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【左ききのエレン × アドビ】“非デザイナー”の挑戦

『左ききのエレン』は、僕が2019年に入ってから最も熱中しているマンガだ。「天才になれなかったすべての人へ」というコピー通り、凡才目線で作品に心を奪われ続けている。

10月からの実写ドラマ化に伴って、左ききのエレン×アドビでのデザインコンテストが開始された。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000041087.html

“非デザイナー”の挑戦

作中に登場する、架空の広告代理店のポスターをデザインするという題目。
僕は今回生まれて初めて、デザインコンテストへの応募を決意した。

僕はデザイナーではないし、Photoshopも殆ど触ったことがない。勿論のこと天才でもない。あるのは原作への愛だけだ。
そんな身分で最優秀賞を狙うため、どのように情報を整理し、考えて、デザインを作成したのか。備忘録として下記に残していきたい。

要件の整理

●制作概要
実写ドラマ『左ききのエレン』に登場する広告代理店「目黒広告社」の
ブランディング用ポスターデザインを作成。
※指定された画像素材を3枚以上+企業ロゴを使用

最優秀作品はドラマ最終話にて、"コピーライター三橋 由利奈の制作物"として登場する

●キーコンセプト
「組織力」「チームワーク」「信頼」「革新」のいずれか
※架空の会社が商材となる手前、訴求内容となる“キーコンセプト”は事前に指定されていた

●製作にあたって意識する点
・「広告代理店のブランディング」について
 - ターゲットは"クライアント企業"に設定。(就活生は一旦度外視)
  ポスターを見た人が「目黒広告社」の信念・思考を一つ理解できるように訴求内容を検討

・ドラマ視聴者(原作ファン)が喜ぶ仕掛け作り
 - 原作内の要素を踏襲(作中の名言/キーワード を利用) ※制作要件の本質とは異なるため、アクセント程度に意識する

三橋 由利奈が作りそうなクリエイティブ
 - 三橋はマーケ局出身の"コピーライター"。本来"デザイナー"ではない。
 →デザイン性で凝るよりも、"言葉の説得力"を重視。
  →定めた「キーコンセプト」を軸に、伝えたいメッセージ・コピーを検討。


…上記のように“考え方”の方針を整理してから、実際のデザイン検討作業に着手した。

「デザインのクオリティー」で他の投稿者に勝てるわけがない。最優秀賞を狙うにあたり、“原作ファンならではの目線”でアイデアを生み出すことに尽力した。

そして、短期間での挑戦ながら何とか3つの作品を投稿することができた。


1作品目:“チームワーク”の定義

https://twitter.com/mikan_seri/status/1188458902431485956?s=21

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キーコンセプトとして提示された「チームワーク」をどのように伝えるのか、コピー検討に注力した。
原作の中でも、目黒広告社では個性豊かな天才/凡才がチームとなり大小様々な仕事に取り掛かっている。

「天才じゃなくても仕事に貢献できる“組織の時代”」を表現するため、キャッチコピーと色彩のインパクトを重視。

コピーライターが作るデザイン」として、文字による説得力に比重を置いたデザインを作成した。


2作品目:“革新”を伝える

https://twitter.com/mikan_seri/status/1188459244548284416?s=21

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今回のコンテストでは、「目黒広告社のロゴ」使用に対するレギュレーションが提示されなかった。

「せっかく手を加えられるのなら」と、ロゴの形を起点にしたアイデアの切り口を探す。そして“∞”マークに形が似ていることに気付いた。

「無限に広がるアイデア」と「革新性」の親和性に注目し、デザインを作成した。
“際限ない宇宙”や“拡散する彩り・輝き”を背景に敷くことで、キャッチコピーの伝える力を補強するよう意識しながらデザイン調整を行った。

3作品目:原作ファンに伝える

https://twitter.com/mikan_seri/status/1188470299102085121?s=21

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3作品目では“ファンならではの遊び心”を重視。三橋 由利奈ならではの表現は無いかを検討した。

作中で複数回繰り返される三橋の名言「THINK OUT OF THE BOX -箱の外を考えろ-」は、広告代理店の思考フレームとして理想的な概念の1つだと捉え、このコピーを軸に据えたデザインを作成した。(実際、作中で三橋以外のクリエイターが同じ発言をするシーンも存在する)

https://cakes.mu/posts/15866

「箱の中(ネガティブ)」と「箱の外(ポジティブ)」の差を視覚的に伝えるべく、
“真夜中の誰もいないオフィス”を時計モチーフで表現。“明るくひらけた、昼時のオフィス”を枠外に配置することで、中→外への転換をを表現。

原作ファンならばより深く意図が伝わる、“ドラマ起用映え”するデザインを作成することができた。


コンテストへの挑戦を終えて

初めてのデザインコンテスト応募を終えて感じたこと。

・3作品全てにおいて、何かしらの原作要素を意識、デザインに落とし込むことができた。→見栄えよりも“伝えたいこと”に目を向けながらアイデア検討を進められた

・1作品目をTwitterに投稿した時点では「三橋 由利奈らしさ」を意識した作品投稿は他に無かった。→コンセプト面での差別化には成功したかもしれない

・「指定素材3枚以上使用」という制約により、どうしてもクリエイティブベースでアイデアを考えたくなる場面が多かった。“伝えたいメッセージ”を決めても、指定素材での再現方法が思いつかずに諦めることもしばしばあった

自身のスキルセット不足を感じつつも、段取りを先に決め、定義通りに複数のアウトプットを生み出すことができた点には満足している。

今回の作品が優秀作品になるかは分からないが、今後も同様なコンテストには積極的に挑戦していきたい。

#左ききのエレン #アドビ #デザイン #コンテスト #マンガ #広告 #日記

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