「カバンを持って行き、また持って帰るのが仕事です」
以前、「僕はカバンを会社に持っていき、またカバンを家に持って帰ることが仕事だと思っている」という先輩がいた。要は仕事に何の執着もなく、とりあえず家と会社の往復をしているということらしい。
そんなことを言いつつもすごく仕事のできる先輩だった。無駄な力を使わず、スマートに物事を進める。周りは先輩を頼っていたし、もちろん私も頼りにしていた。本人はまったく仕事に興味がないと言いつつ、しっかりポイントを押さえて必要最低限の力で進める先輩。
私はというと、興味の持てない仕事は、興味をもつことから始めないとどうしても覚えられない。仕事に愛を芽生えさせるところから始めるので、理解できるようになるまで時間がかかる。好きになってしまえばどんどん夢中になって、生活の全部をつぎ込むようになるが、愛が覚めると必要最低限もやりたくなくなってしまうという、ちょっとめんどくさい性格だ。先輩とは本当に真逆で、話を聞いてもうまく理解することが出来なかった。
「どうして、興味がない仕事も残業して、最後まで終わらせるんですか?」と、先輩に聞いたことがあった。即答で返ってきた答えは「マネージャーに、早く帰ってもらいたいから」だった。
毎日0時すぎまで残り、朝は8時からパソコンと向き合っているマネージャーには、小学生にあがる前の娘と息子がいる。先輩の仕事の原動力は、そんなマネージャーに家族の時間を作ってあげたいから、ということなんだそう。なんだか、それはそれで激アツだ。
仕事自体に興味はないけれど、誰かのために頑張りたいとスマートに仕事するのも、効率よくてちょっと憧れたりもする。でも、多分わたしは仕事自体に熱量もって没頭しないと、楽しさを見つけられなくて、長くは続けられないんだろうなあ。
テーマ#熱量
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