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パンダの足あと~その1の4:Gちくミニツアー(@奈良・囲炉裏ハウスなら座/2011.11.19)

■奈良のうどん、ふたたび

ライブは、20時には終了した。
住宅街のふつうのゲストハウス内のスペースだったため、早めの開催・終了だったらしい。
宿泊組はそのままそこにいられたけれど、そうでない私は去るしかなかった。知り合いもいない。滝本さんや知久さんとお話できる機会の無いまま、退出した。夜行バスが出るまでのおよそ3時間を、どうにかやり過ごさないといけない。

向かったのは、そこから少し歩いた所にあるうどん屋、「重乃井 奈良店」。
ライブ前に食べたばかりのような気もするが、気にしない。
夕食時よりは遅かったせいか、先客はひとり。常連客らしく、店主と楽しげにおしゃべりしていた。
お邪魔かな?と思ったら、「いらっしゃいませ!」と明るい笑顔を向けられた。
オーダーは、「釜揚げうどん」。
そこで「うちのうどんのおいしい食べ方、ご存知ですか?」とお声がけいただいた。しっかりアドバイスを伺って、その通りに楽しんだ。
おいしい。文句なしにおいしい。
うどんもそうだけど、ツユもおいしくて、最後の一滴まで完食してしまった。

■「ぼっち」を噛みしめ、受け入れる

店を出た時点で、21時。まだ夜行バスまで2時間もあった。
夜のお寺でも見に行きたかったけれど、濡れた街はひんやりとしていて、なんとなく移動が億劫になってしまっていた。
また何らかのハプニングが起きてバスの時間までに戻れなかったりしたら、元も子も無い。コインロッカーから荷物を出した後は、そのまま駅に併設されている某ファーストフード店で時間を過ごすことにした。

そこから、ポチポチとツイート。
当時の自分のツイートを読み返してみると……寂しがってる。
近くにいたふたり組の女子高生が、はんなりとした言葉でキャッキャと楽しげに会話をしていたものだから、余計に寂しさが募った。

だけど。
もしツレがいたら、こんなにうどんばかり食べたりとかはしなかったかもしれない。

交通規制にオロオロして、地下通路を全力疾走したりもしなかった。ぼっちでは誰のせいにも出来ない。すべてが自己責任。だから自分でも予想できない行動力が出たりする。それがすごく楽しかった。

これが私の性に合っているのかもしれない。
「ぼっち旅」、いいじゃない。

22時半ごろ、店を出て、バスターミナルへ向かった。
乗客と思しき方々がちらほらと見受けられた。「乗客、少ないな」と思ったら、そこはバスの始発ではなかったからであって、私たちが乗った時点でバスは満車だった。
座席は3列の窓際。横の席との間には、カーテンがかかっていた。
これはいいんじゃないかな……と思ったら。早くから乗っていた前の席の客が、すでにリクライニングを倒していた。すごく座りづらかった。
横には余裕があったのに、前後は普通のスペースしかないバスだった。
普通のサイズの方ならまだしも、私は身長170センチ。この席、男性にも狭いという方が多いんじゃなかろうか……。
トイレが付きのバスだったが、一度も使用しなかった。途中のサービスエリアで降りて済ませた。

バスは6時半ごろに、新宿西口に到着した。(※当時はまだバスタ新宿が無かった)
窮屈な状態でも眠れたものの、背中がひどく痛かった。窮屈な状態でも眠れたものの、背中がひどく痛かった。ビシビシ傷む体を引きずって、自宅に着いたのは8時ごろ。初めてのぼっち遠足は、これにて終了した。
ライブはものすごくよかったから、行ったことに後悔はしていない。行ってよかった。ただ泊まらなかったことと帰りのバスの選択については、今後の課題となった。

ぼっちはそれなりに楽しい。
自分で何とかなる程度のハプニングや、大好きなひとたちのライブをたんのう出来た。
また行けたらいいな、と思った。
帰宅後に寝落ちして目覚めたら、少し寂しかったことや帰りのバスの窮屈さなどすっかり忘れていたのだった。

(その1、おしまい)

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