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【詩】おんな浪裏

わたしのおとこがほれている
おんなのにっきをよんだ
しきゅうがほしかったという
ぐちゃぐちゃにこわれた
あかんぼうのかたまりがほしかったという
わたしはめを
しばしばするまでないたあと
じぶんのこわれたらんそうにふれた
くすり
くすりくすり
くすりまたくすりづけで
もうあかごのうめないまたぐらにふれた
おとこはそのおんなに
わたしがしっとしたらゆるさないといった
なんというみがってだと
そうはくになったあたまをかかえ
おとこのおくってきた
めーるをまたかくにんした
わたしがはなれていったらしぬという
からだががたがたふるえたけれども
おとこはへいきでにゃあと
わたしのあしにじゃれている
おんなはおとこにほれたらいけない
おとこにあまえて
いつまでもうばわなければならない
わたしはほんとうにおろかだと
いちばんかわいそうなのはじぶんじゃないかと
またじぶんをあざわらうようにほえた
おとこはにくらしいぺるしゃねこのように
つんとすましている




                詩集「スパイラル」
                 モノクローム・プロジェクト刊
                    2017/4/10

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