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【レビュー】お絵かき用左手デバイスに8bit-doを導入した話。

お絵かき用左手デバイスに8bit-doを導入したらめちゃめちゃ良かったので4ヶ月ほど使ってみたレビュー。

トラブルシューティングについては自分用備忘録も兼ねて最後にまとめるので必要な方は目次からどうぞ。

①どれを買えばいいの?

数年前から度々Twitter上でも話題になっていた左手デバイス、欲しいなぁと思いつつきっかけがないまま何となく買わずに居たが、ソフトを変えたことと推し絵師様が激推ししていたのを見て本格的に購入を決意。

【作業環境】
OS:Win8.1
ソフト:Clip Studio
ペンタブ:Wacom Intuos5

iPad勢および液タブ勢は元々左手デバイス使ってると思うので、今回の記事は基本的にWin板タブユーザー向けです。

お絵かき用の左手デバイスというのは「PCに繋いで何らかの入力ができる端末にイラストソフトのショートカットを割り当てる」ものなので、PCに繋いで何らかの入力ができる端末であればなんでもいいのだが、価格/入手しやすさ/よく使われている(→困った時の情報検索がしやすい)の観点から考えると2021年現在の主な選択肢は以下の3つになる。


【1】iClever テンキー 参考価格:2199円

【2】8bitdo Zero 2 ゲームコントローラー 参考価格:2050円


【3】CLIP STUDIO TABMATE 参考価格:7000円(4500円)




以下検討項目をピックアップ

iCleverテンキー
・元々は無線接続のテンキー(机に置いて使う前提)
・左手デバイス化した場合使用可能なのは22キー
・百均のラベルシートのサイズが合うためお洒落にデコれるという点で話題になった

・iClever社は中国深圳のITガジェットベンチャーなのだが、左手用デバイスとしてバズったことを日本広報アカウントでも認識しており(正規の使用法ではないため基本的に不具合やトラブルに関して公式サポートは期待できないものの)中華企業にしては案内が親切な印象。


8bitdo Zero 2 ゲームコントローラー

・元々はゲームコントローラー(握って使う)
・左手デバイス化した場合使用可能なのは10キー
・かなり小型なため、ラベルを張って割り当てキーを書きこむのは厳しい。どこに何を割り当てているかは暗記しよう。

・中国深圳の八位堂科技有限公司製。amazonの商品説明を見た感じ左手用デバイスとしての用途は認識しているようだが、公式サポートは英語/中国語のみで日本語対応していないためトラブル解決は自力で。
・と言っても恐らく左手デバイスとして最も使われているためググれば大抵の情報は出てくる。


CLIP STUDIO TABMATE
・イラスト用左手デバイス専用端末なので安心の公式サポート。(握って使う)
・使用可能なのは15キー。キー割り当てがデフォルトで登録されているためすぐ使える。
・専用デバイスのためホイールが付いているのが他にはない長所?

・最大手イラストソフトの会社が作っているのもありプロの人気イラストレーターがよく使っている印象
・定価7000円だがClip Studioを持っている人は優待価格の4500円で買える
ただし公式ショップじゃないと優待にならないのでうっかりamazonで買うと割引なし!!(注意)




さて、以上の三機種から選ぶにあたって、まず自分の作業環境では机の上に余分なものを置くスペースがなく、設置型のテンキー式だと不便が予想されるためiCleverはナシ。握ったまま使えるのが第一条件。部屋が綺麗な人はこれにしたらいいんじゃないでしょうか


8bitdo とclipstudio tabmateでどっちにしようかなーと悩んだわけだが、使えるキーが10と15というのがまず大きな違い。

15キー割り当てできるtabmateが高性能だけど、自分の場合あまりにも機能をつけすぎると覚えきれずに混乱する、最低限のものが素早く使えればいいというスタンスなので8bitdoに軍配が上がる。

あと、とりあえず8bitdo の方が安いので先にこれを買ってみて、すぐ壊れたり不具合で動かなかったらtabmate買いなおそう…ということで8bitdoにした。amazonのレビューには買ってすぐ動かなくなった!みたいなのもちょこちょこあるので不安になる。見るからに怪しい中国ガジェットだもんな…


②さっそく導入

充電が完了したらR+start長押しで起動。(本体の青ランプが点滅)

PC側の設定で「スタート」→「設定」→「Bluetoothとその他のデバイス」→「+Bluetoothまたはその他のデバイスを追加する」を選び、8bitdo本体のselectを長押し。

特に苦戦することもなくさくっとペアリング完了。

画像1

ブルーが良かったけどイエローの方が安かったからこっちにした(ケチ)

時間が掛かったのがショートカット割り当て。
普段絵を描いていてどんな機能をよく使うかというのは人によって全然違うので正解がないが、先人のレビューを参考に試行錯誤して自分はこうなった。

画像2

方向キーは標準的なブラシサイズ調節、消しゴム、スポイト。

英字キーについては自分の場合描いたものを修正するときに部分選択してちょっとずらしたり拡大縮小したり傾けたり…という工程がとても多いため、自由選択→変形→選択解除をまとめてみた。これめっちゃ使いやすくて天才かと思った。

サイドのLとRは反転とブラシ。
何故ここにブラシを入れているかというと、消しゴム&スポイトは「長押し→押してる間だけ変化」「短押し→変更」なのだが誤操作でうっかり消しゴムに変更しちゃったりスポイトに変更しちゃったりしやすい。ブラシ割り当てを入れておくことで、うっかり消しゴムに変えちゃってもすぐブラシに戻せるのが便利!

