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町全体を宿と見立てる、イタリアのアルベルゴディフーゾ

年末年始イタリアに行ってきたのですが、ここ数ヶ月で状況が激変し大変なニュースに心を痛める日々です。また訪れることが出来るように応援の意味も込めて、noteで紹介したいと思います。

私は大学時代に日本の限界集落でフィールドワークをしていた経験から、地方創生というテーマに強く関心を持っています。海外を旅するときもローカルな取り組みやリノベーション事例などを調べて周るようにしていますし、何なら見たい事例ドリブンで旅先を決めることすらあり、今回のイタリアもそうでした。今回紹介するアルベルゴディフーゾという事例を知ったきっかけは、この海外の地方創生やリノベーション事例を紹介している本です。

著者の一人である菊池マリエさんが大学寮の先輩で、「アルベルゴディフーゾとってもいいから一緒に行こう!」とお誘いいただいたことがあり(そのときはタイミングが合わずだったのですが)ずっと気になっていて、今回南イタリアの2つのアルベルゴディフーゾを体験してきました。

アルベルゴディフーゾとは?

アルベルゴ=宿、ディフーゾ=分散したという名の通り、レセプションや客室、レストランなどが点在していて、町全体を宿と見立てるような宿泊体験です。過疎化に直面する小さな村の空き家をリノベーションし、有効活用し始めたのがはじまりだそうです。大きなホテルがなくても観光客を受け入れることができ、さらに町のレストランやカフェにもお金が落ちる持続可能な良いシステムです。今回イタリアのアルベルゴディフーゾの下調べに使ったのはこの本。各地の特徴を写真たっぷりでまとめてあるので、選ぶのにオススメです。予約はbooking.comから行いました。

ロコロトンドのアルベルゴディフーゾ

私が訪れたのはロコロトンドという南イタリアの小さな町。高台にあり、遠目からみると白い街並みがとても美しいです。ここにあるアルベルゴディフーゾに2泊しました。

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まずレセプションにてチェックイン。ここで鍵を受け取り、町の案内を受けます。レセプションのお姉さんは親切で、オススメのレストランを教えてくれたうえで予約の電話をかけてくれたり、バスの時間を調べてくれたりもします。このあたりがAirbnbよりもホテルに近く、両者の中間ぐらいな感じがします。(ただしレストランは予約がとれず、教えてもらったバスの時間は間違っていました。笑)

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そして部屋に案内されます。一見普通の家のようですが、上に看板がついているのが目印です。

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部屋の中はこんな感じでかなりきれいにリノベーションされていて、アメニティも揃っているしキッチンも使えます。バルコニーが素敵!

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ローカルなワインも置いてありました。

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朝ごはんはすぐ近くのカフェでビュッフェ。ここにも同じ看板がついています。おいしいエスプレッソもつくってくれて、日中は地元のお客さんで賑わっているローカルなカフェでした。

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町全体でクリスマスのイルミネーションをしていて、家の前はこんな感じでした。

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ロコロトンドは歩いて回れる小さな町で、アルベルゴディフーゾがなければわざわざ泊まらなかったかも、少なくとも2泊はしていないなと思います。ここでは不定期で南イタリア料理教室が開催されるらしいのですが、私が宿泊したときにはなくて残念。

アルベルベッロのアルベルゴディフーゾ

すぐ隣町であるアルベロベッロのアルベルゴディフーゾにも1泊しました。ここはトゥルッリという独特な建物が並ぶ町並みが壮観。昔々、税の取り立てがきたときにすぐに家を取り壊せるように石と漆喰だけのシンプルな建物になったのだそうです。

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夜はちょっと残念な感じにライトアップされていました。

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そしてアルベロベッロのアルベルゴディフーゾではこのトゥルッリに泊まれます!観光客が多いエリアから少し離れており、地元の人も住んでいるので静かにするようにと案内がありました。

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部屋はこんな感じ。暖房もあって暖かいです。

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朝ごはんは町のカフェでやはりビュッフェ。こちらのほうが品数も多くて満足度高かった!

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日本のアルベルゴディフーゾ

実は私がアルベルゴディフーゾの考え方をはじめて知ったのは、大好きで何度も訪れている大分県竹田市。まちおこしを精力的にやられている地元の方が「駅でチェックインして、空き家に泊まって町のレストランを使ってほしいんだよね〜」という構想を話していて、その当時は「そんなことできるんだ!?」と思っていましたが、実際に完成したようでロゴも素敵です。

東京だと谷中にhanareというところがあります。4月に宿泊予定で楽しみにしていたのですが、この状況下で泣く泣く断念…。ここは町の銭湯がお風呂の代わりとなっているようです。

岡山県の矢掛屋というところは正式にイタリアのアルベルゴディフーゾ協会から認定を受けているようです。ここもいつか訪れてみたいところ。

日本ではまだ名称が定まっていませんが、「まちやど」と呼ばれることが多いみたいです。このサイトには全国のまちやどが紹介されています。

以下紹介したアルベルゴディフーゾのリンクです。イタリアも国内も、また旅ができる日が早く来ることを祈っています。


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