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感性のままにセレクトしたアイテムから、ユーモアと心地よさを伝える福岡・白金のヴィンテージショップのはなし

20代に入るころにはすっかり古着に魅了されていた私が辿り着いた、1軒の古着屋さんがありました。私は、このお店で、スタッフとしてはたらく一人の女の子に出逢います。かれこれ7年ほど前のお話です。

彼女は、中山真菜さん(以後、マナちゃん)。そこから、私たちは友人としても交流が続き、マナちゃんは独立。いまでは福岡・白金のヴィンテージショップ《LOOKING FOR YOUMORE》店主です。

また、今月11月24日〜26日に私、Mihoが開催するイベントに出店いただきます。

この記事では、マナちゃんのこれまでやこれから、お店についてなど、思う存分お話を伺いました。友達にインタビューをするというのは、お互いにこそばゆい気持ちもありましたが、こんな機会だからこそ、根掘り葉掘り質問をしました。


では、早速、古着屋さんで働くことになったきっかけを教えてください

高校を卒業して専門学生のころ、19歳のときからアパレルで働き始めました、約1年半ほど。本当は、大名の路面の古着屋さんで働きたかったんですけど、当時は店舗数も少なくて狭き門でした。

でも、そのあとに、よく通っていた古着屋のオーナーに新店舗の立ち上げのお誘いをいただいて福岡・大名《SHERRY'S》でレディースのアイテムを担当することになりました。買い付けやセレクトも任せていただいて約4年間働かせてもらいました。
※SHERRY'Sが、私とマナちゃんの出逢いの場所です。

ちなみに、専門学校で学んでいたことは?

高校生のころは絶対、毎月ライブハウスには行っているほど、ライブやバンド、音楽が好きで。そこに携わることができるライブハウスで働きたかったので、音響が学べる専門学校に行きました。

PAさん(音響担当の通称)になりたくて就職をする予定だったんです、内定ももらっていて。けど、専門2年生のときにインターンとして働く中で、なんだか違うな……と。実際の職場での環境と自分の情熱が見合わないなと感じました。じゃあ、アパレルのほうが、情熱をもってできるなと。そのときは、アパレルでアルバイトも始めていたので、切り替えました。

SHERRY'Sは、2018年に卒業をしていますが、独立していまに至るまでの経緯を教えてください。お店作りはずっと頭にありましたか?

自分のお店に関しては「できたら、うれしいけど、まあ、難しいよね…。27歳くらいになにかできたらいいな……(当時25歳)」みたいに思っていました。だから「絶対お店を作ろう!」と決めて辞めたわけではなくて、環境を変えたかったからです。

SHERRY'S卒業ごろの私たち(右がマナちゃん、左が私)

そのあとは、お花屋さんではたらいて…

お花屋さんでは1年くらい働きました。お洋服は変わらず好きでしたけど、違うことをやってみたいなと思っていました。お花屋さんを選んだ理由は、お花が好きなのはもちろんなんですが、色や素材感が色々とあったり、組み合わせ方もお洋服のスタイリングに似ていると感じるからです。

ただ、お花屋さんで1年ぐらい勤める中で、その時点で、次は自分のお店をやりたい気持ちはありました。あの”27歳”が近づいていたので。「そう言えば言ってたな……」と。

一度、お洋服や古着のお仕事から離れてみて、やっぱりそっちのお仕事にいきたいなって思ったけど、自分がどこかのお店に勤めるイメージは湧かなくて。自分自身を表現したい気持ちが強くなっていたので、”やってみよう!!”と、勢いでお店作りをGOしました。お花屋さんを離れるタイミングはコロナ禍で最初の大きな波が来たときでしたが。

職業は、接客業以外にも沢山あるとは思いますが、ほかは考えず?