ちなみにClipstudioの場合同じショートカットを複数のブラシに登録でき、一回押しでブラシA、二回押しでブラシBみたいなことができる。線画用と塗り用で違うブラシを使ってる人は両方登録しておけば更に便利


③買って良かったこと

・圧倒的に楽。想像を軽く超えた。100点満点で言うなら100000000点。
・むしろ今までこれ無しでどうやって絵を描いてたのか疑問
・お値段は2000円だけど2万円の価値はある
・端的に申し上げて最高
・もっと早く買えばよかった

具体的に解説。
全ての作業を本能的に済ませられる。これが最高にデカい。

例えば線を描いていて少しはみ出てしまったので消しゴムを掛ける場合、一度キャンパスから視線を外して「消しゴム」タブにポインタを持って行きクリックするという動作が入る。

あるいはキーボードにショートカットを登録しているなら左手を持ち上げてキーの位置を確認してCtrl+Eなんかを押すわけである。(消しゴムはたぶんペンのサイドスイッチに割り当ててる人が大多数なのでこれはあくまで例えね。)

8bitdoがあれば、これらが一切不要になる。元々手に握ってるボタンを押すだけなので書きかけのキャンパスから視線を外す必要がなく、余計な場所に視線を動かす必要もない
ショートカットなんだっけとかあの操作はツールバーのどこだっけとか考える必要がない。

ここで短縮された「秒数」だけでいえば大したことはないのだけど、個人的には「視線を動かす必要がなくなったことで集中力が飛躍的に高まった」点がものすごく大きかった。
自分はものすごく遅筆なことが悩みでクオリティを落とさず描く速度を上げるためにいろいろと練習してるんだけど、こいつの導入が一番はっきり効果ありました。
物理的に動作が速くなることと集中力の向上の相乗効果で以前なら5時間かかったような作業が2時間半で済むようになったと思う。

それから、消しゴムだけでなくブラシの種類とサイズを割り当てて手元で操作できるようになったため、例えば髪の毛などのより細かいパーツでも集中を切らさずサクッとブラシサイズを変えて繊細な描き込みができるようになった。結果的に画力は変わらずとも気力労力をより細かい部分につぎ込めるようになったため最近絵が上手くなったと言われるようになった。やったぜ!


デジタルイラストというのは、単純に「絵を描く能力」とは別に「ソフトを操作する能力=欲しい効果を思った通りに出すための操作手順の理解・習熟」が必要になる。
画力が高くてもソフトの操作にもたついていては余計な時間や気力を取られてしまうわけで、左手デバイスは後者にかかるリソースを極限まで減らし、絵を描く作業にステ全振りさせてくれる神アイテムだと思う。みんな買おう。


④買って悪かったこと

特に無し。
しいて言うならたまに接続が切れることと、充電式なため充電が切れると使えなくなること。
ちなみにフル充電しておけば一日10時間くらい作業してても持つ。一日数時間程度の作業なら一回充電して1~2週間は持つかな。
特に煩わしさを感じるほどではない。

8bitdoはAmazonのレビューで「すぐ動かなくなった」みたいなものがちらほら見られるところが不安だったのだが、ウチの場合4ヶ月間ほぼ毎日そこそこ長時間使っていても今のところ壊れる様子はない。接続の不具合は何度かあったため、接続が切れたものを壊れたと認識して書かれたものなのかもしれない。


おすすめお気持ち長文は以上で終わり。

自分は8bitdoを選んだけど別にこれじゃなくて良いです。なんでも良いと思うのでとにかく左手デバイスというものはお金を掛けて導入する価値があるぞということが実感できた。

昔はプロじゃないと手が出ない高価なものだったけど、今のように2000円前後であれば特に絵でお金を稼いでるわけでない趣味勢でも十分に元が取れると思う。絵描き趣味のある皆さんには是非検討して欲しい。




以下は数か月使用してみて起こったトラブルとその解決法についての備忘録(逐次追記)

⑤トラブルシューティング


作業中しばらく操作していなかったら反応しなくなった。
一定時間操作しないとスリープモードになる。start一回単押しで再起動。


使っていたら突然接続が切れた。
何らかの理由でペアリングが切れた。R+startを二秒押し(ランプが点滅)→select長押しで再接続


突然接続が切れ、ペアリングをやり直してもつながらない。
PC側でBluetooth機器の登録をいったん削除し再登録。もしくはBluetoothドライバを更新。


それでもつながらない
windows側の問題で、省電力モードがオンになっていると勝手にBluetooth機器を切断することがある模様。
デバイスマネージャ―→Bluetoothデバイスのプロパティ→電源の管理→「□電力の節約のために、コンピューターでこのデバイスの電源をオフにできるようにする」からチェックを外す。

以上の設定を行ったうえで再起動。この際、ホームボタンから「再起動」を選ぶと省電力モードで立ち上がる場合があるため、普通に一度シャットダウンしてから電源を付け直す。(重要)


(2022/5/11追記)

壊れた。ので、同じのをもう一度買いなおした。

何がきっかけなのか分からないけどstartボタンが陥没?していて押しても反応せず起動できない状態。使おうと思ったらこうなっていたので原因に心当たりがないが、わりと落としたり雑に扱っていたので自分のせいかな…丸一年使い倒したからまあいっか。

同じものを買いなおすにあたって初設定はやり直しなのかどうなのか怖かったが、ペアリングに関しては以前の端末のものは反応しないため、一度PC側で8bitdoのBluetooth接続を削除→ペアリングやり直しで繋がった。

一番めんどくさそうだったClip studio側のキー割り当てはなんとそのまま!何もしなくても以前の設定がちゃんと反映されてた!神!



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