いつまでも、母は母で、娘は娘。
「この前は娘がご馳走様でした」と、病院のベッドで目をつむりながら祖母が言った。祖母の声も、「〇〇がご馳走様」も、久しぶりに聞いた。
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その出来事が起こったのは、祖母が入院をしてからしばらくが経ち、だんだん会話が出来なくなってきた頃。毎日眠るように過ごす祖母のもとへ親戚が訪れた時、唯一話した言葉がそれだった。そういえばこの前、親戚の人に夜ご飯をもらったことを、少し目を開いた祖母に母が伝えていたなぁ。あの時祖母は、うなずきもしていなかったけれど。
私が小さい頃は、冒頭の言