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歴史に触れる旅①(広島編)

旅をするときはいつも
まだ訪れたことのない場所でどんな景色に出逢えるだろう?
どんな風が吹いているのだろう?
色々な想いを馳せてはわくわくします。

前回は函館を旅行したときのことを記事にしました。

引き続きの旅行記は、広島と神戸へ行ったときのことです。

旅の目的は「歴史にふれること」でした。

広島は戦争のこと。
神戸は阪神淡路大震災のこと。

戦争のことは、その時代を生きてきた祖父の話をちらっと聞いたり、教科書やドラマなどでしか知る機会がなかったので、いずれ足を運んでみたいと思っていました。


神戸の方は東北の震災が発生してまだ日が浅い時期でしたが、過去に同じように大きな震災が起きた街が(訪れた当時の)今、どのようになっているのだろうか、この目で見てみたいとの思いからです。


広島と神戸での出逢い、
当時を思い返しながら言葉にしていきたいと思います。
読んでいただけましたら嬉しいです🍀

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旅の出発

現地までの移動手段は夜行バスです。
家から一番近い夜行バスの停留所で到着を待っていました。夜行バスに乗っているときに外の景色をみるのが好きなのですが、今回はあいにく真ん中の座席でした。窓側の座席が当たったときは、光が入り込んで他の人の迷惑にならないよう、カーテンに顔をつっこむようにして景色を眺めています 笑


翌朝の7時ごろ、広島に到着。
駅周辺を歩いていると、パン屋さんを発見しました。サンドウィッチを注文し、通勤通学で駅へ流れゆく人たちを眺めつつ、ゆっくりと食事を取っていました。

厳島神社を歩く

最初に目指した場所は宮島にある厳島神社です。
JR線の電車に乗って宮島口駅で降りると、桟橋からフェリーが出ており、それに乗って厳島神社に向かいます。ちょっとした船旅気分。

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大鳥居が見えてきました


フェリーを降りて厳島神社までの道のりを歩いていると、ところどころに鹿がいました。修学旅行で行った奈良の鹿を思い出します。

そのときみたいに食べ物くーださい♪ってそろそろと寄ってくるのではないか…と思いきや、こちらが見つめていても我関せずという感じで、のんびり日向ぼっこしていました。

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ふわっとしたお尻がキュート♡

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境内へ足を踏み入れると
それはそれは、趣のある景色でした。
十二単を着た女性が歩いている姿を
想像させられるような。

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神聖な空気を感じながら境内をゆっくり見て回ったところで、再びフェリーに乗り込み、次はいよいよ、旅の大きな目的のひとつである、平和記念公園を目指します。

平和記念公園へ

この日はよく晴れ渡った天気でした。
澄んだ空の青を背にして原爆ドームがそびえ立っていました。
まるで時が止まっているかのような錯覚に陥りました。

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小学校の国語の教科書には何か一つ、戦争を題材にしたお話が載っていた記憶があります。授業で学んだことをきっかけに、戦争を扱ったいろんなお話を本で読むようになりました。

一つの花
はだしのゲン
二十四の瞳
ガラスのうさぎ…

学校の授業で「はだしのゲン」のアニメを見ていて、どのようなシーンだったかは忘れてしまいましたが、あまりにも悲しすぎて、思わず泣いてしまったのですね。静かに涙をこぼすような感じで。


そしたらクラスの誰かに「泣いてる?」と言われて、その一言でクラス中の視線が自分に集まってしまいました。自分だけが泣いていて、めちゃくちゃ恥ずかしかったです…


戦争によって
大切なひとが奪われてしまった悲しみ

原爆によって全身に火傷を負った人たちの苦しさ

一瞬で街が破壊されてしまうことの恐怖。

こどもながらにもお話を通して多くの感情を抱いていたのだと思います。

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公園内の一角に、折り鶴が供えられたブースがありました。
多くの人が捧げる平和への祈り。

このとき、私も十羽ほどの折り鶴を持参していて、ささやかながら、ブースの中に供えさせていただきました。
犠牲となってしまった多くの人々への悼みとともに。


話が少しそれてしまうのですが、
私が好きな曲にこんな歌詞があります。

世界が優しい光にいつか包まれますように…
なんて偽善者みたいな願い声(くち)にして
本当に変わればいい
(Holy ground/GARNET CROW)


自分ごときが祈願したところで何になるの?
当時、自分に対して卑下するような、ネガティブな感情があった故にそんな思考になっていたのかもしれません。

けれども、本当は、心の奥では
人々が平和に生きられる世界、優しい光に包まれるような世界であってほしい。このアンビバレンツな心情を持つ歌詞、当時の自分の心とよく合わさっていました。

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それでも、立ち上がる。生きていくために。

公園内にある「国立広島原爆死没者追悼平和祈念館」という施設を訪れました。ここには、犠牲となった多くの方のご遺影や、生き延びた方々の手記が保存されていました。

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館内にある360度パノラマのスクリーンには、被爆した街の様子が映し出されていて、時空を超えた世界が広がっていました。

当時の光景を前に、ただただ圧倒され、その場に立ち尽くすことしかできない。


地下一階に足を運ぶと、体験記を読むことができるコーナーがありました。

図りしれないほどの辛い記憶。
きっと、言葉にすることも容易ではなかったのではないかと思う。それでも、後世へ受け繋ぐために、記してくださったこと、そのことを尊び、ひとつひとつ拝読させていただきました。


教科書で学んだ戦争というものは、
人類史上初めての核爆弾が落とされ、多くの人が犠牲となった。かけがえのない大切な人を奪われてしまった。その後も被爆の後遺症に苦しみ、命を落とす人が大勢いた。


こどものときの頭の中は、そのくらいのところで思考がストップしていました。それ以上のことに思いを馳せられる力を持ち合わせていなかったようです…(-_-;)

原爆が投下されたあと、
人々はどのような惨状を目の当たりにしたのだろう。
どれだけの人が苦しんだのだろう。
それでも立ち上がり、命からがら生き延びてきた方々の記録。
読んでいるだけで苦しかった。けれども、多くの方の体験記を通じ、これまで知らなかった視点での戦争を知りました。

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平和記念公園を見て回った後は、駅付近のアーケード街を散策したり、広島城を見にいったりして、神戸へ移動するまでの時間を過ごしていました。
アーケード街を散策していると、ベーカリーショップの「アンデルセン」を発見!
こんなところで出会うとは…✨ここの系列のパン屋さんが地元にもあり、好きでよく買っていました。ここで売ってるメロンパン、名前がメロンパンではなくて「サンライズ」というおしゃれな名前なんです😳


たくさん歩いて色んな場所を訪れて、日も落ちかけてきた頃。高速バスに乗車して次の目的地、神戸に向かいました。


つづく。

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