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【料理教室や料理本どおりに美味しくできない理由】

昨日書いた、アレンジド・パウンドケーキですが
早速お友達がつくってくれたそうです!!

100%嬉しいです💖

けど・・
曲がりなりにも料理講師をやってきた私には心配事もあります。

どういうことかというと。
料理は、習った通り、レシピ通りにつくっても
その通りにできないことがある!からなんです。

えええええーーーーーっっっっ!!!
と思われるでしょうか。
お金をかけて料理教室に通ったり
レシピ本を買ったりしたのに
それって意味ないの・・?と。

今日はそれにお答えしましょう。

何故なら・・・

料理は「机上の論理ではない」からです。
算数で、1+2=3、というのは、動かせないことですね。
でも、料理ではそうはいきません。


◆まずは素材。

皆さんもよくあると思いますが
買ってきた当日の大根は
おろすと水分が多すぎるほど!ですが
うっかりしばらく
冷蔵庫の野菜室の奥に置き去りにされた大根は
水分なんてあるの?くらいよぼよぼ。

つまりレシピで
大根50g
と書いてあっても
片や水分いっぱいの大根
片や水分なしの大根
なわけです。

それに旬かどうかで全然違います。

野菜だけでなく魚もそうだし
旬なんてある?と思っても
お肉だって産地で全然ちがいますしね。

料理は材料が生き物なので
全員が同じ状態のものをそろえられません。

調味料だって
お塩ひとつとっても
それぞれまったく味が異なります。


◆ほかにも理由はあります。調理環境です。

弱火で30分煮ましょう
と書いてあること、ありますね。

でも
弱火ってどれくらい??
おうちのガスやIHのコンロの性能も違いますね?
さらにお鍋の素材は?
鉄かホーローかアルミか土鍋か・・
全然、火の通り方が違うんですよ。


◆更にやりかたは?

例えば液体を「計る」こと。
大さじ1杯とか1カップとか
正しい計り方を知っていますか。
これらは表面張力ギリギリに入れるのが正解なんです。
だから
「こぼれないようにちょっと手前で」
とすると足りないんですね。

またお野菜を洗った後
ちゃんと水けを取っていますか。
お水がいっぱいついたままだと
(いけないわけではないけど)
その分、味は薄れますよね。

混ぜる、というたったひとつの行為も
さくっと混ぜる、なんて書いてあっても
「さくっと」ってどれくらいなんでしょ?
ビミョーですよね。

レシピの中で「混ぜる」というのは
日本語ではあまり表現に違いはありませんが
英語では

Mix 混ぜ合わせる
Blend 混ぜ合わせて一体化する(ブレンドコーヒーの豆)
Combine 混ぜ合わせて別のものにする(マヨネーズなど)
Toss 空中に投げて合わせるというイメージ(サラダ)
Stir かき混ぜる(カルピスみたいの)
Whisk 空気が入るように混ぜる
Whip Whiskより強く、出来上がりが固まるくらい混ぜる
Scramble ちゃかちゃか混ぜる(スクランブルエッグ)

など、いや、ほかにもあるのですが
いろいろとニュアンスがあります。

だから、レシピを書いた人が
Tossと思ってサラダのレシピを書いたのに
Combineしちゃったらジュースができちゃったりするんですね。


だからといって
英語だときちんと表せるけど
日本語のレシピはダメ・・
というわけではないんですよ。

火にかけて
「ふつふつ」
とか
「ぐらぐら」
とか・・

あー、ちょっといい例えが見つからない。
見つかったら追記します~
それこそ語彙の豊かな日本のレシピには
もっといい例があるんです・・

でも
それくらい料理には感覚的なものがあるのです。


だからね、

レシピを書く側の注意点としては
「できるだけいろんな方が同じようにつくれるように意識する」
ことが重要。

レシピを見てつくる側の方は
もしも思ったようにできなかったら
できればガッカリしないで
「上記のどれかが違ったのかな?」と
またトライしてくれたら嬉しいと思うのです。


もちろん他にも理由があるんですよ。。
だから面白いの。


これら全部に経験値が加算されるのがお料理です。

(決まったー!! ←かな?)

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