考えなかったですね、私には無理です(笑)。それは、自分が好きではないから、シンプルに興味がないとしたくないから、というのが理由です。自分の感性を活かせるものじゃないと、私はダメですね。

では、改めてお店《LOOKING FOR YOUMORE》について教えてください。

1900年代〜90年代ごろまでの世界各国のアイテムをジャンルレスに並べている、ヴィンテージショップです。

左はオレンジ、右はピンクの壁紙が印象的

店名にも繋がりますが、”ユーモアを感じるか感じないか”を直感で大切にしています。それが、特別”カラフルなもの”というわけではないんですけど、自分がビビっときたものをセレクトしていますね。

ごちゃごちゃした雰囲気が好きなので、国もアメリカだけに絞らず、ヨーロッパのものもあれば、インドなどもあって、特に決めてないんです。ミックスさせています。

色とりどりな冬物に思わずうきうき

テイストを決めているお店もあると思うんですが、LOOKING FOR YOUMOREは型には嵌めていません。壁紙もメキシコの建築家、ルイス・バラガンからインスピレーションをもらっていますし、店内にはジャパニーズっぽい招き猫を置いてみたり、ラグもモロッコのものだったり、世界の色んなものを混ぜ合わせていますね。

いつもお出迎えしてくれる招き猫

マナちゃんにとって、ヴィンテージアイテムの魅力とは?

世界中を探しても同じものが無い一点物ということや、その年代らしい、今には無いクオリティのテキスタイルやディテールも面白いです。永い年月を経て、いま自分の手元にやってきたんだ…!という運命や物語を連想してロマンを感じます(笑)

あとは、スタイリングに一点でも加えるだけで、深みを出してくれたり
人と被らない個性を演出できることが、やっぱり最も魅力的に感じます。

個性的なアイテムもスタイリング次第で、さらに魅力的に。

お店作りで大切にしているところを教えてください。

来てくださった方だと、空気感・距離感を大切にしています。接客面は空気を読んで、お客様が心地いい様な空間になるように努めたり、できるだけ情報を提供するようにしています。

例えば、お洋服の情報ももちろんですが、旅行で来られた方だと、”ここも行ったほうがいいですよ”と、おすすめのお店も伝えるようにしています。

対面ではない場合(オンラインショップやInstagram等)は、可能な限り丁寧に、気持ちが伝わるような姿勢で、対応することを心がけています。

お店を構える場所に、白金を選んだ理由を教えてください。

住み慣れていて好きな街でした。人混みが苦手だったので、閑静なエリアで、ひとと一対一で接客ができるような、落ち着いてお客様に向き合えるような立地を選びました。
※最寄駅は西鉄平尾駅。中心部である西鉄天神駅の2つ隣の駅です。

実際に街との関わりが増えると、見える景色が変わるので、そういった意味であたたかさや魅力も改めて感じています。毎月第2土曜日に白金にお花を増やそう!という、町内にお花を植える活動があるんですね。”来てね!”ってお声がけいただいてて。素敵だな、かわいいなと思っています。まだ行けてはないんですけど。

お店の外観、紫のベンチが目印です。

あのエリアにお洋服屋さんがあるイメージがあまりなかったです。

チャレンジですよね、めっちゃ怖かったです。ま、いまもですけど(笑)相談した方にも”難しいよ”と。”でも、そこを超えたら、怖いものはない。ここで、お客様をつくれたらどこでもやれるくらいだよ”とも言われていましたね。

ただ最近は、福岡では中心部から離れて、お店を作る傾向があるなと感じていて。結果的には、よかったのかなとは思っています。お店の周りにも、ここ2、3年でお洋服屋さんも増えてきました。

これからのお店の展望や企みは?

コロナ禍にお店をオープンしてから、まだ海外に買い付けに行けてないので、来年(2024年)にはちゃんとその地に行くことを目標にしています。最初に行きたい土地は、アメリカですね。

同じく来年は、いまは止めてしまっている帽子作りにも向き合うことを決めています。最近では古着屋さんが溢れていて誰もができる職種になってしまったので、自分にしかできない強みが必要だなとも考えています。

帽子作りに関しては、今でもお声が多いのでニーズがあるなとも感じるし、それがメッセージなのかなとも思うので。

※お店を作る前から持っているマナちゃんの帽子のブランド「MN(エムエヌ)」。現在は販売製作をストップしている。私も持っていますが、かわいいのです…
■Instagram @mn_emuenu_jp

今後、どんなお店にしていきたいですか?

