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【RWC2023】Round3(3週目)を振り返り

プールCでウェールズがトーナメント一番乗りを決めたRound3(第3週)。トーナメントの組み合わせがだんだん見えてきた。


9月9日に始まったラグビーワールドカップ2023™フランス大会。
5週にわたって開催されるプール戦は、折り返しのRound3(第3週)を迎えた。


現在の各プールの状況

Round2までの各プールの順位は以下の通り。

プールA:
フランスが3勝でプール戦を独走中。ニュージーランドとイタリアの一騎打ちでイタリアがジャイアントキリングを見せない限りは、フランスとニュージーランドがトーナメント行きか。
プールB:
「死のプール」の全勝同士の直接対決はアイルランドが勝利。南アフリカとアイルランドが先行する状況は変わらず。
プールC:
ウェールズがオーストラリアに勝利し、トーナメント進出一番乗り。オーストラリアが史上初トーナメント進出を逃す可能性が高まってきた。
プールD:
イングランドのプール戦通過がほぼ確実となってきた。トーナメント進出もうひと枠はRound5日本vs.アルゼンチンの直接対決で決まるか。

Round3日本代表

プール当たり5チームあるため、1チームはByWeek(試合を行わない週)となる。Round3は日本がお休み。選手は観光したりレジャーを楽しむ時間がありリフレッシュした様子だ。Round4に向けて力を蓄えている。

Round3好ゲーム3選(除:日本)

(1)アイルランド vs. 南アフリカ

世界ランキング1位vs.前回王者と開幕戦と並ぶ屈指の好カード。
前半はPGで南アフリカがリードしたが、終了前33分にアイルランドが連続攻撃からトライを決め7-3で逆転した。後半に南アフリカがトライを決めるものの、確実にPGで点を重ねたアイルランドが 13-8 で勝利した。
この試合で南アフリカはSOリボック選手がPGを3本外している。入っていたら… と思わずにいられない。

(2)ウェールズ vs. オーストラリア

勝てばトーナメント進出が決まるウェールズと跡がないオーストラリアの対戦。前半からウェールズが仕掛ける。前半3分にオーストラリアのラインをブレイクし一気にトライまで持ち込んだ。その後も着実に点を重ねるウェー留守だが、伝統の堅いディフェンスでオーストラリアをPG2本だけのノートライに抑え込んだ。
心配なのはウェールズSOダン・ビガー選手の負傷。トーナメントに向けて休養して帰ってきてほしい。

(3)ジョージア vs. ポルトガル

プールCで勝利がない2チームの直接対決。
前半3分でジョージアが先行トライを決めると、キックとPGで13-0とポルトガルを引き離す。その後前半33分にポルトガルWTBストルティ選手が40mを独走してトライを決め前半を13-7で折り返した。後半トライとPGで両チーム18点とし、80分にPGを得たポルトガルだが、PGが左に逸れ、 18-18の同点に終わった。ポルトガルは2回目の出場で、初勝利を目指したが叶わなかった。

雑感 - 試合間隔

今大会から導入された試みの1つに「試合間隔を広くする」ことがある。

過去のワールドカップでは、特に強豪ではない(人気がない)チームは平日に試合があり、試合間隔が中3日など短かった。中3日だと選手は十分なリカバリと準備ができないままとなり、勝てないチームがより勝つことが難しい構造を生んでいた。
かつて日本もその憂き目にあっている。2015年、スポーツ界最大の番狂わせ「ブライトンの奇跡」と呼ばれた南アフリカに劇的な勝利をした試合があったが、その後中3日で、強豪スコットランドと対戦し大敗を期した。それによってポイント差が生まれ「3勝したのにトーナメント戦に行けない」初めての国になった。

今大会から全ての国が1週間程度の試合間隔となった。長い場合は中9日とかもある。例えば、日本はRound2イングランド戦の後で、Round3がなく、中9日を空けてRound4でサモア戦を迎える。日本は心身ともにリフレッシュした状態で迎えることができる。

今週(Round4)注目試合

プール戦も後半戦。トーナメント行/プール戦敗退の分け目となる天王山を迎えるチームが多く要注目だ。

(1)プールD:日本 vs.サモア

9/29(金) 深夜4:00~ 
放映:JSports、日テレ

日本・サモア・アルゼンチンが1勝1敗で並ぶプールDで日本がトーナメントに進出するには、この試合は必勝だ。7月の対戦ではサモアが勝利しているが、日本はそこから大きく進化している姿を見せてほしい。

(2)プールA:ニュージーランド vs. イタリア

9/30(土) 深夜4:00~ 
放映:JSports、日テレ

ニュージーランドがラグビー王国の力を見せつけ圧倒することが予想されるが、イタリアがハイパフォーマンスユニオン(旧ティア1+日本)の意地を見せてどこまでやり切るかが見所。ロレンゾ・パニ選手、アンジェ・カプオッツォ選手などの若いパワーに期待したい。

(3)プールA:ウルグアイ vs. ナミビア

9/28(木) 深夜0:45~ 
放映:JSports

プールAの勝利がない2チームの対戦。前回大会でフィジー代表に勝利する番狂わせを見せたウルグアイに、ラグビーワールドカップ初勝利を目指すナミビアが挑む。トーナメントに受けた調整をする上位チームに比べ、「ここが絶対勝ちたい」の気迫を見せる下位チームの戦いは熱量の高さに沸騰したい。


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