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「気にしないなんてもう無理だ」私がたどり着いたHSP気質との付き合い方

実を言うと、私はHSP気質である。HSPについて書かれた本のチェック項目(どの本も必ずといっていいほどあるあれ)ではほぼすべての項目にチェックが入るのでわりと強度な方なのかもしれない。

これまで本当に生きづらいなと思うことが多かったけれど、最近はようやくHSPとの付き合い方がわかってきた。

「気にしないなんて無理だ」を受け入れる

聴覚が過敏だったり大人数の場が苦手だったりと自覚している性質はいろいろあるけれど、私が特に困っているのが「ささいなことを気にし過ぎてしまう」という性分だった。
これが行き過ぎると胃が痛くなったり夜眠れなくなったりと体にまで不調が出てくる。

これまでに色んな本やネット、SNSで情報収集をして、HSPというものにとことん向き合って抱いたのは「気にしないようにするなんて、無理だ」という諦めにも近い感情だった。


はじめは「どうやったら色んなことを気にせず鈍感になれるか」と、気にしないようにすることばかりを考えていた。けれど、それは「目の前に置いてあるコップを見ないようにする」のと同じくらい無理なことだ。

なので今は「どうやったら気にせず済むか」ではなく、「何が気になっているのか」「なぜ気になっているのか」「どうやったらそれが解消されるのか」と“気になること”に気が済むまでフォーカスするようにしている。


たとえば私は友人や職場の人との会話で言ったさりげないひと言を延々と気にしてしまったり、自分の振る舞いを振り返って一人反省会が止まらなくなってしまう癖がある。

そんなときは「なぜそれが気になるのか」を徹底的に考えてみる。紙に書き出してみるのも脳内が整理できていい。
(こういうとき私は自分からふっと抜け出して自分のことを俯瞰し「あ~、また気になっちゃってるね、どうしたどうした?」と話しかけてみるのだけど、これが心理学でいう「メタ認知」というやつかもしれない)


そうすると
「相手を傷つけてしまったかも」
「自分の意図と違う伝わり方をしたかも」
「大したことない人だと思われたかも」
といったただの「気になる」よりも一段深い感情が見つかる。

さらにそれらの感情を深堀りしてみると
「配慮のない奴だと思われたくないんだな」
「思ったことを正しく伝えたいと思ってるんだな」
「立派な人だと思われたいんだな」

という“真の感情や欲”みたいなものが見つかる。

そして、ここまで深掘ってみるとたどり着く。

「もう、気にしてもどうしようもないや!!!」という結論に。(ぱんぱかぱーん!!!)
不思議なことに、この結論にたどり着くとそれまでずっと気にしていたのが嘘みたいにどうでもよくなる。

(しかもこうして見るとめっちゃ自分に矢印向いてるよね。相手のことを考えてるように見せかけて結局は自分のことばっかり考えてるっていう)

相手がどんな風に受け取るかはその人が決めることであって、私にどうにかできることではない。そしてこれをいうと元も子もないのだけど、言ってしまったことや過ぎてしまったことはもうどうしようもないのだと改めて気づける。

もちろんそんなことは百も承知だけど、はじめからここだけを言われても“気になるループ”は止められないので(だから困ってるんだ!!!)、やっぱり私には感情に向き合って深掘るプロセスが必要だ。

ちなみにこれは「他の人の反応や態度が気になる」というときにも応用できる。

ここまでたどり着いたら「過ぎたことが延々と気になる」という感情はポイっと捨てられる。


この「どうしようもないや」にいかに早くたどり着けるかが“気になるループ”をぬけだすうえでの肝だ。
氷山の一角理論で、「気になる」という感情の下にはたくさんの感情が隠れている。なのでそれをひとつひとつ見つけてあげるのが大事だ。

自分の取説を厚くしておこう

もうひとつ大事だと思ったのは、HSPという概念は自分の取説(取扱説明書)くらいに考えておくこと。

「私はHSPだから」と深刻になりすぎるのではなく、「気が短い人」や「お腹を下しやすい人」がいるように、あくまで気質や体質の一部として捉えておくのがちょうどいいかなと思っている。

「うるさい場所は苦手だから外食のお店選びに気をつける」とか
「大人数との集まりで疲れたら一人で本を読む時間を取る、ゆっくりお風呂に入る」とか。
「こうなったらこうする」というパターンを自分の中で持っておく。それだけでも、かなり気が楽になる。

正直に言うと「繊細さんは感受性が豊かで他の人よりも深く物事に感動できる」「人の感情に敏感だからこそ他の人に手を差し伸べてあげられる」みたいなやさしい文言はもう聞き飽きた。

私たちに必要なのは「で、結局どうしたら生きづらさから解放されるのさ!!!」という具体的なTipsなのだ。

だから、自分なりの行動&回復パターンを可能な限り多く持っておくのが一番現実的かつ建設的だ。

今でも相変わらずいろんなことが気になるし、どうやったら心地よく日々を過ごせるのかは引き続き模索中である。
ということでその都度自分の心の声に耳を傾けつつ、これからもどんどん取説をアップデートしていきましょう。まる。



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