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スコットランド旅行- ウイスキーの聖地アイラ島- ラガブーリン蒸留所編(Day 6’)

アイラ島ウイスキーツアー2日目。
次にラガブーリン蒸留所へ。

ポート・エレンにある蒸留所の中で、アードベッグとラフロイグに挟まれて位置しているのがラガブーリンです。

Source: Whisky & Wisdom
https://www.whiskyandwisdom.com/islay-information/


ラガブーリン蒸留所に行く前にKildalton Crossへ。

ガイドのマックの説明を良く聞いていなかったので、帰国後にこの遺跡について、Wikipediaで調べてみました。

キルダルトン・クロスは、スコットランド、インナー・ヘブリディーズ諸島のアイラ島にあるキルダルトンの旧教区教会の教会堂にあるケルト十字型の単石高十字架である。紀元8世紀後半に彫られたものと思われ、イオナ島の同様の年代の十字架と密接な関係がある。スコットランドに現存するケルト十字架の中で最も美しいとされ、西ヨーロッパに現存するこの時代の遺跡の中で最も完璧なものの一つであることは確かである。十字架と隣接する屋根のない中世の教区教会はスコットランド歴史環境局の管理下にあり(常時立ち入り可能)、共同で古代遺跡に指定されている。

Source: Wikipedia
https://en.m.wikipedia.org/wiki/Kildalton_Cross



何にもないところにポツンと現れた屋根のない教会と十字架。

ここにいると、なんだか心が洗われるような不思議な感覚を覚えました。

私は20代の頃、アイルランドに留学をしたことがあり、その時もこういった十字架をよく見ていたので、なんだか懐かしかったです。

しっかりと形が残ったケルトの十字架です
石造りの教会はすでに屋根がなくなっています


そして!
いよいよラガブーリン蒸留所です。

実は私はアイラ島に行くまでラガブーリンについてよく知らず、着いて初めて知ったくらいなレベルだったのです。

私が行ったラガブーリンのビジターセンターは、実はモルト・ミルという1962年に閉鎖した蒸留所をラガブーリンが引き継いだ場所です。

モルトミルはラガヴーリンの敷地内で1908年から1962年まで操業していた実在の蒸留所である。現在、蒸留所はラガヴーリン社の一部となっています。

Source: Wislipedia
https://whiskipedia.com/distilleries/malt-mill/
上品なロゴのフォント!
元はモルト・ミル蒸留所だったラガブーリンのビジターセンター
Malt Millという名前が残っています


時間がなかったので、蒸留所の中を回る見学ツアーは参加できなかったのですが、テイスティングに参加することができました。

こちらのテイスティングツアーでガイドをしてくれたのは、なんと、”living legend(生きる伝説)”とも呼ばれ、50年以上ラガブーリンで働いているIan McArthurさん!
肩書きはWarehouseman、いわゆる倉庫番ですが、このIanさんのテイスティングツアーは非常に人気があるようです。

まさかのレジェンドの登場なのに、この時点でIanさんのことを知らなかった私。
本当にお話が面白く、なんでも質問してという言葉に甘えて、拙い英語で質問しまくってしまいました。

樽について熱心に説明するIanさん


丁寧にラガブーリン蒸留所でのウイスキー作りを説明をしてくれた後、たくさんの貴重なウイスキーをテイスティングさせてくれました。 



確か25年熟成のウイスキーを樽から出して、そのまま1人づつ注いでくれました!


この樽から抽出する作業ですが、25年ものの前のウイスキーは、ツアーに参加した中から選ばれた1人が取り出す形で進められました。  

まぁ、選ばれた人は作業に慣れていないからウイスキーをこぼしまくっていたのに、Ianさんは笑っていました。

そして一杯いくらするかわからない貴重な25年のウイスキーはIanさんが樽から取り出して、私にも注がれました。

今回、アイラ島で数多く蒸留所を巡りましたが樽から取ってだしのウイスキーを飲ませてくれたのはラガブーリンだけです。
飲んだウイスキーは、どれも現行で売っているものがないので、買いたくても買えないものばかりでした。

なんだかもったいなくて、チビチビいただきました

最後にいただいた25年は、アルコール度数が50度を超えているのに、格段に柔らかくて美味しかったです。もはや形容しがたい位の上品さでした。
もっとゆっくり飲んでいたかったなぁと思います。


テイスティングが終わった後、Ianさんと記念撮影させていただきました。
伝説のIanさん。
ズボンのチャックが少し開いていたり、歯が欠けていたりするのですが、愛に溢れたウイスキー談義をする時の熱量。
そのギャップが最高で、すっかり私はIanさんのファンになってしまいました。

写真を撮ってくださったツアーをサポートしてくれた女性の方はとても慎ましやかで、Ianさんをリスペクトしている感じが伝わってきました。

後で気づいたんですが、後ろの樽にIanさんの名前が入っていました!


ラガブーリンはルイ・ヴィトンのLVMHグループ傘下ですが、同じく傘下のアードベッグとも全く違う、昔からの職人や従業員が愛情たっぷりに作り上げている飾り気のない小さな蒸留所という感じで、もう大好きになってしまいました。

Ianさんの11年前の動画を発見。
若いですが、ウイスキーへの情熱は変わりませんね。


すっかりラガヴーリンファンになってしまった私。絶対何か買って帰りたいと思い、小さなショップを物色。

テイスティングで飲んだようなウイスキーが欲しいのですがと尋ねると、同じのはないんだけどと言われつつ、人手不足で閉まっているというカリラ15年の限定ボトルと、ラガブーリン12年の限定ボトルを買って来ました。

シリアルナンバー入りのカリラ15年
これもシリアルナンバー入りのラガブーリン12年


また、アイラ島に行ったら、Ianさんのテイスティングツアーにまた参加したいです。

アイラウイスキーは苦手だった私ですが、この頃にはすっかりピートの感じと潮の香りに魅力されてしまいました。

そういえば、今回の旅行前に観たイギリスの名匠ケン・ローチ監督の「天使の分け前」と言う作品にラガブーリンのウイスキーや、今はないモルト•ミルのウイスキーが出てきています。
余談ですが、この映画の影響か、昨今の空前のウイスキーブームの影響からか、現存していたモルト•ミルのミニボトルのウイスキーが2022年7月、とんでもない値段で取引されたそうです。

世界で最も希少なシングルモルトウイスキーの一つとされるわすが5CLのミニボトルがオンラインオークションで6,670ポンドで落札されました。アイラ島の小さな蒸留所で50年余りしか生産されなかったモルトミル蒸留所のミニボトルが、オンラインオークション会社Whisky.Auctionのセールで落札され、新記録を樹立しました。

Source: Daily Records
https://www.dailyrecord.co.uk/scotland-now/ultra-rare-malt-mill-5cl-27552075


この映画はデジタル配信されてなくて、中古DVDを買ったのですが、観て行って良かったなと思います。


アイラ島ウイスキーツアーはいよいよ終盤へ。

次回はラフロイグ蒸留所について書きたいと思います。


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