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虫糞が、絶品茶葉になるって知ってました?芋虫たちは、寡黙なる茶匠だった

持続可能な未来のタンパク源として、昆虫食に期待が集まっているが、未利用資源・昆虫のポテンシャルはそればかりではない。芋虫、毛虫の糞を、なんと香り高いお茶として飲むことができるのだ。京大生が開発中の、驚きの「虫秘茶」を試飲して、レポートした。

黄金色の見た目は、お茶そのもの。そしてふんわりと桜のフレーバー…。茶葉に香りをつけたフレーバーティーよりも深く馥郁たる香りがある。これが桜の葉を食べた毛虫(モモスズメ)の糞ときいて「やるな毛虫」とうならずにいられない。
中国の茶の歴史の片隅には「虫糞茶」の記述がある。
虫の糞が引用できることは知られていて、蚕の糞茶は農家さんの自家用として飲まれ、漢方薬にも用いられるという。

サクラ、クチナシ、栗‥‥。凝縮された植物の風味に、紅茶のような発酵香。おいしい葉だけを選んで食べた虫の腸内で、なんらかの酵素が働いて葉に発酵がおこっている。茶匠がハンドピックして、発酵させる茶づくりと似たプロセスを、物言わぬ虫たちが体内でおこなっていたのだった。

未利用資源の活用として期待が高まる虫の糞茶。
土に帰るべき排泄物を「利用」とか聞くと、人間てほんとにがめついなとも感じてしまうのだが、茶杯を媒体に虫目線、虫スケールから自然を体感してみることは、密やかなトリップ体験として楽しい。
試飲した限りでは「茶酔い」には至らなかったが。



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