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ジョンレノンとジョンライドンとジェイクバグと


小三の娘がアメリカに行きたい、と言う(旅行で)。
去年の暮れに録画したジョンとヨーコのなんちゃらという番組を繰り返して観て、セントラルパークあたりに憧れているのか(訳したら中央公園ちゃう)、これ消さないで、永久保存ねと言う。

ニューヨークに行ってみたいらしいがビビリなので銃で撃たれたらどうしようと怖気付いている。いやいや昼間は大丈夫だからと説得にかかる。それで思い出したのがブレイディみかこさんであるが、彼女は渡英する時に父親から後で読め、と空港で一片の紙切れを渡される。

それには「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」by 林フミコ、と書いてあったのだけれども彼女はケッ、とその紙をゴミ箱に打ち捨て旅立った、という話。

数年後ブライトンで家庭を持った彼女は思うのである。親父の言ったことは正しかった。

先なんかねえんだよ、ノー.フューチャーの想いを胸にそれでもやっぱり生きていけ、と。

林芙美子とセックス.ピストルズ。
ノー.フューチャーの恨み節。
まさに、あの親にしてこの娘あり、と。

ジェイク.バグの「two fingers」は過去に決別する歌である。

故郷に帰り、旧友たちに会う。
最高のやつら。
外に出た。僕は生きている。
この街で生きていく。
何かが変わろうとしている。

イングランドの空は僕の故郷の日本海の空に似ている。
ジェイク.バグの故郷のノッティンガムもそうだろう。ノッティンガムはパンクスの元祖とも言える「長距離走者の孤独」を書いたアラン.シリトーの故郷でもある。

娘よ、生きているうちにいろんな風景を見ろよ。

というわけで娘はアメリカに行くために今からお手伝いをしてお金を貯めるらしい。

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