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市民活動をやっていた時の話/思い出すのもイヤな人 その3

さあ、このシリーズもその3になりました!みけ子の悪口全開です(笑)人の悪口、楽しいなぁ。

市民活動も活動を続けて目立って来ると、本当に色々な人から連絡がある。長く仙台市内に住み、郷土史を研究している市井の研究家である川鍋慎三氏(仮名)もその一人だった。

かつては大手通信関係の一流企業で長く働いていた方だったか、(この辺り記憶があいまい)教養が深く勉強熱心で、貴重な郷土資料を多数お持ちの方だった。市井の教養人でご意見番的な役割の方って感じだった。

その方も建物保存活動に賛同し、定期的に発行している機関誌に原稿を何度か寄稿して下さった。こういう郷土の歴史に詳しい人からの寄稿はありがたいことだった。

ある時、団体として歴史的建物の保存の機運を盛り上げるための企画をしていた。古い建物を会場にシンポジウムと演奏会、朗読会を企画した。まずは古い建物の持つ豊かな空間に足を運んでもらい、魅力を感じてもらう。現代の機能的でムダのない空間も良いけれどそれだけではつまらない。時代を経た建物の美しさや面白さを知って「こんな建物、近くにあったらすてきだよね!」と思ってもらえないか。

シンポジウムのパネリストの一人としてその川鍋慎三氏もご参加いただくことになった。そしてそのシンポジウムは予定通り開催され、まずまずの参加者もいて無事に終了した。その後、その開催の様子は文字起こしをして定期発行の機関誌に載せることになった。

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時間をかけて文字起こしも終った。入稿まであと一息だが、その前にパネリストの方それぞれに発言の文字起こしに間違いがないかどうか、原稿を送って確認する作業があった。

パネリストの方それぞれからは、文字起こし原稿の確認とOKの連絡が来ていたが、川鍋氏からの確認原稿が中々戻って来ない。ようやく戻って来た原稿は彼の発言の文字起こしに思いっきり「朱」が入れられていた。

カセットテープに録音したものの文字起こしよ?そんなに朱を入れられるような間違いあったかな?と疑問を持ちつつその朱入れ原稿を読み直すと…、

原稿にはその場で発言していないことまで多数書き加えてあった。そのシンポジウムの場では彼はパネリストの一人でしかない。自分の立場で古い建物の保存や活用についてそれぞれ発言はしたが、書き加えられた原稿にはいかにも自分がそのシンポの場で華々しい発言をし、思い切って大胆な提案をしたかのような発言が多数書き加えられていた。

あっちゃ〜、これはいくらなんでもこのまま朱入れ原稿を掲載なんかできないわ。社会的にもそれなりに発言力のある教養人でもあり、重鎮とも言える立場の方なので異議を唱える事に躊躇はしたが、その場で発言をしていない事を書き加える事など出来ない。

気持は受け取りつつも文書で「申し訳ないですが原稿はテープを忠実に文字起こししたもので、その場で発言されていないことを書き加えることは出来ません。てにをはの誤り等は直しますが、他のパネリストの方にも確認いただいてますので、最低限の間違い訂正で掲載させていただきます」

こんな風に書いたら「じぶんの発言の部分だけ載せるな!」とか言われるかも…とびくびくしたが、多少の反論はあったけどそこまでのことはなかった。(まぁ彼も一応常識人であったって事だ)

文字起こしで、読んでみて前後の話が分かりにくいところとか、文のつながりがおかしい所を直す程度なら分かる。でも実際にそこで発言もしていないことを勝手に付け加え、それも自分がその場でカッコイイ思い切った提案をしているかのようなことなど、どう考えても了承する訳にはいかなかった。その場の開催の意図さえ捻じ曲げる行為じゃないか、それって。

その他別の時にはその川鍋氏が演者になり、団体の主催で「仙台にかつてあった建物」について講演を実施したこともあった。かなり大勢の参加者で講演会は盛況のうちに終了した。その時はまた参加された大企業の結構偉い方(川鍋氏のかつての勤務先)が聴いていた講演の内容を自社メディアに大きく取り上げてくれた。だけどその紹介文の内容が若干川鍋氏にとっては不満のある取り上げられ方だったようで。それと「自分が所有している資料の写真を許可なく転載されたので、主催団体としてこの件は抗議してくれ」との話があったり。

まぁ、今なら資料の無断転載など確かに許されないことだが、20年以上前の話よ?社内の限られた人しか見ないメディアに転載した小さな写真1枚、それもかつてのOBの講演内容という事でかなり好意的に取り上げてくれたのに、そんなに大仰に騒ぐことなのかなぁ?私も若干認識は甘かったかもしれないんだけど。「取り上げてくれてうれしい」と思いこそすれ、わざわざ主催団体として抗議する程の事だったのか?抗議するならばご自分でどうぞ…って言いたかったわ。あ〜めんどくさい。

その時もね、講演の謝礼はこちらとしても気持ち程度しか出せないので、参加者に配布する資料はこちらで印刷します、と事前に話していたらA3の大きな資料でページ数もたくさんでおまけにカラー頁がたくさんあって…。弱小活動団体の懐事情を分かって欲しかったわ💦

そんなことが続き、その川鍋氏と私たちの活動団体はだんだん疎遠になっていった。教養が深く知識が豊富でそれなりの経験も厚い方は、しっかりしたご自分の意見もやり方もおありだろう。確かに、そういった立場からの助言やアドバイスは助かることもあった。でも私たちのような弱小市民団体が真に欲していたのは「共に汗を流し作り上げて行く仲間」なのだ。

川鍋氏の発言や行動がそうだったとは思えない。どこかの団体で意見の違いをすり合わせながら一緒に行動するのなどそういう方には合わない。そういう方は自分がやり易いやり方で独自の道を歩むのが一番適していると思う。

こうして振り返ってみると、自分は経験も浅いながらその時々で真剣に考えて、その場では考えうる限りの最善の対処法を取っているように思える。組織運営に経験豊富な人ならばもっといい、違う良いやり方を取ったかもしれない。だけどこれが今振り返っても自分には精一杯でギリギリだったと思う。


その方はご自宅に沢山の資料をあつめた「私設文庫」まで作っていたようだが、数年前にすでにお亡くなりになっている。集めた郷土資料は今はどうなっているのかしら?




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