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和食は東アジアの「不思議ちゃん」だ。

世界に教えたい日本のご飯 WASHOKU が発売になりました。

企画を思いついた4年前。インバウンドの大波が押し寄せ、クールジャパン、日本文化ブラボーの大合唱のなか、日本固有の、とか、日本らしさ、とか連発されるのを、ほんまかいなとモヤモヤし続けていた。

寿司や懐石が「純和風」なら、ラーメンやオムライス、アジフライ定食は、和食でないのか? 多くの人にとって日常的な「和食」は、ほとんどが外国料理とのハイブリッドで、中国と西欧の食文化に触発された無節操なバリエーションがに特徴がある。とはいえ、その土台にあるのは東アジアの多くのエリアと共有する米食文化、発酵文化がある。ここに、長らくの肉食禁止、島国ゆえの外国文化への渇望という特殊事情がのっかって変態的に進化したのが日本のごはんだ。これを「クールジャパンだ」、「日本独自のイノベーションだ」、と大手を振って自慢すると、「私、“変わってる”って言われるの」とイタいアピールしちゃう「不思議ちゃん」になってしまう。(あかんとは言わんが)

ユネスコが無形文化遺産に登録した「和食」。その4つの特徴には「多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重」、「健康的な食生活を支える栄養バランス」、「自然の美しさや季節の移ろいの表現」、そして「正月などの年中行事との密接な関わり」があります。
米と豊かな発酵技術に恵まれた東アジアの食文化圏のなか、1000年以上の肉食禁止や、海外の食文化との出会いによって、現在の和食は形づくられました。和漢の境、和洋の境をまぎらわせて多様化してきた日本文化の、もっともおいしい、面白さが「和食」には結晶しています。この本ではそれを、和洋の言葉と絵で世界に伝えます。

前書きに、村田珠光の言葉と伝わる「和漢之さかいをまきらかす事、肝要」を、さりげある感じで引用しております。

和と中国、和と西洋が混じりに混じった不思議な食、WASHOKUを説明するにはリアルとフィクションの間をゆく、しかも笑えるイメージがほしいと考えていたところに、川村淳平画伯の作品に出会ったのは本当に幸運だった。

先日、産経新聞の取材を受けて、コロナで「おもてなし買い」需要がなくなってガッカリ、、という風な記事に。しかも一面。事件ですがな。

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