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地元の歴史に想いを馳せる夕べ

妻「一昨日、子供を病院に連れてって、その帰りに銀行に行こうと思って駅の方に歩いてたのね。いつも駅に行く途中、勝海舟と西郷隆盛が江戸城無血開城について会談した薩摩屋敷跡の前を通るでしょ」

夫「今、大河ドラマで『西郷どん』やってるから、観光客が結構来てるね。みんな写真撮ってる」

妻「そうそう。この辺り、昔は薩摩屋敷だったからね」

夫「俺は坂本龍馬が好き!時代の先を読んで動いていたのがカッコいい。行動力がすごいよね」

夫「漫画『お〜い!竜馬』を読んで、影響受けた!太平の世なら剣術の先生で一生を終えてもいい、でも今は日本の危機だからここで血が騒がないと男じゃない、ってセリフが出てくる。龍馬は日本で最初の株式会社亀山社中を作ったんだけど、俺も起業するにあたって影響受けまくったよ」

妻「ハマってずっと読んでたね」

妻「その坂本龍馬も150年前にこの辺を歩いてたんだよ」

夫「それ凄いよね」

妻「この辺の薩摩屋敷に出入りしてたんだよ。このマンションが建ってる場所にもいたんだよ。凄くない?」

妻「すぐ近くに幕末から続く酒屋さんとかお寿司屋さんもあるしね。西郷隆盛もあのお寿司屋さんに行ったりしたのかもしれない」

夫「さすが東海道沿いだから史跡多いよね」

妻「地形から見ると薩摩屋敷の裏はすぐ海だったよね。緩やかに低くなっていて砂浜だったんだろうなってことが分かる。幕末は線路のあたりから向こうは海だった」

妻「だから、薩摩屋敷からは海が見えて潮騒が聞こえていたんだと思う」

妻「官軍は海を見ながら江戸の中心に向かって進軍して、あの碑の場所で勝海舟と会談した。江戸城を無血開城して欲しいと。江戸の町が戦火で焼けてしまう危機がすんでのところで回避されたんだね」

妻「普段自分が何気なく歩いてる場所から大きく歴史が動いたと思うと、鳥肌立つね」

夫「そうか。今年は明治維新から150年だよね」

妻「うん。今の時代は幕末の動乱期と共通するところがたくさんある。今は時代が変わろうとしているからね。誰も経験した事ない未曾有の時代に突入するよ」

夫「生き方、働き方が大きく変わるだろうね」

妻「幕末〜明治を生きた福沢諭吉も、これからは個人の時代が来るって言ったんだよ。これからは個人が何にでもなれると。だから藩に頼らず、一人一人がしっかり独立して生きろよと。きっとワクワクした高揚感を持ってあの時代を生きていたんだね。それって今の時代にすごく通じない?」

夫「するね。時代が戻って来たね」

妻「そんな事を考えながら歩いてたら、ぼーっとして銀行通り過ぎた(笑)」

夫「そっか、なんか今日は歴史好きの妻が一方的に喋って終わったね」

妻「夫はあまり歴史詳しくないもんね」

夫「まあこういう日があってもいいんじゃない(笑)」


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