もっとパワーが欲しいなと思うときに、会いたいと思ってもらえるひとや、スポットになれたらうれしいですね。お店のものを買うこともそうですし、私自身ができることはしたいですし。帰るときには、スッキリとした気持ちでお店を出てもらえたらいいなと思います。

では、次に少しプライベートなお話を。日常のたのしみを教えてください。

お家で過ごすのも好きですが、色んなところに行くことも大事だなと思うから、引き篭もらずに色々と動くこともしています。でも、自然に触れて、心をフラットに戻す”無の時間”も必要ですね。

あと、お花を選んで飾ることが好きですね、めちゃくちゃ癒されます……。あとは週に1度はサウナにいきたいところですね。

店内にも、個性的なフラワーベースがたくさん。

こうありたいという理想の人物像はありますか
唯一無二のひと。ことばや行動から、愛が滲みでているひと。自分の世界感が完成されているひとに惹かれます。

5年後の将来イメージがあれば…

お店については、ますます愛されるようになっていたらいいですね、続いていたらうれしいです。プライベートでは、森の中で、帽子を作りながら動物と暮らしたいですね、犬や猫と。なんだか地味ですけど(笑)

いつもチャーミングなマナちゃん

今回のイベントでたのしみにしていることはありますか?

全部楽しみですね!!全体的に私にとって新鮮すぎて。福岡では、お店の外では初めてのイベントですし、せりさんのブランド(lili by SERI)との組み合わせや、会場のit( )teさんもすごく素敵なカフェなので、そこに出店できることも。夜はお酒も飲みながらの時間にもなると思うので、それも楽しみですね。どんなひとが来られるのかも……

※ちなみに、私とマナちゃんとせりちゃんの3人は、2022年に一度、福岡で飲み楽しんだ仲です。

1年前。焼き鳥後のコーヒータイム
(左からせりちゃん・マナちゃん・Miho)

どんなひとに来てほしいですか?

みんなにとって、あたらしい出逢いがあったらいいですね、イベントを通してみんなの縁が循環していくといいな。会場がカフェなので気軽に来てもらえたらと思います!!

……………………………………………………

出会った当時から、マナちゃんは、彼女自身にぴったりなファッションやヘアスタイルでお洒落を全身で楽しむ、とてもアイコニックな存在でした。けど、そんな印象的な姿とは裏腹に、彼女の内側は、常に、思いやりや謙虚さで溢れているやわらかな印象。それは、昔もいまも変わりません。

”自分の感性を活かせるものじゃないと、私はダメですね。”

今回、お仕事について、そう答えてくれたときに、彼女のやわらかさの中にある、確かな芯の強さを感じてドキッとしました。お店を通して、マナちゃん自身のすてきな部分がもっともっと多くの方に伝わればいいなと、いつも勝手ながら思っています。とってもチャーミングなんです。

また、LOOKING FOR YOUMOREに並ぶアイテムは、1つ1つがどれも魅力的。ただ、色もの柄ものを難しく感じてしまう方もいるかもしれません。でも「個性的」と一括りにして触れないのはもったいない。

そんなときには、ぜひ、マナちゃんに気軽に相談をしてみてください。あなたの新しい魅力が見つかることを願います。

LOOKING FOR YOUMORE
Instagram:@looking_for_youmore
Online shop:https://foryoumore.theshop.jp/
自分らしさ、色を表現できるようなジャンルレスなヴィンテージ・アンティークのアイテムを世界各国から買い付けています。「LOOKING FOR YOUMORE(=あなたらしさ/ユーモアを見つけてほしい)」という想いを込めて。

●店主:中山真菜
Instagram:@ma_meta

\ LOOKING FOR YOUMOREも出店!/

11月24日(金)〜26日(日) 福岡・薬院にて開催する、日々のお洒落がよりたのしくなるような、アクセサリーやヴィンテージアイテムが並ぶイベント 『pop up shop "good!" 』についてはこちらをcheck▼

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