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◎日々のつぶやき 29

29「平和」を考える:ケネディ元大統領アメリカン大学卒業式での演説


 Bilingual英語教育、異文化・多文化共生教育に従事する私が考える平和とは、世界の人々を差別せず、どの国の人とも仲良しで、みんなが幸せに暮らせる社会です。世界ではロシアのウクライナ侵攻、中東紛争や内戦、テロ、暴動など様々な問題が起こっています。過去の世界大戦などの歴史に学ばない人間の愚かさを痛感します。
 改めて、私が尊敬する人のひとりであるケネディ元大統領のアメリカン大学卒業式での演説(1963.6.10)を思い出します。「平和の戦略 (THE STRATEGY OF PEACE) 」という題で、アメリカ至上主義の否定、世界と未来永劫の平和主義を唱道する言葉を味わいたいものです。
 
わたしは、真の平和、すなわち、この地球上での生活を生きる価値のあるものにする平和、人と国が成長し、希望を持ち、子孫のためにより良い生活を作り上げることのできる平和、アメリカ人のためだけではなく、世界中の人々のための平和、今の時代だけではなく、あらゆる時代での平和について話したいと思います。
 わたしが平和について語りたいのは、戦争が新しい様相を見せているからです。複数の大国が、強力な核兵器を持ち、そうした戦力に訴えずに降伏することのない時代には、全面戦争に意味はありません。たった1つの核兵器に、第二次世界大戦で連合軍の全空軍が投下した爆弾の10倍もの威力がある時代には、全面戦争は無意味です。核兵器を含む戦いで生み出された毒物が、風、水、土、種によって地上の隅々に達し、まだ生まれぬ世代にも影響をもたらすような時代には、全面戦争は無意味なのです。」 (中略)
 世界平和は、地域社会の平和と同じく、隣人愛を全員に要求するものではありません。ただ互いに寛容の心を持ち、争いを公正かつ平和的に解決しながら、共に生きることだけを求めるものです。そして歴史は、人と人との対立と同じように、国同士の対立も永遠には続かないことを教えてくれます。われわれの持つ好悪の感情がどんなに不変のものに見えようとも、時の流れや出来事の大きなうねりは、しばしば国家間や隣人同士の関係に驚くような変化をもたらすものです。ですから、たゆまずに努力を続けましょう。平和は実現できないものではなく、戦争は避けられないものではありません。」(ケネディ元大統領アメリカン大学卒業式での演説一部(1963.6.10))
     (つづく)

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