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修正する力

ヨガのインストラクターコースで、”アジャストメント(以下、アジャスト)”というアクションを習います。直訳すれば「修正」です。基本的には、お客様がヨガポーズ(アーサナ)を深めて行く過程で、インストラクターの手または声によって、安全な方向へ導いたり、より具体的に動きや姿勢を修正していく行為です。理学療法士ならば、”徒手”という方法がありますが、それとは全く別物です。

このアジャストが上手なインストラクターは、相手の身体の事だけでなく、人(人柄/性格)を理解しているように思います。

お客様の姿勢や動きを拝見していると、人の数だけアジャスト方法があると感じます。なぜなら、筋力や柔軟性の違いだけでなく、身体の構造や神経支配、内面的な問題等も姿勢や動きに作用するからです。同じ伝え方でも伝わらない時があるのは、そういう理由だからだと思います。

なぜだろうと思う度に、私たちは知識を増やそうとします。それも正解です。(また同じ話になってしまいますが、)そこに自分の信念や目的がないのなら、何を学んでも結果は同じだと考えます。

生きた知識または見識に変換していくためには、得たものを外に出すステップが必要です。特に、習ったマニュアル通りに起こらない時は、お客様(時には師匠)とあらゆる形で対話してみると良いと思います。

自分をアジャストするという発想。

熟考し、あらゆる角度から試します。失敗もありますが、未来が予知できない限り、今、正しいと思った事を実行するしかありません。今、自分が知っている以上の事を求めると、自滅します。一度その場を離れて俯瞰すると、必要な行動が見えてきます。

多面的に自分を見るという発想。

そういう積み重ねが、自信に変わっていくのだろうかと、今の私は思います。

"人と人とのあひだを
美しくみよう
わたしと人とのあひだを
うつくしくみよう
疲れてはならない"
八木重吉氏 ねがひ より

今回の記事を書きながら、はっと思い出した一節でした。それぞれ得た知識を繋げていく過程で、その繋目である”あひだ”を見る時と似ていると感じました。繋がると嬉しいですし、さらに意欲が湧きます。

アジャストする時も、身体や部位だけでなく、どう感じているか(苦しいか、悩んでいるか、集中しているか、楽しいか等)を呼吸や身体の緊張等を通して観察します。その結果、楽になった様子が見られると嬉しくなります。

一方で、個を見すぎると、そのエゴに翻弄されそうになります。共にする空間で、お互いの共通の目標を見つけ出し、その目標に向かって自身の実力を発揮する事が大切なのだと、私は思います。

もちろん、本当の正解が何かは今分かりません。今後も多面的な視点を忘れずに、課題解決に努力したいと思います。

言えることは、

目標に向かう自分の行動を過信せず、そして恐れず、時には思い切って修正する。未来をはっきりと思い描きながら、まず自分の考えを臨機応変にアジャストする。お客様との関係性を大切にする事を忘れずに、目の前の課題に向かい合いたいと思います。

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