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お母さん、挫折って何?

現在大学4年生の娘が、就活中に放った言葉だ。

「お母さん、挫折って何?」

挫折。

目的をもって続けてきた仕事などが中途でだめになること。くじけ折れること。

Google検索より

就職活動で、企業での面談時の項目として質問され、悩んでいました。

「今までで挫折された経験について教えてください。」

企業側ではこの質問で、娘が今までで挫折するほど頑張ってきたことを知りたかったのだろうか。

でも娘は悩んでいました。

「私、挫折したことがない。」

確かに。
娘は確かに、挫折した、という言葉に当てはまった経験をしたことがないと私も思いました。

「目標が達成されなかったことはあったけど、それを挫折っていうのかな」

うーん。違うような気がしました。

娘の受験について考えてみました。

高校受験は第一志望校に不合格。第二志望校に合格。
大学受験は国公立大学を第一志望校にしていましたが、不合格。
第二志望校として挙げていた数校は全滅。
娘のレベルで安全校と言われる大学へと進学しました。

部活についても考えてみました。

中学の運動部では、最後の試合にメンバーとして選ばれていたのに
前日になって別のメンバーが出ることになり、すっきりしないまま卒部。
高校の部活では、マネージャー業でしたが途中体調を壊し休部。
でも最後は復活して卒部。

その他の経験も諸々と娘と一緒に思い出してみましたが、

どれも、挫折ではない。

目的をもって続けてきた仕事などが中途でだめになること。くじけ折れること。

Google検索より

「目的をもって」ではないからなのだろうか。
目標と目的は違うので、それでしっくりこないのだろうか。

でも、娘曰く、

「私、挫折はしたことがないと思う。でも精一杯やってきたことはたくさんある。」

納得。私も親から見てそう思いました。

娘は恵まれているのかもしれない。
決して裕福な家庭ではないけれど、置かれた環境下で精一杯やってきている。
環境が急変して、自分が努力していたことが中断されたり諦めなければならないという経験がないのかもしれない。

私が思うに、
挫折とは、諦めたくないのに、諦めなければならなくなってしまったこと。
なのではないか。

スポーツ選手が怪我をして再起できない、は挫折なのか。
音楽で食べていきたくて努力してきたが売れずに諦めた、は挫折なのか。
急に親の転勤が決まって引っ越しをしなければならず、
好きな子に告白できずにサヨナラしなければならなかった、は挫折なのか。

うーん。

娘の学生生活を振り返ると、

第二志望校での高校では、体調を崩して休学休部したことがあったけれど、
ほぼ元気に楽しく通学し、成績も上位1割に常に入っていて、楽しい友人たちに囲まれて、JK生活を満喫していました。

大学受験では、ことごとく不合格でたくさん泣いていました。
同級生は、娘が不合格だった大学にどんどん合格していたし、中学の友人も皆いわゆるランクが高い大学に進学していました。
でも娘は周りと比べることなく、進学した大学で楽しんでいました
内心はとても悔しかったのかもしれないけれど、
一切悔しいと私には言いませんでした。
「自分の今のレベルなんだ」と納得していました。

受験方法も、行きたい学部学科を狙って受験していました。
(同じ大学の別の学部学科を選ばなかった)
娘曰く、
「自分が興味がある学科に進学できてよかった」と。

娘を見ていると、自分が決めたことは常に試行錯誤し、精一杯取り組んでいます。
なので、

「挫折って何?」

と聞かれた時、娘らしい質問だなぁと思いました。
もしかして、挫折だったのに、挫折って感じなかったのかな。
娘は、やるだけやってダメだったら諦めてさっぱり次へと切り替えてきたのかもしれません。

企業からの質問の、

「今までで挫折された経験について教えてください。」

これに対して娘は、

「私に挫折したと感じたことはなかったのですが、」

という出だしから、自分が努力しても達成できなかった事柄を伝え、
その後、自分はどのような考え方でどのように前向きに行動したのか
面接で話したそうです。

余談になります。
我が家の家庭環境は、幸せではありますが、
経済的に厳しかったので、娘が塾に通ったのは高校三年生の1年間のみ
ずっと家庭学習教材で一人で学習していました。
小さい時から、習い事をさせてあげることもできませんでした。

習い事についてですが、周りを見ると、小学校では公文や学研、中学で塾、高校でも塾通いをされていました。習い事も皆さんされていて、幼い時から娘のお友達は得意分野がありました。ピアノだったりバレエだったりダンスだったり。
我が家では習い事に通わせることができなかったけれど、その代わりに、親が教えられることは教えたつもりです。
夫は歴史が好きなので、娘が興味をもったことで娘からの質問に答えていましたし、一緒に歴史のゲームをしたり、ギターも教えていました。
私はピアニカやリコーダーで娘とおじゃる丸のエンディングを弾いて楽しみました。
お正月には必ず一緒に書き初めをし、娘に教えたりしました。
娘が興味を持ったもので自分が教えられるものは教えてきました。

話がそれましたが、そのようなことを思い起こすと、
娘は、諦めたことはあったかもしれないけれど、それを環境のせいだと思ったことがなかったのかもしれません。
過酷な環境下で生活していたわけではないので、納得していられたのでしょう。

これから社会人となって、もしかして挫折を味わうかもしれません。
でも娘の場合、挫折と感じることが分からないまま、次の方法を考えて行動するかもしれません。

それも娘の人生。

色んな人と出会って、色んな経験をし、たくましくなってほしいです。

私の勝手な意見です。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。










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