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機が熟せば再会できる。

1年間で3冊になった作品ファイルを抱えて
私は再び会社訪問を始めしました。

いろんなところを回りましたよ。
洋服のタグのイラストを描いている個人事務所や、
小さな印刷会社のイラストレーター募集の求人とか。
今でも忘れられないのが
その印刷会社の社長が、私の絵を見て
「きっとあなたのやりたいことは、ウチの会社にはないと思いますよ」
とハッキリおっしゃってくださったこと。
ありがたいことです。
なんていうのか、パズルのピースじゃないけど
お互いのカタがしっくりハマらないのですね。

ある日の本屋さんでのこと。
玄光社の『イラストレーション』を、なに気に手にして立ち読みしてたら
「大阪のイラストレーター集団〇〇〇〇」
という記事が、またまた目に入ってきました。
1年前、
「へぇ。そんなイラストレーターの会社が関西にあるんやなぁ。
 でも、私には縁のない世界やな・・」
と本を閉じた、あの会社です。
今回は、その会社のイラストレーター1人を密着取材した記事で
ゆっくり家で読もうと買って帰りました。

そんな軽い気持ちで買った『イラストレーション』。
授業の合間にパラパラとページをめくってたのです。
そしたらデスね。
雑誌の最後の方の、ちいさな、ほんとーに5センチぐらいの小さな告知に
こんなことが書かれてあったのです。

『大阪のイラストレーター集団〇〇〇〇が
 ただ今、イラストレーターを募集中。
 イラストレーターになりたい人!
 こちらに連絡して作品を見てもらおう!』

ハッ!
電話番号が書かれてあります。
!!!
私はすぐさま、大学横の電話ボックスに走りました。
(携帯電話なんか持ってなかった時代だよ)
電話しました。
営業の男性が出ました。
「玄光社のイラストレーションを見たんですけど
 作品見てもらえますか?」
電話の向こうから明るい返事。
とんとん拍子に決まる面接の日。
小さな告知を見てから数分のうちに
私はあっさり会社訪問のアポイントを取ってしまいました。

1年前は
「私には縁のない世界の人たち」
だったのに
するするする〜とが繋がったのでした。


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