見出し画像

【タッジーマッジー】

タッジーマッジーというのは
ハーブでつくる小さな花束のことです。

呪文のようなコトバですが
Tuzzy Muzzy
Tassy Mussy
Tussie Musseies
などと綴られます。

さまざまな綴りがあることからもわかるように
語源もはっきりとしていません。

花の塊(Tussie)とか
ミズゴケ(Moss)などに
由来するのではないかといわれています。

タッジーマッジーは
中世ヨーロッパで
病気(悪魔)から身を守るもの
としてつくられました。

当時のヨーロッパは
下水が整備されておらず
まだまだ不衛生でした。
特に、人々の集まる教会などは
病気が蔓延する場所でもあったのです。

そこで殺菌効果のあるハーブを束ねて
片手にタッジーマッジー
片手に聖書を携えて教会へと通ったそうです。

つくりかたに制約はありませんが
中心に香りの良い花を配置し
それを囲むようにハーブでまとめます。
長さは15〜25cmくらいの
片手でちょこっと持てる程度にそろえ
水分を与える場合には
切り口にミズゴケをまき
最後に、ラフィアで結びます。

よく使われるハーブは、
ルー、各種ミント、オレガノ、
レモンバーム、ローズマリー、
各種タイム、セージ、ラミュウム、
カモミール、バーレリアン、
クローブ、チャイブ、ラベンダー、
ヒソップ、マージョラム などなど。

殺菌効果が高く
香りの強いものを選びます。
香りで悪魔(病気)を撃退!というわけです。

当時、裁判官が
監獄から出てくる罪人を迎えるとき
手にはルーを持っていたといわれています。
↓ ルー

ルー001

タッジーマッジーは他に
 Nosegays
 Sunday posy
 Victorian posy
などともいわれます。

Nosegays は
鼻を楽しませるという意味で
芳香が命のハーブらしいネーミングです。

Sunday posy は
その名の通り「日曜日の花束」。
つまり「教会に持っていく花束」という意味です。

ヴィクトリア王朝の時代になると
タッジーマッジーはファッション性を帯び
見た目の美しさや
込められた花言葉なども重視されるようになって
Victorian posy とも呼ばれるようになりました。

応援してくださるととても嬉しいです!