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価値にお金を使っていくこと

私が今住んでいる場所は、農地が多い地域です。
移住してから農業に携わる人との接点をわずかですが持つようになって、将来の農業に対して不安を感じたことから、ものの価値について考えてみました。

労働環境が厳しい農業という仕事


首都圏から近所に移住してきた50代の男性。
長ネギ農家に就職をしましたが、3ヶ月で退職をしてしまいました。
炎天下の中、腰をかがめたりしゃがんで作業をすることが続き、仕事のつらさに身体が悲鳴を上げてしまったそうです。


農家の仕事は体力が相当ないとできない、という話を度々聞きます。
農家の家に生まれた人でないと農家へはお嫁に行けない、という話も地元の人から聞いたこともあります。
外での腰をかがめて行う長時間の畑仕事、収穫作業、袋詰めの作業など、農業は機械化が難しい作業が多くを占めています。


労働環境の改善がなかなかできないと、就業する人は減っていきます。
ただでさえ高齢化が進んでいる農業従事者。
現在はそれを補うために、私の周りでは働き手に外国人の人たちが増えている印象があります。


作業効率を上げるためにできること


労働環境改善のために作業効率を上げようとすると、農薬をたくさん使う、ビニールハウス栽培をする、などの方法をとるようになるんだと思います。
地元の人が、農作物の生産量が多い地域は農薬も多量に使っている、わからないように朝早く農薬をまいているんだよ、と教えてくれました。
昔より身体への影響が少ない農薬になっていても、多量の農薬に触れることは作業に携わる人にとっていいはずはありません。
農薬の影響を懸念して、市場に出す作物と自家消費の作物を分けて栽培する、という話も聞いたことがあります。


天候に左右されない安定的な生産を考えると、ハウス栽培の野菜が増えていきます。
安定生産は可能になりますが、ハウス建設には多額の費用がかかり、さらに光熱費が年間通してかかりますから、経費を差し引くと大きく収入が増えるとは言えないのかもしれません。


野菜の値段はなかなか上げられない


農家の現状を知るようになって、栽培にかかる労力に比べて、野菜の値段は安すぎる、と感じるようになりました。
ここ数年を見ていても、他の商品に比べて、野菜の値段はあまり上がっていないように感じませんか。
私は生協で野菜を買うことが多いのですが、農薬をできるだけ使わない(多分生産量の少ない)野菜でさえ、それほど高くは売られていません。
値段を上げると購入につながらないからでしょうか。
安いものがたくさん売られていたら、やはりそちらが選ばれてしまいがちなのでしょう。


価値にお金を使うように意識を向けよう


ものの価値を測る指標、それは値段です。
価値を感じたらそれに見合った対価を払う。
生産者はそれによって自分たちの仕事の価値を実感し、さらに良いものを作る糧になる。
消費行動はものの価値を認めること、生産者を応援することにつなげられます。
でも、安さばかりに消費者が価値を感じていくと、結果的には価値のあるものがなくなっていってしまい、最悪は生産する人がいなくなるかもしれません。



私自身、安易に買って使わなくなってしまったものを断捨離することがあります。
その反省から、少し高くても長く使えて自分が好きでいられるもの、価値のあるものにお金を使いたいな、と考えるようになりました。
そう考えると、自分の身体を作っている食べもの、それを作っている生産者の方に、これからは意識を向けていきたいと思いました。


意識を向ける行動として、今までより高いものを購入していきたいと思います。
高く売るために、生産者は何か工夫をしているはず。
味わうことでそれを知ることができたら、食事の楽しみが増えていきそうです。
そして、素材そのものが美味しければ、手間をかけないで美味しくいただけるはず。
結果的にはお得になるんじゃないでしょうか。



たったひとりの行動だけれど、意識を向けることで生産者の応援をしていきたい。
そして、その分、無駄な買い物をしないように吟味していこうと思います。
とりとめのない話になりましたが、読んでいただいてありがとうございました。
あなたは何に価値を感じていますか。

















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