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【詩】海の軌跡

風が強い

スマホが飛んでいきそうなくらいの
髪が乱れる海上の風が私には心地よい

今までは曇りや雨空が多かったけれど
今回は見事な晴天だ

津軽海峡の海が青く
白波が不規則に輝く

目の前にそびえる函館山の頂上は
ふわふわとした綿帽子をかぶっている

ふと目の前に行き交う船を眺めると
船が通った"道"が見えた

スクリューが生み出す細かい泡が
いつまでも残っている

すぐ消えてなくなると信じていた
海の道は

目的地に向かって力強く進む船の
軌跡を残すのだ

まるで"無駄な経験なんて一つもない"と伝えているように

私達は大海原に浮かぶ船
一人一人が様々な形やスピードで進んでいる

それぞれの泡は海に恵みをもたらし
混ざり合い化学変化を起こす

ときにはぷかぷか浮かんで漂流するのもあり

ときには波に任せて島に運ばれるのもありだ

船と船がぶつかることもあるけれど
そこで分かり合い行き交うこともできる

あなたの船も私の船も
今日も軌跡を残しながら
新たな"奇跡"を求めて旅に出るのだ

船は必ず海に軌跡を残す

ゆったりと自分の速度で
今日も大海原に漕ぎ出そう

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