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20時間かけてでもまた行きたい国、マルタ(4)文化編~多文化が入り乱れる国~

3つの大陸に囲まれた地中海の島国

マルタはヨーロッパ、中東(アジア)、アフリカに囲まれた島国である。
行く前は「ヨーロッパのきれいなリゾート地」というイメージが大きかったが、他国からの侵攻や侵略が数百年繰り返されてきただけあって、国土は小さいものの地域ごとに実にいろんな顔を持っていた。

訪れた各地について感じたことを、ヨーロッパ編、中東編、アフリカ編として振り返っていきたい。
※あくまでも私の感性によるものです。
(世界史の記憶がすっかり抜け落ちてしまってるので詳しく語れないのがもどかしいが、気になる方は「マルタ騎士団」「大包囲戦」「オスマン帝国」あたりで調べてみてほしい。)

ヨーロッパ編:街並みと根強いキリスト教文化

まず、首都のバレッタ。
絶景編でも登場したが、こちらは「THE ヨーロッパ」という印象だった。レンガ調の美しい街並みに、テラス付きのカフェや大聖堂があった。

一番の見どころとなっている聖ヨハネ大聖堂。バロック様式の内観は超豪華だった。10mは超えるであろう高い天井、金をあしらった柱や壁、至る所に施された彫刻。絵画もたくさん展示されていた。なかでもカラバッジョの絵画が一番有名らしい。根強いキリスト教文化が感じられた。

こういう名所に来るたびに歴史やアートに詳しければもっと楽しめただろうな、と少し後悔する。

バレッタの端にあるアッパーバラッカガーデンズに行くと、本物の大砲が並んでいた。国防の前線といった感じで、ここで必死に国を守っていたことがうかがわれる。

12時になると時報として大砲が発射されます。
迫力満点だった

中東編:古都や人々

いっぽうで、マルタは中東やアフリカらしい雰囲気もあわせ持っていた。

まず飛行機で空港に着陸する直前、窓から見えたのは「黄土色の地面と砂漠に生えているような木」だった。「あれ…マルタって…意外と砂漠なの…?」と少し動揺した。(めちゃ地域差あり)(砂漠が悪いわけではない)

上空からの風景

そして飛行機からターミナルまで移動するバスに乗り込むと、7割くらいが中東系の人たち、あとはヨーロッパやアジアの人たちといった具合だった。こんなに多くの人種の人、特に中東系の人たちと一緒の空間に居合わせた経験がなくて、私は内心どきどきした。つくづく日本は単一民族国家なんだな、と思う。

それから、ガイドブックの写真でつい見とれてしまった古都・イムディーナ。イムディーナとはアラビア語で「城壁の町」を意味するのだそう。

どこを切り取っても画になる

イムディーナはバレッタが首都になる前にマルタの首都だった街で、城塞都市ならではの高い壁や入り組んだ道が特徴。中世の雰囲気が色濃く残るこの街からは、ヨーロッパというよりは中東らしさを感じた。

ちなみにイムディーナでは、この街の歴史を学べる30分ほどの映画が公開されているということだったのでチケットを買って観てみた。

私たちが歩いている高い壁に囲まれた美しい路地は今でこそ観光地となっているが、昔はこの場所で海賊や他国の侵入から国を守るための戦いが何度も繰り返されたという。短時間とはいえ戦争のシーンがリアルなムービーだったので、感情移入しやすい私は「この路地で何人もの人が亡くなっていたのか…もしかして血痕とかあるかも…」と見終わったあとに少しぐったりとしてしまった。

高い壁
昔は貴族がたくさん住んでいたらしい

アフリカ編:サボテンと土壁と神殿

そして車で郊外へ走ると、10分もすれば飛行機の中から見たような土っぽい風景が広がっていた。あたりにはサボテンが生え、住宅は土壁のような素材が多く、アフリカの新興国を思わせる光景だった。

マルタではサボテンが食べられているそうで、お土産にはサボテンジャムも売っていた。

サボテンジュース
スイカのようなトマトのようなあっさりした味だった

それからマルタには数多くの巨石神殿が残っており、その中のひとつ「タルシーン神殿」にも行ってみた。保存状態の良い地下神殿だが、エジプトのピラミッドよりも前に建設されたものだそう。
まだ重機や道具がない古い時代に巨石をどうやって積み上げたのか、不思議でならなかった。

1914年にこのあたりを掘ってた農民が
偶然見つけちゃったらしい。すごいね。


一つの国に行っているのに色んな地域の文化を感じられて、なんだかお得な気分だった。
次回行くときは、今回行けなかったゴゾ島やコミノ島などの離島エリアにも足を伸ばしてみたい。

それから、世界史をもっと勉強してこの地や中世ヨーロッパで何が起きていたのか、理解してから行くとより楽しめそう。マルタは知れば知るほど奥が深い。

マルタの旅シリーズ、本編はこれにて完結です!
まだまだ収まりきらなかった思い出があるのでそのあたりは番外編として書こうかしら。

これまでの記事はこちら。

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