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子育て関連の予算を見て思ったこと

2027年4月に地元の市議会議員になることを目標にしているみきやです。普段は地方公務員として働いています。このnoteでは現在私が職場で取り組んでいることや将来議員になったときに解決していきたい課題について書いています。

今日は、先日発表された大阪市の令和6年度予算を見て、感じたことを書いていきます。全ての項目について見ていくととんでもない量になってしまうので、私が普段接している子育て関連の予算を取り上げつつ、地元でも活かせそうな部分について考えをまとめてみたいと思います。

今回取り上げたいものは次の3つです。

  • 0~2歳児保育無償化に向けた取組

  • 保育人材の確保対策事業

  • 障がい児の受入れ強化

その①:0~2歳児保育無償化に向けた取組

これは大阪市の目玉と言っていいもので、これまで有償だった0~2歳児の保育料に関し、第2子から無料にするというものです。ちなみにこの記事を書いている2024年2月時点では、3歳児以上は保育料が無料、0~2歳児でも第2子は保育料が半額、第3子以降であれば無料となっています。

大阪市の新年度予算では「0~2歳児かつ第2子」という、これまで半額負担が必要だった児童について無償化することを掲げており、今後多くの自治体でも同じような動きになっていくと思われます。

この施策に必要な予算が約22億円。大阪市の一般会計が約2兆円なので、わずか0.1%捻出できれば可能になる、非常に素晴らしい取組だと思います。理想は1人目から無償化することですが、2人目であればわずか0.1%でできるというのは大変参考になる内容です。

その②:保育人材の確保対策事業

これは従来の施策を拡充しているもので、令和5年度の約47億円から令和6年度では102億円と大幅拡充しています。内容としては「保育士の確保に向け、保育所等への就職を促進するとともに、保育士の定着や働きやすい労働環境実現に向けた支援」を行うもので、保育士の不足解消に向けて取り組んでいきたいという思いが現れていると思います。

内容としては「1~7年目、10年目、15年目、20年目、25年目の保育士に対し一律20万円、短時間勤務保育士には一律10万円を交付する」というものなのですが、自分が働く側だとして「10年目に20万円もらえるから保育士を続けよう」と考えるかなというとそうでもないかも、と感じています。

そもそも仕事を続ける(その仕事をやめない)理由って、「他よりも条件がいいから」という部分が大きいものなので、そもそも保育士の待遇を改善するということがやっぱり王道なんでしょうね。

とはいえ大阪市は保育士確保に向けた取組が非常にユニークで、USJの年間パスが支給されたりします。他にも帰省代を補助するとか、家賃を補助するとか、これからも面白い取組を期待しています。

話がそれましたが、王道である保育士の待遇改善は、すでに全国的に発生している人手不足の状況下では待ったなしに進めていかないといけないでしょうね。

その③:障がい児の受入れ強化

障がい児保育は保育所の担当者なら誰もが経験したことのある、常に悩ましい課題です。

内容や程度にもよりますが、他の子と比べて見守り等が必要なため、通常以上に人手が必要になります。国も当然ながら加配基準を設けて保育所の支援をしていますが、より専門的なスキルが必要なものにも関わらず、保育所が受け取れる補助金は満足のいくものとはなっていません。結果的に保育所側から「受け入れ体制が取れない」ということで入所できない、というのは保育所あるあるといっても過言ではありません。

大阪市の令和6年度予算ですが、約28億円。令和5年度の23億円から2割以上増加しました。これも保育に関わるものとして嬉しいことです。が、正直なところこれでも全然足りないです。大阪市のホームページにも記載していますが、障がい児の受入れのために非常勤職員を雇った場合に支給される金額は約12万円。保育施設からするとこれでは人が来ないため、持ち出しになります。わざわざ自らの収益を悪化させてまで人を雇おうと考える経営者なんてそうそういないので、結局保育所側も受け入れ体制を構築できずに終わってしまうことになります。

以前にも書かせていただきましたが、公立の保育所ではコストコのアルバイトよりも給料が低い可能性があり、ときには命に関わる重大な業務にしてはあまりに待遇が悪すぎると思います。非常勤の保育士は現代の蟹工船かもしれません。

とりわけ障がい児の受入れについて、民間の保育所では他にも制度的な問題があり、これについても別の機会に書こうと思います。

最後に

0~2歳児の無償化は非常にいい施策だと思いますが、結局これも今保育所に入れている人にとってはメリットが大きいものの、保育所に入れる人を増やすことにはなっていません(待機児童解消にはつながらない)。

やはり保育士の待遇を今よりも大幅に改善するとともに、「障がい児を受けれたほうが保育所は儲かる」というくらいまで雇用支援を拡充させない限り、保育所に入れずに人生設計が狂わされる人をなくすのは難しいだろうなと思わされています。

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