私がやった不動産鑑定士修了考査対策・勉強法etc

はじめに

今回は、私が実際にやっていた不動産鑑定士修了考査対策についてご紹介しようと思います。読者としては、主に不動産鑑定士修了考査を受験する実務修習生を対象にしております。

私自身は、第14回修了考査に合格しています。近年修了考査の合格率が低下しており、実務修習生の中には修了考査に漠然とした不安を覚えたり、どんな対策・勉強をして望めばいいのだろうかと悩んでいる方も多いかと思います。

それぞれ置かれている環境や現状の知識量・実力が異なりますので万人に効果のある対策や勉強方法というものを示すのは難しいので、あくまでも一合格者が実際に行っていた対策・勉強方法としてお読みただければと思います。

対策開始時期

修了考査対策を始めた時期ですが、私は、修了考査の約4,5カ月前から本腰を入れて対策・勉強を開始しました。

まわりには1か月前から始めたという方もいましたが、万全を期すには最低でも3ヶ月くらいみておいた方がよいのではないかと思います。

はじめにやったこと

私は、いきなり修習テキスト等を頭から読み始めるのではなく、はじめに修了考査の過去問を解きました。

修了考査の過去問は連合会HPに公開されています↓
日本不動産鑑定士協会連合会 (fudousan-kanteishi.or.jp)

全部やってみてもいいですが、1回分くらいは修了考査直前に腕試し的に解く用に取っておくのもよいのではないかと思います。

はじめに過去問を解くことで、実際にどの程度の難易度の問題が出ているのか、自分が苦手な分野・論点がどこなのかを把握することができます。これをやっておくことで、その後修習テキストを読み込む際、頭からただ漠然と読むのではなく、出やすい部分、苦手な部分を意識して読むというように強弱をつけた勉強ができるようになります。

修習テキストの使用法

修習テキストの使用方法ですが、1つは「読む」という使用方法があります。上記のように先に過去問を解き、出やすい部分、苦手な部分を意識して読むのがポイントです。

私自身は、「読む」だけでなく、修習テキストから自作のレジュメを作成していました。実際に作成したレジュメの1部は私のnoteサイト内でも販売していますので気になる方は見てみてください。

具体的にどうやってレジュメを作成していたかというと、修習テキストから不動産鑑定評価基準・留意事項、要説に載っていない実務ならではの取扱いの部分を中心に抽出してレジュメ化していました。

不動産鑑定評価基準・留意事項、要説に載っている内容は、論文試験の範囲であって、修了考査では出にくいと考えられます。修了考査で出るのはそこに載っていない実務ならではの取扱いや考え方ですので私はそこを抽出してレジュメ化していました。

また、レジュメ化する際には、単に修習テキストの内容を転記するだけでなく、その内容について理解を深めるために、適宜実務指針なども併せて読み込んでいました。

実務指針・業務指針は連合会HPにアップされています。
日本不動産鑑定士協会連合会 (fudousan-kanteishi.or.jp)

eラーニングの確認テスト

eラーニングの確認テストの復習も適宜行っていました。

ただ、直近の修了考査の択一式試験はeラーニングの確認テストより難易度が高く、eラーニングの確認テストの復習だけやっていても受からないので、上記修習テキストを使用した勉強が必須となります。

記述対策

修了考査の記述試験対策としては、過去問を解く、修習テキストの使用法でご紹介した勉強方法以外に、以下2つをやっていました。

①論文試験の過去問演習
 平成18年~26年頃の論文試験は今の論文試験とは比較にならないほど難易度が高いものがあり、今の修了考査対策にも使えそうなものがありますので、それを解いていました。

②旧3次試験の過去問演習
 これは、現行の修了考査になる前の旧3次試験の時代の過去問を指導鑑定士の先生から貸していただき、解いていました。一般には入手困難だと思いますが、もし入手できるようであればぜひトライしてみるとよいかと思います。基準改正前で多少古くて使えない問題もありましたが、非常に勉強になりました。

面接対策

面接対策としては、指導鑑定士の先生に面接官をお願いして模擬面接をやっていただいたり、修習同期と集まって模擬面接をやったり、修習先の先輩鑑定士さんに面接官をお願いして模擬面接をやっていただいたりしました。

面接では実際に自分が実地演習で評価した鑑定評価書をベースに質問されますので、実地演習の鑑定評価書のクオリティが高ければ高いに越したことはありません。

実地演習の鑑定評価書のクオリティが低いと、そこは確実に面接で指摘されますので、今であればこうすべきであったと考える等の回答を準備しておく必要があります。

いずれにしても、実地演習の鑑定評価書は提出して認定されてしまうといくら誤りがあとで見つかっても訂正できないので、実地演習の鑑定評価書作成の時点ですでに面接試験が始まっているという認識をもって、できるだけクオリティの高い鑑定評価書を作成を心がけましょう。


はじめまして。ご訪問ありがとうございます。開業税理士の井上幹康と申します。