すべては全部、思い出づくり
このあいだ、本当に久しぶりにひとりで映画を見に行ったのだけど、
席に着いてから、ふと、気づいたことがあった。
「わたしポップコーンに見向きもしなかったな。」
買うか買わないか迷うこともなく、売店を素通りして席に着いたのだ。
−−−
あれ、わたし映画行くときはいつもポップコーン買ってたよな、ポップコーン好きだったよね…⁉
と考えながら、
ポップコーンを買うのは、いつも旦那といっしょに映画館に行くときだ、
ということに気がついた。
旦那と映画館に行くときは、いつもポップコーンが食べたくなるのだ。
なんでひとりで行くときは食べたくならないのに、
旦那と行くときはポップコーン食べたくなるんだろう。
考えてみると、わたしは、
ポップコーンを食べたいから買ってるんじゃなくて、
旦那とポップコーンを食べながら映画を見るのが楽しいから買っているんだ、
っていうことに気がついた。
−−−
「ポップコーン買う?」ってどちらともなく話し始めて、
「味どれにしようか〜」
「ええっ!これSサイズなの!?でか!!」
なんて言いながら、
ぶつからないように、ポップコーンに手を伸ばしたり、
映画の最中にポップコーンを服のどこかに落としてどこに行ったか分からなくなってキョロキョロしたり、
ポップコーンでふざけたり、
最後は、
「あんなにたくさんあったのに結局食べちゃったね〜」とか言いながら、
映画館を出る。
その一連のやりとりや出来事が好きなのだ。
ポップコーンにまつわるアレコレを、買っているのだ。
思えば、
すべては思い出づくりのためだった。
行ったことがないところに行って、
2人がやったことがないことをいっしょにやってみたいのは、
それ自体に興味があるわけではなくて、
そこでしか生まれない会話とか、やりとりとか、出来事に出会いたいからだ。
それって、絶対にある。
その場所で、その物でしか生まれない思い出が絶対にある。
「あの時、あの場所で、あんなことがあったね」
って言えるような思い出をありったけ作りたいのだ。
−−−
新しいカフェやレストランやパブに行くことも、
美味しい料理を作ることも、
旅行に行くことも、
新しい洋服を買うことも、
ひとりだと、実はわたしはそんなに興味がなくなっているかもしれない。
そこで生まれる出来事に、思い出に、興味があって、
それにまつわるアレコレがほしくて、
時間と、お金を使っている。
「すべて思い出づくりに一役買ってくれるものたちなのだな」
ひとり映画館で、そんなことを考えたよ。
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