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【しあわせの備忘録】くだらないの中に。

20年来の友人と久しぶりに2人で会ってお茶をしてきた。2時間弱の短い時間だったけれど、帰ってからも「今日ほんとに楽しかったなあ~」と多幸感に包まれていた。特に変わったことをしていないけれど、こういう時間がしあわせなんだ、とあらためて認識したので備忘のために書いておく。

超プライベート&内輪な内容なので、興味ないよ~という方はそっとお戻りくださいませ。


「たぶんお互い頑固だけど…」

友人のことを便宜上“Aちゃん”と呼ぶ。Aちゃんは私の数少ない友人で、小学3年生の頃に市内の学校から転校してきた。それ以来の友人ということになるのでもう20年が経つ。

それくらい長い付き合いなので、お互いの性格はだいたいわかっている。
あるとき、Aちゃんが他の人に私たちの会話の一幕を話したら「それ、2人とも頑固じゃない?」と言われたらしい。

そのことについて、私たちは会話をした。

「あんまり意識してはいなかったけど私たちはたぶんお互い頑固な部類に入るし、たしかに2人で話してるときに意見が割れてもそれぞれ主張を変えないじゃん」

「傍から見るとそれって頑固と言うか『どっちかが折れればいいのに』って思うらしいんだけど、お互いにそれを求めてないというか、相手を変えようというつもりはなくて、ただ自分の意見を発表しあってるだけなんだよね」

「人によってはもめてるように見えるかもしれないけど全然平和だよね。むしろどうでもいい相手にはここまで自分の考えを主張しないもんね」

そんなサイコーな結論に落ち着いた。笑いながら話していたけれど、心の中では妙に冷静に「波長が合うってこういうことか」と合点がいった。

お互いに引くことも折れることもしないけれど、だからこそ一方だけが我慢することも少ないし、お互いに「ただ自分のスタンスを知ってほしい」という思いだけで会話をしているらしかった。
ちなみにAちゃんは自分が頑固ということを認めていないらしい。

くだらないことで涙が出るほど笑えるしあわせ

その日はホテルのアフタヌーンティーを予約していた。制限時間は90分。
お互いの近況報告をしたり「次どれ食べようかな~」とのんきに迷ったりしていたらあっという間に時間は過ぎ、終了10分前になってもまだ4品以上が残っている状態だった。ここで小さな事件が起きた。

事の発端は私が「食べ切れない分の持ち帰りとかできないかな?」と言い出したことだった。

ダメ元でスタッフさんに聞いてみると、「すみません、お持ち帰りはできかねますのでこちらで引き続きお楽しみください」と丁重に、しかし申し訳なさそうにお断りをされた(そりゃそうだ)。

私は案の定断られたことと、「時間がないから食べ切れないのに『こちらでお楽しみください』と言われましても…」という返答になんともいえない矛盾を感じたこと、そしてそんな当然のことを申し訳なさそうに言わせてしまったことがツボに入って笑いが止まらなくなった。
隣のAちゃんを見ると、彼女も声を出さず静かに肩を震わせて爆笑していた。

私たちの静かな爆笑はしばらく収まらず、しまいには涙が出るまで笑った。ただでさえ時間がない中で、笑いによって食べるのを中断しなければいけなくなり、貴重な時間をロスしてしまった。(時間がないという状況も笑いに拍車をかけた。)

名残惜しい気持ちでスコーンやカヌレを見送ることになった。

こんな日々があるから私は生きられる

アフタヌーンティーのメニューこそ全て食べ切れなかったものの、仕事のことや日常のささいなことなど、困っていることを真剣に考えたりしょうもないことを笑いあったりしてとても楽しい時間を過ごした。

帰り道も別れる直前まで、この前解散した人気アイドルグループのメンバーが私の同級生だったと発覚したことや、PASMOのオートチャージのやり方がいまだにわからないね、という他愛ない話をしていた。

そして、Aちゃんと別れてからふと思った。

大げさじゃなく、こんな時間が私を生かしているのだと。


つらいことがあって絶望したとき、人生をまるごと投げ出したくなったとき。
思い出すのは偉人の名言でもファイトソングの歌詞でもなく、大好きな人と泣けるほど笑いあった時間だと思う。家族であったり友人であったり、そういう人たちの存在が、過ごした時間のひとつひとつが、確実に私を生かしている。

未来に希望が持てなくなっても、またこんな風に笑いあえる日がくるのを楽しみに、今日もがんばって生きよう。

という日記を書いていたら頭の中で星野源さんの「くだらないの中に」が流れてきたので、タイトルに拝借させてもらった。

Aちゃん、今度は時間配分に気をつけて、またアフタヌーンティー楽しもうね。

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