不妊治療と仕事

不妊治療で最初に通院した病院は、ネット環境も無く、パソコンを広げて作業する場もなく、通院日は、半休もしくは全休をとって通院していた。

週に２回も通院する時があり、会議の調整、休暇の調整が非常に難しかった。

会議が調整できない場合は、病院を抜け出し、近くのカフェに飛び込み、パソコンを広げて会議に参加したりしていた。

病院に戻ると、「どこいってたんですか？」と怒られる事もあった。

その当時は、仕事も不妊治療もどちらも自分にとって大事で、
会社に頭を下げながら、なんとか休暇をとって、自分なりにバランスを取っていたつもりでいた。

コロナがやってきた。

会社は大きく変わった。
ベースがテレワークに切替わり、
コアタイム(11時〜17時)有りのフレックスからフルフレックスに変わった。


勤務時間の制限が無くなったのだ。

非常に有り難かった。

通院日は朝早くから仕事をして、ある程度仕事に目処をつけて病院に行く。
残務は、帰宅後に夕食を食べて寝る身支度が整った後にのんびり終わらす。

そんな事ができて、会社に後ろめたさを感じながらの通院では無くなった。

病院も変更した。


選んだ病院は、患者に寄り添った治療をしてくれる配慮の高い病院。


Wi-Fiもあるし、コンセント付のデスクもある。夜は18:30まで見てくれる。

更に精神的負担が軽くなり、主人も積極的に同伴してくれるようになった。

病院の環境って大事ですよね。

不妊治療に集中できる環境が出来上がった✨✨

と、思ったのですが、、、、、

そう簡単ではなかった。

フルフレックスに変わり、勤務時間の制限がない分、成果を強く求められるようになった。
スピードも求められるようになった。

会社から考えればそりゃそうですよね。
好きに働きなさい。で終わるわけがない。


私は、成果物を常に意識して、早朝、深夜の作業をするようになっていた。そんな仕事を続けて2年。
疲弊していた。
妊活もうまくいかない。

もうこの生活無理だ。
と何度も思った。

でもここで仕事に手を抜けば、確実に干される。
わかっていた。

今の会社は、出産後も働ける会社を探して就職を決めた会社。
うまく子供ができれば、産休に入り育休をもらうイメージでいた。

その後は？？？

子育てしながら今と同じ仕事量を求められるのは到底無理だ。

と気付いてしまった。


必死にしがみつくのはやめよう。

43歳を迎えて今大事なのは？
の問いに子供が欲しい。
が真っ先に出てくる。

それが答えだ。
どっちもは無理だ。


仕事はできる限り頑張る。
頑張るけど干されてもいい覚悟でいよう。


働き続けられる限りは頑張ろう。
でも、優先順位は不妊治療。


そうスウイッチさせた。

そう切り替えた途端、積極的に仕事を拾いに行くこともしなくなり、精神的負担だった深夜残業はしなくなった。
成果物は減っていた。
よって、会社へアピールすることは無くなっていた。

結果、
干されることになった。

干される前に妊娠できれば育休まではいられる。そう淡い期待をしていたけど、そんな願いも崩れた。

覚悟を持っていたとはいえ、
ショックも大きい。

生活は大きく変わる。
不妊治療はお金がかかる。
43歳オーバの治療費はオール自己負担で、
その額は半端ではない。


今まで共働きで自由にお金を使っていたので、この先不安でいっぱいでした。

色々と崩れた未来をなんとか組み直そうとしていたが、
主人から「ゆっくりしなよ」「よく頑張ったよ」と言ってもらい、その言葉に救われた。

収入減もあったので、
一旦、不妊治療を中止していましたが、のんびりしているわけには行かん。と、再開。

なんと、

再開後、１回目の移植で妊娠できた。

神様はいるのかな？

仕事のストレスがそんなに影響していたのか？

思わぬ展開に
何故か更に不安に陥る

妊娠判定をもらえたとはいえ、
いつ暗黒の世界に落とされるかわからない。

妊娠出来たのに、
お腹に命が宿っているのに、
不安しか無い。
喜びなんてほんのすこし。

毎日怯えて生活していた。

こんな精神状態で仕事は続けられない。

体験してみてわかった。
不妊治療、妊娠と仕事との両立は
思っていた以上にハード。

きっと仕事をしてても辞めていただろう。
とわかった。

私は会社から宣告を受けて、
最終的に自身で退職を決断した。

会社からの宣告がなければ、
もう少しもう少しと仕事にしがみついていたと思う。

そして、今も不妊治療を続けているのかもしれない。

きっかけをくれた事に感謝している。

現在は妊娠29週。
日に日にお腹は大きくなっている。

退職後、妊娠していたので主婦をしていたのですが、
25週になって、体調も安定してるし外に出たいな。
と思い、電車通勤のない距離で仕事を探し、
タイミング良く、自宅から徒歩10分の距離で2ヶ月間の短期の事務を紹介いただいた。


今はそちらで楽しく仕事をしている。

仕事は欲張らなければいくらでもある。
自分の考え方次第で楽しくもできる。

そう気付いた。
なんで自分から仕事を辞める選択ができなかったんだろう。
と、今になって思う。