迷い、ようやく入ろうとすると

あの人へ思いをよせて

ネパールに行きたい!と思ったのは2014年の秋も終わるとき。 修行をして、悟りを開けば心穏やかになるんじゃないかと、いわば「神頼み」のような気持ちで仏教が気になり始めた。 生まれてすぐに7歩歩いて、右手で天を、左手で地を指し、『天上天下唯我独尊(自分という存在はこの世にひとつしかない、尊い存在だ)』と唱えた という、常識を超えるような誕生秘話になぜかひどく心を打たれ、こんな秘話が伝承される彼は一体何者なんだろうかと、釈迦への興味が止まらなくなった。 2016年。