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令和4年不動産鑑定士試験会計学/私の解答速報/所感

はじめに

不動産鑑定士試験受験生の皆さん、こんにちは。

税理士・不動産鑑定士の井上です。

タイトルにある通り、本日(令和4年8月7日)に行われました令和4年度不動産鑑定士論文試験の会計学の解答速報を早速以下にまとめました。

問題は山口先生のブログで公開いただきましたのでそちらをご確認ください。

解答速報

問題1
(1)
ア:償却
イ:減損処理
ウ:収益
エ:費用
オ:利益操作
(2)
20年以内
(3)
取得とされた企業結合において、被取得企業又は取得した事業の資産及び負債の取得原価が、受け入れた資産及び負債に配分された純額を上回る場合における当該差額がのれんである。
のれんは、被取得企業又は取得した事業に係る超過収益力の源泉であり、概念フレームワークにおける資産の定義(キャッシュ獲得に貢献する便益の源泉)に当てはまるため、貸借対照表に資産計上される。

(4)
(3)において、取得原価が、受け入れた資産及び負債に配分された純額を下回る場合における当該差額が負ののれんである。
負ののれんの発生原因としては、認識不能な項目の存在やバーゲン・パーチェスなどが考えられる。

(5)
「自己創設のれん」を資産計上することは、経営者による企業価値の自己評価・自己申告を意味し、投資家の意思決定に有用な情報を提供するという財務報告の目的に反するため、資産計上は認められていない。

問題2
(1)
ア:利益
イ:社債その他の債券
ウ:金利の調整
エ:償却原価法
オ:洗い替え方式
(2)

売買目的有価証券及びその他有価証券ともに、投資者にとっての有用な情報はこれら有価証券の期末時点での時価に求められると考えられるため、時価をもって貸借対照表価額とすることとされている。


洗い替え方式は、前期に計上した時価評価差額を当期に戻し入れる会計処理である。他の方法である切放し方式は、前期に計上した時価評価差額を当期に戻し入れない会計処理である。


売買目的有価証券は、売却することについて事業遂行上等の制約がなく、時価の変動にあたる評価差額が企業にとっての財務活動の成果と考えられるためである。
その他有価証券は、事業遂行上等の必要性から直ちに売買・換金を行うことには制約を伴う要素もあり、評価差額を直ちに当期の損益として処理することは適切ではないと考えられるためである。


企業会計上、保守主義の観点から、これまで低価法に基づく銘柄別の評価差額の損益計算書への計上が認められてきた。このような考え方を考慮して部分純資産直入法も認められている。

所感

問1、問2ともに基準の穴埋め問題はできるだけ取りこぼしがないようにしたいところですね。

問1ののれん、負ののれん関係の論述は、企業結合会計基準の結論の背景や概念フレームワークをしっかり勉強していないと綺麗にまとめるのは難しいかと思います。

問2の論述は、④の部分純資産直入法の論拠がややマニアックですが私の論点暗記レジュメには入れてました。それ以外は基本論点なので取りこぼしがないようにしたいところですね。


はじめまして。ご訪問ありがとうございます。開業税理士の井上幹康と申します。