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【詩】私の咎

コロスコロス
私は殺す
五才の時の朝焼けを殺害する
十七才の時のうろこ雲を殺害する
三十二才の時の俄か雨を殺害する
一度コロス度に激しい咳が出る
あまりにも呼吸が苦しいので
内股に尿がつうっと漏れて流れる
それでもコロスことをやめられないのは何故だろう
私は繰り返し人のアキレス腱を打擲してしまう
それはイジメだ
とわかっていながら私は
傷ついた虎を教育することをやめられない
理解してくれないセラピストを沢山殺しました
ワタシを切り刻もうとするカウンセラーを丁寧に殺しました
私は他人にコロサれたくはない
自分で生後二ヵ月の時
兎のケージに入れられていた私を殺したい
人を殴りつけていると
私はどんどん空の電線に縛り付けられて行くようだ




            詩集「スパイラル」
             モノクローム・プロジェクト刊
                 2017/4/10

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