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子どもの頃心配だった飼い犬のこと

人生の中で2匹犬を飼った。
2匹目は私が上京した後に実家で飼われているので、そんなに会えてはいないのだけれど。

どちらも雄の柴犬。
本当に同じ犬種なんだな??
と思うくらい見た目も違う。

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①ケン
私が小学1年生の頃から大学2年生の頃まで生きた。
"犬"の音読みで"ケン"
鼻は短くて満月みたいな丸顔。
顔の白色の面積が広く、目は丸っこくて大きい。
尻尾はふわふわで丸く渦巻いている。
体重は10~11kg

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②ふく
ケンが亡くなった3年後くらいから現在まで飼われている。
福がいっぱい来て欲しいから"ふく"
鼻が細くて長い。
顔の殆どが濃い茶色。
目はつぶら。
尻尾はキツネみたいに太く大きく、真っ直ぐ伸びてる。
体重は8~9kg

そんな2匹だけど、性格も全然違う。

ふくはクールな見た目に反してとにかく懐っこい。誰かが近づけばブンブン尻尾を振って歓迎する。
犬の友達も多いそうで、他の犬を怖がる犬ですら、ふくには警戒せず一緒に遊ぶらしい。

一方でケンは犬の友達が全然できなかった。
おびえるわけでも、警戒するわけでもなく、ただただ興味が無さそうだった。相手に威嚇されたら威嚇し返すけど。
仲良くなろうという素振りなんてなく、愛嬌のある顔立ちに反して中身はツンとしていた。

小学生の私は子供心に少しケンの社交性のなさに心配をしていた。
イメージしていた犬は、他の犬と尻尾を振ってじゃれあって遊んでいる。

ケンはなぜ遊ぼうとしないのだろう。犬の友達を作ろうとしないのだろう。
人間からは可愛い可愛いと寄ってこられているけど、犬界ではモテないタイプなのだろうか。
ずっと疑問に思っていた。

一昨年、用事があって4時間だけ実家にいた日があった。

ふくにおやつをあげたとき気づいてしまった。
この子は、おやつの有無では態度は変わらない。
指示の聞きやすさは変わるけど、相手に対する愛情表現とか、態度は変わらないのだ。

一方で、ケンはおやつの有無でめちゃくちゃ態度が変わる。
可愛がってくれた人への対応の違いは顕著なものだ。
おやつをいつも持ってきてくれたおじちゃんには近づくだけで尻尾を振り回したけど、何も持たぬ通りすがりの女子高生には塩対応だった。


もしかしたらケンはわかっていたのかもしれない。
犬からおやつを貰えることはないと。

メリットのないやつには愛想を振り撒かない。
なんて利己的な。
1周回ってカッコ良さすら感じた。

いや、真実は知らんけど。

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