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龍族と龍宮の姫君たち・玉依姫の西鎌倉龍口明神社〜水と龍の旅九州ウガヤ編①

うのこの滝編①〜⑤読んでいただきありがとうございました♪


・神代の歴史への旅


あれから9年が経ち、その間に私には大きな変化が起きました。
それは日本の古代史、さらにその前に遡る神代の歴史への関心です。

大学の専攻は西洋史でして、日本史には関心のなかった私が、なぜかこの後、どんどんと時代を遡っていくような旅をしていくことになりました。

今回は、その九州編。ウガヤフキアエズ朝と言われる王朝と旅との関わりを書いていきたいと思います。

宮崎県の幣立神宮と高千穂からほど近い「うのこの滝」

この神秘的なスポットで、自分が古代の巫女だったらここで祭祀してるよな〜というような、わけわからない感想が湧いてきたのですが、

その後、二つの興味ある話に導かれました。

・龍族の伝説


一つは「龍族の伝説」

これは何かの文献とかではなく、うのこの滝の旅から帰ってから聞いた話ですが…

昔、九州に龍族と言われる人たちがいたらしいと。

その人たちは、異形であり、特別の力を持っていた。ただ、龍族の男たちは、人間の女の色気に弱かった。それを利用して人間は龍族の能力を混血することで、自分たちのものにしていった。

龍族の女たちは、たいへんあっさりしていて、龍族の男たちの浮気を許していたので、

やがて龍族はその能力を身につけた人間たちに滅ぼされてしまった…という話。

「へ〜」と当時は思ったが、あの滝にそういう人たちがいても不思議がなさそうという感じはありました。


・天皇と龍宮の姫君たち


また、調べていくと、江戸時代に物議をかもした「先代旧事本紀大成経」(先代旧事本紀とは別物」)には、神武天皇以来15代応神天皇までの天皇たちが、すごく大きかったり、背中に鱗があったり、角あったり…などなど、龍っぽい特徴を持っていたという記述がでてきます。

大成経の他にも『塵添壒囊抄(じんてんあいのうしょう)』には「応神天皇は長い尻尾があり、部屋を出るのに挟まった。」という伝承もあるそうで、室町時代くらいまで、それが信じられていたことがわかります。

大成経は、伊勢神宮問題もあり、関係者が処刑されたりしてしまいますが、どこかに残っていた古い文献からその内容が出たのかもしれませんね。


海幸山幸神話も九州が舞台です。

山幸彦(日子火火出見命)が海神の娘、龍宮の豊玉姫と結婚。子どもを産む時に豊玉姫が異形になったとの話があります。龍とも、鰐鮫とも言われますが、その姿を見られた豊玉姫は、それを恥じて龍宮に帰ってしまいます。

浜の産屋に鵜の羽で屋根を葺くのがお産に間に合わなかったので、「見ないで!」と言った豊玉姫のお産を山幸彦が見てしまうことなったのです。そのため、子どもは「鸕鷀草葺不合尊」「ウガヤフキアエズ ノミコト」と名付けられます。

残された子どもを育てるために、龍宮から妹の玉依姫が今度はやってきます。

玉依姫は、その鸕鷀草葺不合尊と結婚することになり、生まれたのが神武天皇ということになります。

神武天皇は、九州から東征して、初代天皇となりますから、天皇家は、龍宮の海神の子孫ということにもなるというお話。

・源氏物語にも龍女譚が

実は、この話は、平安時代の源氏物語にも影響を与えています。

源氏物語のヒロインといえば、紫の上ですが、最後にはずっと辛い思いをしていくことになります。

それに対して天皇の母、つまり国母となるのが、明石の君が産んだ姫君です。

身分が低い生まれでいつも一歩引いていた明石の君は、国母の母ということになり、最後に栄華を誇るのは…いう感じになりますよね。

明石の君の父、明石の入道が見た夢の通りになるという展開ですが、そのお告げは「住吉の神」からもたらされます。

明石という海の土地生まれで、海神住吉神の加護をうけた明石の君は龍女であり、その娘の姫君が天皇を産むのは、

先の海彦山彦の神話、龍女が天皇を産むという話から来ているそうなのです。

紫の上も好きだけど、明石の君が報われてよかった〜と思ってしまいましたが、その裏にはこんな繋がりがあったのですね。

・玉依姫を祀る龍口明神社と龍雲

関東の方では西鎌倉に「玉依姫」を祀っている神社「龍口明神社」あります。

うのこの滝の翌年。最初に友人に案内してもらった日の空がすごいことになっていたので、今回はそちらの写真を載せていきますね。

龍口明神社は、江ノ島の弁天様を守る五頭龍の口のあたりにあったのですが、昭和になって龍の背の上の気のよい場所に移ってきたそうです。

本当にこの地形は、江ノ島に向かって龍が山になったようなのがすごいです。

だからなのか、「銀の龍の背に乗って〜♪」と感じさせられるように、龍の胴体のような巨大な雲が真上に伸びています。

鳥居の先、龍の口方面からは、龍の髭のような雲が湧き立ち、そこに、日輪の虹までかかっていたのです。

その後、別の友人とともに訪れた時は大雨で雨宿りせざるを得ないくらいでした。雨が止みましたら、女性の宮司様がいらっしゃって、話しかけてくださいました。

その時のお話では、

玉依姫様は、龍宮から人間界に来た唯一の方。(豊玉姫は帰ってしまいましたものね〜)なので、この人間界にいる龍たちの元締めなのです。」とのこと。

日本の女性は、豊玉姫のタイプか玉依姫のタイプに別れてますよ。」とのお話も面白かったです。

深〜く思慮する豊玉姫タイプと、ともかく私が育てますの行動的玉依姫タイプ、あなたはどちらかな?

10月には「玉依姫祭」があるので、いらっしゃいとのことで、その次は晴天の玉依姫祭へ伺うことに。

その日は、ものすごく綺麗な青空でした。


なにか縁のありそうな、龍口明神社。
こんなこともありました。

あるミュージシャンの方のところへ私の「シンギング・リン」という楽器を預けて使っていただいているのですが、預けてすぐに「龍口明神社での奉納演奏が決まりました。」と連絡があったのには、びっくりしました。

私の手元にあったら、奉納演奏なんてことはなかったコリンちゃん(←親しみを込めてリンをこう呼んでます。)が、龍口明神社で響くことになるとは!

・次回はウガヤフキアエズ

さて、次回は興味が出た二つ目。不思議な名前「ウガヤフキアエズ 」その王朝があったのか?大分の大友家初代が書いたと言われる史書「ウエツフミ 」と「うのこの滝」の「う」お話に続きます。  


今日も読んでいただき、ありがとうございました☆


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