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生活期のセラピストになろうと決めるまで…。その2


とある出会いが私を変えていくのです。

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https://note.mu/mijukunast/n/n4ae4eadec705の続き。

老健STの楽しさを教えてくれたのは、他でもない「利用者さん」だった。

こんな20代の小娘にやさしく接してくれて、時には仕事に対して励まし、時には叱ってくれる。活き活きと生活を送っている利用者さんを見ていたら、老健の仕事がだんだん楽しくなっていくのを感じた。

もちろんまだ心の中では「早く病院で仕事したいな~」の気持ちは残っていた。この時は7割病院志向のままだった。

ついに転機が訪れた。

それは1年目の冬。とある利用者さん(Aさん)と出会った。

この人との出会いが私の考えを変えていった。

Aさんは退院後すぐにやってきた。第一印象はリハビリにものすごい期待を寄せている方だった。

介護保険下では医療保険と違って、リハビリは最大3単位なんてできない。(と教わったけど、施設によっては3単位分出来るのかな?ちなみに私の施設では短期集中加算対象外は1単位~2単位が限界)

Aさんは納得できなく、毎回「リハビリの時間が短い」「病院はもっとやってくれた」など言われながらAさんとリハビリをしていく。40分を1時間ほど延長したり、時間が許す限り私も必死に行った。Aさんは決まって「早く治りたい、どうにかしてほしい」という方だった。

時間が足りないなんて…。仕方がないよ…病院のセラピストは介護施設のリハビリの時間の事なんて知らないもん。

…私も病院にいたら知らなかった事では…?

Aさんに病院の事を聞くと、「○○(リハの内容)がメインだった」「こんなリハビリだった」と話してくれる。

家族の事も、毎日どんな事をしているのか?といった話も聞いた。最初はリハビリの時間を言われるのが嫌だったからだが、そのおかげなのか気づいたことがあった。

「あれ…病院のリハビリとAさんの日常生活がリンクしてない…ような?」

ここで初めて病院のリハビリに違和感を覚えた。(病院セラピストの事を批判しているわけではないですよ)

他にもAさんにかかわってから、ケアマネさんと電話することが増え、他の事業所にも電話することが増え…。

Aさんの症状しか見なかった私が、いつの間にかAさんの生活・活動にSTができる事は何かを必死に考えるようになった。リハビリをいかに生活に落とし込むか、近づけるか…気づけば生活期に関する本や文献を探すようになっていた。

最終的にAさんは再入院し、通所リハビリは終了となった。ここにはほんの一部しか書かなかったが、Aさんにはたくさんの事を教わった。症状以上に「利用者さんの生活を見る事」を。それがセラピストの仕事なのだ。症状も大事だけどね。

そして「病院で働きたい」という意識が変わりつつある瞬間でもあった。

さらに続く!

#コラム #言語聴覚士 #苦悩 #リハビリテーション

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