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書籍レヴュー

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記事一覧

漫画という最高の表現 井上雄彦『SLAM DUNK』

2022年12月に封切りされたという映画『THE FIRST SLAM DUNK』が、2023年4月現在でもまだ公開中…

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風になれ、少女たち いしいひさいち『ROCA-吉川ロカストーリーライブ』

手元に10枚組のファドのCDがある。CD1と書いてある1枚を選んで、デッキに入れて再生する。ファ…

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軽妙な語りの間に見える想像力 友利昴『エセ著作権事件簿』

2020年のある暑い日、あるSNSに「蛇口から 頼んでないのに お湯が出る」という投稿をした。…

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痛烈な批判、小説への信頼、耽美世界の妙ー川本直『ジュリアン・バトラーの真実の生涯…

以下、結構ネタバレになると思うので、どうぞお気をつけて。 「冒認(ぼうにん)出願」という…

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クリエイター堀辰雄の姿勢:大石紗都子『堀辰雄がつなぐ文学の東西 不条理と反語的精…

標題の本書は堀辰雄についての学術論文であり、一般向けの書籍でないことを初めにお伝えしたい…

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「風化させたくない」大崎善生『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』

2007年8月25日、世の中を震撼せしめた「闇サイト殺人事件」。殺害された磯谷利恵(いそがいり…

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終わらない女たちの哀しみ エィミ・タン『ジョイ・ラック・クラブ』

人の苦しみ・悲しみを「なかったこと」にするのは意外と簡単だと思う。語らない、それだけでいいのだ。語ることによって過去に命が与えられ、受け継がれていく。エィミ・タン氏が描いたこの物語は1989年にアメリカで出版されるや否や、大ベストセラーとなったという。その要因の一つとして、フィクションではあるが、多くの女性がこう思ったからではないかーーー「これは私の物語だ」と。2012年公開の映画『少女は自転車に乗って』(※1)、2019年出版の小説『82年生まれ、キム・ジヨン』(※2)より

さすがの吸引力。カレー沢薫/ドネリー美咲『ひとりでしにたい』

現在も講談社『モーニング』で連載中の漫画作品。伯母の孤独死をきっかけに、老後と今現在の人…

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合理性と文化のバランスーオードリー・タン『デジタルとAIの未来を語る』

オードリー・タン氏といえば台湾のデジタル担当大臣だが、まだ記憶に新しいのが「マスクマップ…

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青柳 いづみこ著『ショパン・コンクール - 最高峰の舞台を読み解く』

クラシック音楽やピアノは好きだけど「ど素人」、ましてショパンなど一曲も弾けない。そんな私…

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友利 昴著『オリンピックVS便乗商法: まやかしの知的財産に忖度する社会への警鐘』

公式サイト  我々は「オリンピック」の言葉、文字、そしてロゴマークにどのようなイメージを…

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川崎 昌平著『重版未来 ―表現の自由はなぜ失われたのか―』

公式サイト 表現の自由が「表現規制法」で厳しく取り締められている世界(違反者は処刑される…

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宇佐見りん著『かか』そして『推し、燃ゆ』

小説というジャンルを書ける気がしない。ストーリーを考え、説明していくだけではないからだ。…

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