K-8ハ晴天ナリ
東京都八王子市にある京王八王子ショッピングセンターが今年3月末に閉館する。
そう、あれは90年代後半。
わたしは渋谷系ガングロギャルに憧れた。
ルーズソックスに、スクールバックにはアルバローザ、ハイビスカス柄を添え🌺
ヤマンバメイクと言われた、派手な金髪に目を真っ黒く囲んだメイク。
安室ちゃんにも憧れ、入試の直前に眉毛を細くして母に激怒された。
だけどもだ。
わたしは渋谷の賑やかさが嫌いだったし、ギャルやギャル男のチャラチャラしたノリが大嫌いだった。
人混みに行けば疲れてしまうような、体も心も虚弱体質だった。
チャラチャラした身なりをしていたくせに。
みんなが学校をサボって渋谷や繁華街に行くことを選べば、わたしは学校をサボっておばあちゃんと助六寿司を食べて、《思いっきりテレビ》を観て、《牡丹と薔薇》を観ることを選んだ。あの頃の昼ドラは、次回が楽しみで仕方ないものばかりだったから、サボりにも拍車がかかる。
リップド加工されたデニムを履けば、祖母は「縫ってあげるから!」と言い、少し露出度高めの服を着れば「みっともないからやめなさい!」とわたしを叱った。
派手な格好をして友達といるのは楽しかったけれど、いつも自分が自分でない気がしていたし、内向的な自分をどこかに封印したくて、コソコソ本を読んだり、クラシックを聴いたりした。
今思えば「そんなあなたでも、良かったんだよ。」って声をかけてあげたい。
きっとわたしは笑うだろう。ケイハチ王子みたく。
アイデンティティの確立。
人それぞれ時期は違うけど、隠したかった自分の心に寄り添えた時、自分らしさが出来ているんだろうな。
「あなたらしいね」
そう言われることが、最近は物凄く嬉しい。
話しは横道にそれたが、ギャルになりきれなかったギャルにとって、八王子くらいの繁華街がちょうど良かった。
ありがとう!
京王八王子ショッピングセンターさん。
もう一度言おう。
ありがとう。
京王八王子ショッピングセンターさん。
ケイハチ王子さん。
ずっと忘れないよ。
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